「明日の小テストを作らなきゃいけないけれど、問題文を考えるのが面倒」
「解説まで書いていると帰るのが遅くなる」……。
現場で働く皆さん、このような悩みを抱えていませんか?
この記事では、AIを活用してワークシートや小テストの問題を一瞬で量産する方法をご紹介します。難しい理屈は抜きにして、たった1つの指示(プロンプト)で解答・解説まで作り上げる「魔法のような体験」を、学校教育の現場に即して解説します。

授業や校務で使える実践的な生成AI活用法を紹介。コピペして使えるプロンプトやリスク対策も含めて、生成AI初心者でも生成AIがすぐに使えるよう分かりやすく解説しています。
AIは「物知りで作業が早い新人アシスタント」
AI(生成AI)をどのように捉えればよいか、まずはイメージを共有しましょう。AIとは、「ものすごく物知りで、作業がめちゃくちゃ早い新人のアシスタント」だと思ってください。
- 強み: 文章を書いたり、アイデアを出したりするスピードは人間の何倍も早い。
- 弱み: 新人なので、たまに知ったかぶりをして嘘をつくことがある。
私たちがやるべきことは、このアシスタントに「これこれについて準備しておいて」と指示を出すこと、これだけです。
1つの指示で完結!魔法の「問題作成プロンプト」テンプレート
どの教科の先生でも明日から使える、最強の指示文(プロンプト)をご紹介します。
この記事では、これ1つだけ覚えてください。
【プロンプトのテンプレート】
中学●年生向けの(単元名)の4択クイズを5問作成してください。
条件は、表形式で出力すること。
項目は、問題文・4つの選択肢・正解、そして分かりやすい解説です。
ポイントは2つ
- 「単元名」と「学年名」を入れる: ターゲットを明確にします。
- 「表形式で出力して」と伝える: そのままスプレッドシート等にエクスポートして使いやすくなります。
【実演】音楽科での活用例:音符や休符の名称クイズ
実際にこの指示をAI(Google Gemini, ChatGPT, Copilotなど)に出すとどうなるでしょうか。
音楽科の「音符や休符の名称」を例に試してみましょう。(詳しくはYouTube動画を実際にご覧ください)
AIは、記号を直接表示するのが難しい場合でも、以下のように工夫して問題を作成してくれます。
- 問題文の例: 「音符の形が丸だけで、基本的に4拍分の長さを持つ音符の名称はどれでしょうか?」
- 選択肢: 1. 全音符、2. 2分音符……
- 補足: 音符や休符の符号の代わりに、「線の上に帽子のように乗っていて……」といったユニークな文章表現を添えてくれます。
もちろん、音符や休符を実際に図示した方が良い部分は先生が補足する必要がありますが、問題の「種」を作る作業はこれだけで完了します。
全教科で使える!応用と修正のコツ
この手法は全教科で有効な「最強の時短術」です。
- 理科: 「オームの法則」と入れれば計算問題が作成可能。
- 社会: 「歴史上の人物」を指定。
- 英語: 「現在完了形」などの文法事項を指定。
納得いくまで「会話」で修正する
一度の出力で完璧である必要はありません。AIは文句ひとつ言わずに修正案を出してくれます。チャット欄でアシスタントに話しかけるように、次のように伝えてみてください。
「もう少し簡単にして」
「もっと難しくして」
「記述問題に書き換えて」
この「会話のキャッチボール」で修正できるのが、生成AIの大きな利点です。
安全に使うための「2つの注意点」
非常に便利なツールですが、活用にあたっては以下の2点を必ず守ってください。
個人情報を入れない
「3年○組の●●君の事例で」といった入力や、成績データの入力は厳禁です。
AIは学習のためにデータを使うことがあるため、個人名は絶対に入れないでください。
必ず先生が「ファクトチェック」をする
前述の通り、AIは自信満々に嘘をつくことがあります。
出力された問題や解説が教科書の内容と合っているか、生徒の現状に合っているか、評価として適切か、必ず先生自身の目で確認してください。

まとめ:浮いた時間を「休息」と「生徒と向き合う時間」に
教科書を読み直し、選択肢をひねり出し、解説を書く……。
これまで何時間もかかっていた作業が、AIという「副操縦士」がいれば数分で終わります。
明日からのアクション:
まずは騙されたと思って、次の授業の「復習クイズ作り」でこのプロンプトを試してみてください。
一度その便利さを味わえば、AIの得意なこと・足りないことが見えてくるはずです。
そして、AIの活用で浮いた時間は、ぜひ先生ご自身の休息、そして生徒一人ひとりと向き合う時間に使ってください。AIはあくまで人間中心の教育を支えるための道具なのです。
この記事は、動画「【神時短】AIにお任せ!小テスト・プリント作成を一瞬で終わらせる最強プロンプト|先生のための生成AI活用講座⑦」をもとに作成しました。




