さすがのサザン。無観客配信ライブを成し遂げました。サザンオールスターズという文化は、昭和・平成・令和とどこまで進化するのでしょうか。
音楽・芸能のオンライン配信についての考察記事を書いたこともありますが、サザンオールスターズの配信ライブはとにかくスゴいの一言に尽きると思いました。スゴい点を3つ挙げてみます。
サザンの無観客配信ライブのスゴい点①スピード
ライブ開催の発表が6月9日。
実際のライブ開催が6月25日。ここまでのスピード感は対面のイベントでは不可能です。なぜなら、、
ライブに参加するお客さん側の都合
・交通
横浜アリーナ徒歩圏の人だけが集まるわけでは、もちろんありません。特に「聖地」と言われるような会場でのライブは、ソコでやること・ソコで見ることに意味があるため、全国各地…時に世界から人が集まります。飛行機や特急など席数が限られているものは争奪戦になります。
・宿
ライブによるホテル難民が出る現象があります。特にはライブチケットよりもホテルが高倍率かもしれません。
・仕事などの都合
ライブ当日だけでなく、移動がある場合は前後1日以上を見ておいた方がいい場合もあります。ついでに観光でもしよう、どうせ行くならアレを食べよう…となるかもしれません。仕事の休みを取れるか。家族の理解を得られるか、一緒に行くのか。こういった下準備や根回しを早くから動き出し、すべきことを前倒しして計画を立てます。
ライブを開催する主催者側の都合
・会場
大きな会場は誰がいつ使うのか、前々から予約を入れる必要があります。サッカーや野球などの決められたスポーツの一定期間の決められたスケジュール、国体や催しものの年によって異なるスケジュールなど、大きな会場は数多くあるわけではありませんのでスケジュールを抑えます。ライブ当日だけでなく、仕込み(準備)からバラシ(片付け)まで前後数日間を抑えます。
・スタッフ
人の確保も主催者にとっては大事なことです。ライブ運営は様々な分野の職人が、その人にしかできないプロの仕事をします。オンラインライブの公式サイトに掲載されていたスタッフからのメッセージをご覧ください。
いかにスタッフが多いかがおわかりいただけると思います。その数400人。誰一人欠けることも、代わることもできないスタッフたちなのです。アーティストの中には毎回決まったスタッフに何年、何十年と関わっていることもあり、家族同然です。
今回の事態によってライブができず、スタッフたちが苦しんでいることをアーティストが嘆いています。真ん中に写るアーティストの双肩に何が乗っているか…想像に難くありません。
サザンの無観客配信ライブのスゴい点②寄り添い方
サザンオールスターズさんのファン層は幅広く、特に多いのはサザンオールスターズご本人と同年代の60歳前後だと想像します。
今回、デジタルツールが得意でない人たちに向けて、丁寧なスモールステップを準備していました。特に優れていたのはYouTube動画「さまぁ~ずの配信ライブってどう見たらいいですか?」の配信です。
ライブを視聴するメディア選びやチケット購入の解説を、図やスタッフによる解説でなく、さまぁ~ずさんに任せたことが一気に参加へのハードルを下げました。
おふたりのサザン愛もにじみ出ていました。「好きな曲は言うたびに変わる」は納得。
サザンの無観客配信ライブのスゴい点③集客力
会場となった横浜アリーナのキャパシティは17,000人しかし、今回チケットを購入したのは180,000人!キャパの上限がない。これこそオンラインの強みです。
始めはチケット1枚3,600円で家族や友人で一緒に観ることができてしまうので、本当は2倍3倍売れるのにもったいないなと思っていたところ…結果10倍以上売れたと。すごすぎる!
想定視聴者は50万人と書かれていますが、見逃し配信ができる後2日分も入れたらもっともっと増えることでしょう。
まとめ:サザンがオンラインライブの道を切り拓いた話
人気コンテンツでよくある「YouTubeにすぐ違法アップロードされる」のも、今のところ表立って見受けられません。サザンオールスターズさんファンの民度の高さを物語っています。
サザンが道を切り拓きました。次は誰が続くでしょうか。また、別の方法で新しい土地が開拓されることもあるでしょう。
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