皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。
現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。
令和4年2月22日に令和4年度の予算案が衆議院を通過しました。その中で文部科学省の予算、今年度どのようになっているのかということを説明します。
文部科学省の予算といっても様々な項目があります。今日はその中で小学校・中学校・高等学校に関わる内容を、かいつまんで紹介します。「詳しく知りたい」「内容をもっと知りたい」という方は文部科学省のサイトをご覧下さい。
私、原口 直のチャンネルですので、資料の著作権の話から少しします。
この動画は文部科学省のWeb サイトで公開している情報を資料にしています。6つの約束に従って複製等が自由にできるようになっています。
今回は web サイトの中にある予算の資料を使います。今回は加工をしますので、このように出典を明示します。
「著作権についてもっと知りたい、気になった」という方はこのチャンネルの中にも著作権に関する動画があります。
また『原口 直の学校著作権ナビ』という著作権に関係することで、かつ学校に関係あることをピックアップしたチャンネルがあります。そちらも併せてご覧下さい。
この動画は3つの構成になっています。
2.特に小中高校に関連する項目の予算解説
3.他省庁の予算のうち教育に関連する項目を解説
自分に関わりのあることや興味のある内容をピックアップしてご覧下さい。
文部科学省予算の構成について
文部科学省といっても様々な内容があります。
大きく4つに分かれていて、
スポーツ関係
文化芸術関係
科学技術関係
があります。
文部科学省の中にはスポーツ庁や文化庁・科学技術庁が入っていますので、文部科学省の予算の中にこのように組み込まれているのです。教育以外のことも入っているというところを注意しましょう。
金額はこのようになっています。また資料の中には概要も書かれています。具体的な金額・項目などが書かれています。円グラフで見ると、青は教育関係・緑は科学技術関係、オレンジはスポーツ・赤は文化芸術関係という風になっています。文部科学省全体の予算で5兆2818億円という風に書いてあります。
また「予算案のポイント」というのも挙げられています。
グリーン社会カーボンニュートラルの実現
官民挙げたデジタル化の加速
日本全体が元気にする活力ある地方作り
こういった内容がまとめられています。
ポイントの中には「コロナ対応関係」というのもまとめられています。
各項目ごとの内訳を見ていきましょう。
教育関係予算のポイント
大きく4つの項目に分かれていて、その中がさらに細くなっています。
■令和の日本型学校教育の推進
教科担任制や働き方改革。また、教員の養成・採用研修なんていう項目もあります。もちろんGIGAスクール構想に関するものもありますし、新時代に対応した高等学校改革なんていうのもあります。それから学校保健。そして学制150年記念事業なんていうのも入っています。
■新しい時代の学びを支える学校施設整備
脱炭素化など計画的・効率的な学校設備が整えられるとあります。
■高等教育機関の多様なミッションの実現
大学から社会変革を目指すといった内容やSociety5.0、ポストコロナ時代なんていう言葉も入っています。
■誰もが学ぶことができる機会の保障
この中にはいじめや不登校、虐待や自殺対策といった内容。外国人の受け入れ拡大に対応する内容。グローバル社会やコミュニティスクールと地域学校。それから就学前のことや人生100年時代を見据えたリカレント教育、そして学びのセーフティーネットといった言葉があります。
幅広く教育に関連する内容があるということがわかります。
スポーツ関係予算のポイント
スポーツ関連は2項目あります。Sports in Lifeの実現に向けた促進・地方創生。新たなスポーツの価値の創出・持続可能な競技力向上体制などがあります。
文化芸術関係予算のポイント
文化庁の予算は3項目あります。文化芸術の新たな政策パッケージといった内容や文化財の匠プロジェクト、そして文化振興を支える拠点の整備や充実といった項目があります。
科学技術関係予算のポイント
大きな4つの項目な中に全12項目あります。
我が国の抜本的な研究力向上と優秀な人材の育成で2項目・Society5.0 を実現し未来を切り開くイノベーション創出とそれを支える基盤の強化で3項目・重点分野の研究開発の戦略的推進で2項目・国民の安全・安心やフロンティアの開拓に資する課題解決型研究開発の推進では5つの項目が挙げられています。
特に小学校・中学校・高等学校に関連する予算の解説
ピックアップしてお話しします。
教育関係の予算
大きくは小学校における高学年の教科担任制の推進と35人学級の計画的な整備、これに予算が充てられています。
そして「教師の質向上と新たな学びの実現や外部人材活用に向けた仕組みと研修体制の構築及び環境整備」というのもあります。
続いては「教育職員などによる児童生徒などに対する性暴力の防止などに関する取組の総合的な推進」。
「GIGAスクールの運営支援センター整備事業」なんていうのもあります。
また、「GIGAスクールで学びの充実」というのもあります。アドバイザーなどによる自治体の支援事業やICTを活用した指導力向上支援事業、情報モラル教育推進事業、児童・生徒の情報活用能力の把握に関する調査研究、こういった項目が入っています。私の立場としては、情報モラル教育の中にぜひ知的財産権(著作権)を入れていただきたいものです。
「学習者用デジタル教科書の普及促進事業」こちらにも予算が割かれています。デジタル教科書が今後どうなっていくのか注目です。
また、「CBTシステム」システムの機能改善・拡充を行うということがあります。自分の学んだことが数値化したり、体系化されていくという内容です。
それから「幼児教育スタートプランの実現」ということで、小学校とのつながりといった内容があります。
続いて高校の話です。「新時代に対応した高等学校改革推進事業」について。
そして「道徳教育の充実」。新しい学習指導要領から特別の教科道徳が始まりました。その教育についての充実も予算が割かれています。
続いては「学校保健」について。学校保健の推進と感染症対策の充実ということで、対策の支援や欠席者・感染者情報システムの充実といった項目もあります。
そして「学制150年記念事業」があるそうです。
それから「公立学校の施設の整備」では、新時代の学びに対応した教育環境の向上と老朽化対策といった項目。防災・減災・国土強靭化の推進。脱炭素化の推進といった項目が挙げられています。
「国立大学・高専などの設備の整備」もあります。
それから「国立大学改革の推進等」という中には、ミッション実現加速化に向けた支援といった内容があります。
「国立高等専門学校の高度化・国際化」といった内容。「私立大学などの改革の推進等」も充てられています。
それから「ウィズコロナ・ポストコロナ時代の高大接続改革の推進」ということで、大学入学者選抜における共通テスト改革の推進事業などが挙げられています。
それから「いじめ対策・不登校支援等の総合推進事業」ではスクールカウンセラーの配置充実やスクールソーシャルワーカーの配置充実・不登校児童生徒に対する支援・SNSなどを活用した相談体制の整備などもあります。
それから「夜間中学の設置促進・充実」の内容もあります。
「外国人受入れ拡大に対応した日本語教育・外国人児童生徒等への教育等の充実」ここでは生活者としての外国人等に対する日本語教育の推進や外国人児童生徒などへの教育などの充実こういった内容が挙げられています。
それから「在外教育施設の戦略的な機能の強化」といった内容。
「学校を核とした地域力強化プラン」「家庭教育支援推進事業」「体験活動などを通じた青少年自立支援プロジェクト」「読書活動総合推進事業」の内容もあります。ここには改正された著作権法に基づいた内容が書いてありますので注目の内容です。
「学校安全体制の整備」スクールガードボランティアやスクールガードリーダー・警察・PTAなどと連携して地域全体で見守る態勢を強化していくという内容です。
それから「高校生等への就学支援」といった項目もあります。
スポーツ関係の予算
「子どもの体力向上に向けた取組の推進」では、幼児期から運動習慣を形成していくプロジェクトなどがスポーツ庁の予算に入っています。
もう一つスポーツ庁からでは、「子どものスポーツ機会確保・充実に向けた運動部活動改革の加速化」というところで、地域における新たなスポーツ環境の構築に向けた基礎整備ということで、中学校の部活動教員に代わって部活動の指導や大会引率を行えるという内容が入っています。
文化芸術関係の予算
「文化芸術の新たな政策パッケージを基軸とした文化芸術の創造・発展と人材育成」の中では、特に「2.文化芸術による創造性豊かな子どもの育成」というところに予算が割かれています。
科学技術関係の予算
「科学技術・イノベーション人材の育成と確保」というところに、女子中高生の理系進路選択支援プログラムやSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の支援事業やグローバルサイエンスキャンパス(高校生対象)それからジュニアドクター育成塾ということで子どもたちに向けた取り組みに予算が割かれていることが分かります。
文部科学省に関する4つの関係の中から、特に小中高生に関わるものをピックアップしてご紹介しました。かなり端折ってかいつまんでお話ししていますので、内容についてはぜひ本文を当たってみてください。
他省庁予算のうち教育に関連する項目
教育について、また子どもたちについての予算は文部科学省だけではありません。
文部科学省以外にも経済産業省は「未来の教室プロジェクト」の中で、例えば働き方改革に言及したり、校則(ルールメイキング)について話したり、部活動のアウトソーシングについて話したりしています。STEAM教育やSTEAMライブラリーといった教材の研究もしています。
経済産業省の令和4年度の予算の中には「教育」といった項目はなかったのですが、安心と成長を呼ぶ「人」への投資の教科の中の「1.人づくり」の中に教育の項目がありました。
こちらが内容です。「1.人づくり」の一つ目には、価値を創出する人材づくりに向けたEdTechを活用した個別最適な学びと創造性を育む学際的な学び(STEAM学習)の事例創出普及と教育システム改革を推進するといった項目が入っています。
まとめ:【教育関係者必読!】令和4年度文部科学省の学校関連予算を分かりやすく解説
今日は文部科学省の令和4年度の予算についてお話ししました。様々な分野・様々な子どもたちに向けた取り組みがあることがわかったと思います。まずは自分に関係のあること自分の興味があることから調べてみましょう。
私としては、どういったものに予算が割かれているかというのは、教職員はもちろんのこと、教員を目指している大学生や子どもたち自身も知ってほしいなというふうに思います。
こういった予算を見ることで、国が何に力を入れようとしているのか。教育・国をどうしようとしているのかがわかると思います。
資料はポイントだけでも71ページもありますが、ぜひ関心を持って見てみてください。
記事の内容は動画と同じです。
動画「【教育関係者必読!】令和4年度文部科学省の学校関連予算を分かりやすく解説」も是非ご覧ください。
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