オンライン教育への注目が一気に高まる中で、チラチラと顔をのぞかせる言葉…
GIGAスクール(ギガスクール)

ぎがすくーる…ギガ??メガ、テラ、その次はゴジラ??
この状況に合わせた急ごしらえの措置ではなく、前々から計画されていたものです。
ただ、この状況下で一部の内容に例外が出されたり、早まったりしていいます。
どうせいずれ来るのですから、これを機会に「GIGAスクール構想」を知りましょう。
【要約版】GIGAスクールとは?
まず、ざっくりまとめます。
・GIGA=Global and Innovation Gateway for All
・児童生徒向けの1人1台学習用端末、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する
・2019年度補正予算案に2,318億円(端末には1台45,000円補助)
・スケジュール
2019年度調査 5人に1台
~2022年度 すべての小中学校で3クラスに1クラス分
~2024年度 1人1台
GIGAスクール構想推進の背景
さて、文部科学省サイトには、「GIGAスクール構想の実現について」という特別にまとめてあるサイトがあります。
1.文部科学大臣からのメッセージ
2.GIGAスクール実現推進本部の設置
3.「児童生徒1人1台コンピュータ」の実現を見据えた施策パッケージ
4.GIGAスクール構想の実現パッケージ
・全体概要
・予算関連
・標準仕様書
・教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改定
・「教育の情報化に関する手引」
・その他関連情報
・自治体ピッチ
5.追加情報
6.イベント情報
それぞれの項目には資料が添付されていて、トップページのPDF資料は約30。1ページで完結するものもあれば、中には40ページを超える資料もあります。
トップページにPDF資料がなくても、項目の中に入っていくとやはりPDF資料がドドン!
この中からポイントをしぼって、紹介・解説します。
OECD/PISAのICT活用調査の結果とは?
【02.03.23更新】(事務連絡)令和元年度補正予算「GIGA スクール構想の実現」に関する説明資料(情報提供)(令和2年3月19日時点)
41ページあるこの資料の中に 『GIGAスクール構想の実現について』文部科学省初等中等教育局 があります。
この中に、OECD/PISAのICT活用調査の結果が載っています。
・OECD経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)
ヨーロッパ、北米等の国々によって、国際経済全般について協議することを目的とした国際機関
・PISA (Programme for International Student Assessment)
国際的な学習到達度に関する調査
PISAの調査は国際的な学習到達度で15歳児を対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、3年ごとに調査しているものです。調査内容や結果などを国立教育政策研究所が「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」として発表しています。
調査の結果について、どうしてもわかりやすい数値がニュースになります。

(日本経済新聞「日本の15歳「読解力」15位に後退 デジタル活用進まず」より引用)

(少し脱線)PISAの調査内容
しかし、PISAの調査はこれだけではなく、
1.学校質問調査
2.生徒質問調査
3.ICT活用調査
これらの3つについてもアンケート形式で、様々な質問をしています。
・学校の基本情報
・学校の管理・運営体制
・教員
・成績評価
・多様な生徒への対応
・学校の雰囲気
例えば、(一部を抜粋)
A.公的資金/保護者負担の授業料/寄付金
A.生徒が無断欠席/授業をサボる/教員への敬意が欠けている/教員の抵抗/教員の授業準備不足
A.はい/いいえ
・あなた自身、ご家族、ご家庭
・学校での国語の学習
・あなたの読書についての考え
・あなたの生活
・あなたの学校
・学校の時間割と学習時間
例えば、(一部を抜粋)
A.自分の部屋/勉強に使えるPC/インターネット回線/詩集/美術品/参考書/骨董品/来客用寝室/自宅警備システム
A.雑誌/コミック/フィクション/ノンフィクション/新聞
A.職業の名称
学びにデジタル機器を活用しない日本の子供たち
そして文科省がGIGAスクール構想を推進する理由ともなった鍵となるPISAの調査が、
3.ICT活用調査
であり、
ICT活用調査において、自宅/学校にある機器・デジタル機器開始年齢などとともに、学校や授業でのデジタル機器利用に関する数値が出ました。
先に挙げた 「GIGA スクール構想の実現」に関する説明資料 のスライド9ページを見ると、「ほかの生徒と共同作業をするために、コンピュータを使う」の結果が出ています。
月、週、ほぼ毎日で見ると、タイがトップで約75%です。
月~日の合計を見ると60%を超える国は、アメリカ、オーストラリア、カザフスタン、フィンランド。
そして、日本。
一番右のバーです。合計しても10%程度です。
さらに、 「GIGA スクール構想の実現」に関する説明資料 のスライド10ページ目を見ます。
チャット、ゲームでは平均を上回るのに対し、宿題、勉強、資料探しでは大きく下回るのがわかります。
これらなどが「GIGAスクール構想」を進める理由として挙げられています。
GIGAスクール構想の内容詳細
これらを踏まえて、文部科学省が掲げるGIGAスクール構想の内容を整理してみます。
文部科学省作成の 「GIGA スクール構想の実現」に関する説明資料 のスライド等から特に重要な箇所を以下に抜粋します。(詳細は文部科学省のサイトで確認してください。)
■全体像
■スケジュール
■都道府県別の現状
■端末
■お金
■企業の動き
YouTube動画もあります。ただし、5時間。そして、3日間。
最後に:GIGAスクール構想の基本を知ることで理解が深まる
「GIGAスクール構想」は思いがけずオンライン授業の必要性を大きなエネルギーとして、力強く、そして計画よりも早く、動き出しました。
これを踏まえて初めて「例外」がわかります。
家庭で所有しているパソコンやタブレットを学習に活用するBYOD(Bring Your Own Device)に積極的に取り組むよう、公立学校の設置者である自治体や保護者に働き掛ける考えを文部科学大臣が表明しました。

そして「前倒し」もわかります。
ネットやテレビを通じた遠隔授業で、教科書などの著作物を自由に無償で使えるようになります。このほか、予習・復習用の教材を、教員がメールで子どもに送ったり、外部のサーバーで共有したりできるようになります。

まずは、基本となる考えを知りましょう。
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