2021年春から始まった教育実習生と若手教員を助ける音楽教育サポートプロジェクト。着々と進んでいます。
普段はチャットでやり取りをしていますが、今回は夏ということで個別に顔を合わせてアドバイスをするという機会を設けました。
3名の参加者(公立中学校の初任者・公立高校の初任者・教育実習を控えた大学生)がどのようなことに疑問を持っているのか?ということをまとめてご紹介いたします。
最後にはサポートプロジェクトで行った「支援金を何に使った?」ということも聞いていますので、併せてご覧下さい。
- Q.歌唱テスト:別室試験の場合に待っている生徒に何をさせる?
- Q.歌唱テスト:点数を生徒に開示する?
- Q.器楽の授業:筝(楽器)が生徒の人数に対して足りない!
- Q.GIGAスクール:タブレットでSongMakerを使ってみたい。
- Q.部活動:部活に生徒が集まらない
- Q.著作権:ネット上の絵画をパワポ資料に使っていい?
- Q.器楽の授業:ギターをどう扱うか?コードどうする?
- Q.新学習指導要領:音楽科でできる「探求」の授業とは?
- 教育実習生の学習指導案の添削をしました
- 年間指導計画の立て方・考え方について
- Q.支援金のアマギフ1万円を何に使った?
- まとめ:音楽教育サポートPJ:教育実習生・教員初任者からの質問と回答を紹介(オンライン面談・チャット)
Q.歌唱テスト:別室試験の場合に待っている生徒に何をさせる?
私がしていた提案2つしました。
1つは写譜です。楽譜を書き写すということそれをさせていました。うまい/へた、速い/遅いではなく、丁寧に書いていることを重視していました。
もう1つは個別ではない場合は歌をお互いに評価し合うということもやっていました。
Q.歌唱テスト:点数を生徒に開示する?
私の回答は開示する。それは義務だと思います。
もちろん初めにどのような点で何を評価しているかと言うことも生徒に話をしますけれども、その後で点数を気にする生徒が出てきます。高校受験を控えていればなおさらです。また最近はカラオケ番組などが増えて、歌を点数化するということも日常的に生徒が見るようになったのではないかなと思います。
私は生徒(希望者)に開示をするということをしていました。
学校や状況にもよると思いますけれども、生徒に点数を開示するのは必要かなと思います。また開示の方法を先に話しておくというのも生徒の安心感につながると思います。
Q.器楽の授業:筝(楽器)が生徒の人数に対して足りない!
もちろん人数分ある方が珍しいと思います。
数名で一面を使うことになると思いますけれども、そこでもやはりルールをきちんと明確化しておくのが良いと思います。また弾いていない生徒(楽器を触っていない生徒)に対してどのように指示をするかというのも大事なところです。
和太鼓は40人で2台で行なっていましたので、やはり周りの生徒にている生徒がただぼーっと見ているにならないように、何かすべきことを与えておくというのは大事だと感じています。
Q.GIGAスクール:タブレットでSongMakerを使ってみたい。
タブレットが1人1台来たということで、タブレットを使った実践をしたいという積極的な相談でした。
私の時はありませんでしたので実践例を出すことはできませんが、今では実践例がたくさん紹介されています。またソフト自体の使い方やできることはYouTube上にたくさん紹介の動画が出ています。
これを参考にして学んでもいいですし、生徒・子どもに直接見せてもいいと思います。物は使いようです。
Q.部活動:部活に生徒が集まらない
続いても切実な相談です。部活に生徒が集まらないという問題です。
活動に積極的な人であればあるほど「なんで休むんだろう?」「コンクールを控えているのに!」という風な思いが出てきてしまうのは当然のことです。
初任の今年度は仕方がなかったとしても、来年度からは「コンクールに出るか出ないか」そのこと自体を生徒と話し合うことが重要だと思います。
コンクールに出ることのメリットやデメリット。また「何をして、何を我慢しなければいけないのか」そういったこともきちんと踏まえて、それでもコンクールに出たいのかということも生徒と共有しましょう。
そして、出るからにはお互い納得をして目標を持って取り組むということが、お互いにとっていいことだと思います。
「毎年出ているから」「去年も出ているから」という慣例ではなく「今年度どうするか」ということを、本年度参加する生徒と共に考えるこれが大事なことです。
Q.著作権:ネット上の絵画をパワポ資料に使っていい?
パワーポイント(授業中に使うもの)にネットで見つけた絵画を使っていいかという質問でした。
こちらは著作権の基礎を話した上でSARTRASのことも話し、自分の所属している自治体(教育委員会)がSARTRASに申請をしているかということを確認した上で使用しても良いという話をしました。
Q.器楽の授業:ギターをどう扱うか?コードどうする?
中学校高校の教科書にはギターも出てきています。
ギターを扱う場合にはどうしても避けては通れない「コードの概念」。コードをいつどのように教えるかということ、どこまで詳しく教えるかというところ。そこも非常に難しい塩梅だと思います。
私が実践していたキーボードでのコードの説明について共有しました。
Q.新学習指導要領:音楽科でできる「探求」の授業とは?
高校で新しく入る「探求」。音楽科から見る探求とは何かということを話し合いました。
今回の学習指導要領の軸である「生活と社会」
ここに紐づく探求ができればいいのではないかなという風に思っています。
私が今最も興味があるのはゲーム音楽です。
オリンピックの開会式で注目されたゲーム音楽。私はゲーム一切やらないのですが、一気にゲーム音楽を聴くようになりました。
自分自身はもちろん。生徒の生活や社会に即した音楽どのようなものがあるのか探求させる時間があれば、とても楽しくなるでしょう。
教育実習生の学習指導案の添削をしました
秋に教育実習を控えている教育実習生の学習指導案を添削しました。
中学1年生の創作について。
リズムづくりをするということで「中学1年生がどの程度できるのか」という話。またその先「もし早くできてしまったら、どうすればいいか」という次の手(第2案、第3案)きちんと設けておきましょうという話をしました。
また時間の中で発表までするとなると、発表の方法を考えておかないと時間配分が非常に難しいです。発表の方法・その時間を短縮する方法についてのアイデアをお話ししました。
それから鑑賞に関する学習指導案も添削をしました。
年間指導計画の立て方・考え方について
夏休み明け。仕切り直し!
着任してすぐに年間指導計画を出すとなると十分に練ることができずに提出するという例もあります。当然です。
夏休み明け、しっかりと計画を立てて「もう一度仕切り直して進めたい」ということで年間指導計画の立て方や考え方について動画をヒントにしながら話をしました。
Q.支援金のアマギフ1万円を何に使った?
このサポートプロジェクトでは支援金として1万円を amazon ギフト券で差し上げています。
年度末に使い切ればいいので「現段階で使ったものがあれば…」というふうに聞いたところ、
・合唱の指導の教則本を買ったという例
・教材を作るときに使うペンやラミネーターを買ったという回答
がありました。
学校で使う指導書は学校の予算で買おうとするととても難しかったり、手続きが煩雑だったりします。しかし「自腹でも…」ということもありますので、こういったところにギフト券を使っていただいてよかったです。
また教育実習生は自由に使えるペンやラミネーターは確かにありません。
「そういったことに使うんだなあ」ということでこちらも気づきがありました。
「年度末までに何に使うのか」これを知ることで、こちらはどのような支援ができるのかを考えるということができます。
まとめ:音楽教育サポートPJ:教育実習生・教員初任者からの質問と回答を紹介(オンライン面談・チャット)
今日は音楽教育サポートプロジェクト(サポプロ)について紹介をしました。
この夏オンライン上ではありますが、3名の方にお会いできてよかったです。みんな元気そうだったのが何よりです。
教育実習生・初任者、1人の困りごとは全国誰かのどこかで同じことを困っていると思います。この動画の中でも今後も共有していきたいと思います。
サポートプロジェクトにぜひご期待ください。
サイトの記事の内容は動画と同じです。
動画「音楽教育サポートPJ:教育実習生・教員初任者からの質問と回答を紹介(オンライン面談・チャット)」も是非ご覧ください。
コメント