【文化部は学校から地域移行へ】要点解説・文化部活動の地域移行に関する検討会議の提言

【文化部は学校から地域移行へ】要点解説・文化部活動の地域移行に関する検討会議の提言 一歩先ゆく音楽教育(役立つ豆知識)
一歩先ゆく音楽教育(役立つ豆知識)
本サイトはアフィリエイトプログラム等による収益を得ています
PR

文部科学省の中の文化庁から2022年8月9日「文化部活動の地域移行に関する検討会議 提言~少子化の中、将来にわたり我が国の子供たちが文化芸術に継続して親しむことができる機会の確保に向けて~」が出されました。
これからの学校の部活動(文化部)がどうなるかを決めたものです。

 

文化部活動の地域移行に関する検討会議 提言
~少子化の中、将来にわたり我が国の子供たちが文化芸術に継続して親しむことができる機会の確保に向けて~

 

文化部に関わる教員・保護者・地域の文化芸術に関わる人や、芸術の技術を持っている人に知ってほしい内容で、一番知ってほしい人は文化部の子どもたちです。

全員に知ってほしいですが、夏は合唱・吹奏楽などの活動が最も活発な時期です。
忙しい皆さんのために、この提言(47ページ・43,000字)を、中学生がわかる言葉で要点を解説します。

 

結論「文化部は学校から地域へ。まずは休日」

内容はその理由とスケジュールです。

 

色々なものを背負った色々な企業や色々な人からの色々な意見に触れるのも良いですが、大切なのは「本文」にあたることです。この動画の中で、私の意見は一切入れません。事実のみまとめて述べます。

動画を見て関心のある部分や、詳しく知りたいと思った箇所だけでいいので、「本文」を読んでください。概要欄に貼っておきます。この提言に関わった校長先生の代表や教育委員会、大学の先生、吹奏楽・合唱連盟、中高文化連盟、保護者の代表であるPTA、地域部活の団体などの皆さんの思いがこもっています。

 

 

PR

目次

はじめに
第1章 中学校等の文化部活動を取り巻く現状と改革の方向性
第2章 地域における新たな文化芸術等に親しむ環境の在り方とその構築方法等
第3章 地域における文化芸術団体等の整備充実及び指導者の質・量の確保の方策について
第4章 地域における文化施設の確保方策
第5章 大会・コンクールの在り方
第6章 地域の文化芸術活動における会費の在り方
第7章 保険の在り方
第8章 学習指導要領を含む関連諸制度等の在り方
第9章 地域移行の取組が進められている間の学校における文化部活動の在り方
第10章 休日の文化部活動の地域移行の達成時期の目途について

 

中学生が分かりやすい言葉に直すと、こういったことが書いてあります。

 

・今の文化部、これからどうなの?
・地域でどうやって部活をするの?
・団体と人は誰?
・場所はどこ?
・大会・コンクールはどうなるの?
・お金や安全、内申書への影響は?
・途中は?
・部活はいつまでに地域移行するの?

 

 

PR

はじめに(p1~4)

何で部活を地域に移すの?

・文化部は大切
・学校教育の一環としても大切
・少子化と教員の負担で持続が厳しい
・地域との連携が十分でない
・文化庁・中教審・国会・文部科学省・スポーツ庁でも地域との連携が大切と言っているよ
・文化庁で検討会議を6回した
・選択肢、複数の筋道、多様な方法で地域の実情に合わせてね

 

部活を地域に移したらどうなるの?

・文化芸術に親しむ子どもの環境を守るよ
・学校から切り離すのではありません
・地域の実情に合わせてね
・地域に移行すると地域の文化が発展する
・提言は公立中が対象だけど、国立・高校・私立もだよ

 

 

PR

第1章 中学校等の文化部活動を取り巻く現状と改革の方向性(p5~8)

「文化部、今どうなの?これからどうするの?」という内容です。

 

・少子化で部活動の廃部、休部、活動の縮小によって衰退するかも
・中学校教諭の長時間勤務が問題
・持続が困難
・まずは休日の移行を検証してから、平日の移行を考える
・文化部じゃなくても文化芸術活動に参加したい子どもに良い環境を作る必要がある
・教員が校務に専念できたら学校教育が良くなるかも

・地域の芸術文化に親しむプログラムを望んでいるし提供も8割している
・部活が地域になることに賛成な地域公共団体は1割にすぎない
・地域の団体の整備、指導者の確保をする必要がある
・地域に移すと、他の世代も連携・指導者活用ができたり、リクエストに応えられたり、文化芸術が好きと言える環境が促進されたりする。

 

 

PR

第2章 地域における新たな文化芸術等に親しむ環境の在り方とその構築方法等(p9~15)

「地域でどうやってするの?」という内容です。

 

▶誰のために?
地域の文化芸術活動は文化部の生徒だけでなく、運動部、苦手な人、支援を必要とする生徒なども想定する

▶誰がする?
文化芸術団体、地域学校共同本部、保護者会、同窓会、複数の学校による団体

▶何をする?
・どんな特性や環境の生徒でもできるようにする
・今学校でしていることをそのままするのではなく、生徒のやりたいことを聞こう
・学校ではできなかったアート活動もします
・大人や高齢者と一緒にできると卒業後もできるね
・地域で何ができるか知ろう

▶どうやってする?
活動時間を守って、休みも作ろう

▶どこでする?
学校や廃校、地域の施設

 

・時間と人を確保するため、まずは休日から移行します。次に平日も。指導者の違いに問題がないように。
・市町村だけじゃなくて都道府県も、スポーツ関係者も協力してください
・移行する時に生徒や保護者、地域の人、学校に、移行する理由や将来、効果、スケジュールを伝えてね
・進み方は自治体に差があるから、スケジュールを示そう
・国や自治体がアドバイスするよ
・令和4~6年度のスケジュール例を紹介するよ

 

 

第3章 地域における文化芸術団体等の整備充実及び指導者の質・量の確保の方策について(p16~20)

「団体と人、どうする?」という内容です。

 

・地域と連携している中学校は今は少ないよ
・進んでいる地域は地域のオーケストラや吹奏楽団の人が来たり、教員が兼職兼業をしたりしている
(兼職兼業=学校の業務と部活動、それぞれちがう仕事を兼ねている。両方している)
・指導員を集めるために人材バンクや研修動画を作ったり、遠隔で指導したりしている
・兵庫県淡路市、富山県朝日町など6つの事例があるよ

・実情を踏まえた取り組みを進めてね
・生徒同士のトラブルや事故の責任をきちんとしてね
・できることから始めてね
・過度な練習、安全確保、暴言暴力、行き過ぎた指導、ハラスメントに気をつけて
・著作権にも気をつけて
・指導者資格の取得はインターネットを使ったりして負担を軽くしよう
・指導員にしてほしい事は実技指導、引率、用具施設の点検管理、会計、保護者対応等

・地域の団体がきちんと運営できる予算をつけよう
・お金は税金だけでなく企業の寄付、基金の設立など考えよう

・部活動をしたい教員は兼職兼業
・本業に影響しない、負担にならない
・周りからの同調圧力で兼職兼業をさせない
(同調圧力=「あなたにしてほしい」「あなたしかいない」といった圧力)

 

 

第4章 地域における文化施設の確保方策(p21~22)

「場所どうする?」という内容です。

 

・活動場所は学校や公民館
・利用ルールや団体間での調整、規則の改正、運用改善をしよう
・営利目的(お金稼ぎをするか)かをチェック
・安く使えるように国から促します

 

 

第5章 大会・コンクールの在り方(p23~26)

「大会・コンクール、どうする?」という内容です。

 

・吹奏楽部や合唱部は、大会やコンクール、定演、行事、イベント等に追われがち
・美術部はそうでもない

・ガイドラインでは大会をこう変えようと言っている
・1校から複数グループが参加できるようにしよう
・複数校の合同グループが参加できるようにしよう
・地域団体が参加できるようにしよう
・大会の規模、日程、引率、外部人材の活用をしよう

・中教審ではこう言っている。
・勝利至上主義を助長するのを見直そう
(勝利至上主義=金賞や1位を目指すだけを目的としない)

・メリットは切磋琢磨、進路決定、技術向上
・デメリットは練習の長時間化・過熱化、行き過ぎた指導、自分のペースでできない

・大会は休日。部活指導が好きな教員もいるけど、負担だと思っている人もいる
・引率も大変。外部指導員が引率できない自治体も
・教員が来なくてもいいようにする

・大会の運営は教員の職務ではないのにしている
・引率以外に設営の運営もあって大変と感じる人もいる
・運営は教員なのか個人なのか曖昧
・本来は主催団体の職員や外部委託、アルバイト
・教員がするなら兼職兼業

 

 

第6章 地域の文化芸術活動における会費の在り方(p27~28)

「お金、どうする?」という内容です。

 

・学校の部活動では部費。
・指導が教員なので指導料がなく安い。
・地域に移行すれば、会費が必要。
・会費が足かせになってしまう恐れがある。
・施設利用料や会費の値下げ、保護者の理解を求める

・部費ではなくPTA会費で活動している例もある
・部活に入っていない生徒に不公平にならないよう説明・理解、返金等も考える
・経済的困窮家庭には費用補助、寄付、基金

 

 

第7章 保険の在り方(p29~30)

「安全、どうする?」という内容です。

 

・学校の部活でのケガは補償が可能だった
・地域では生徒も指導者も保険に入ろう
・保険を整備しよう

 

 

第8章 学習指導要領を含む関連諸制度等の在り方(p31~39)

「すでに存在している制度・約束事は、どうする?」という内容です。

3つの話をします。
「学習指導要領」「高校入試」「教員の採用選考」です。

 

学習指導要領

(「学習指導要領」=学校ではこの教科・この学年で、これを教えるという全国共通の決まり)

・指導要領総則の部活動の規定を見直そう
・必修クラブ活動は平成10年改訂で廃止されているのに、違うことをしている
・部活動は必ず設置・運営・指導しなければいけないという誤解
・音楽科・美術科の教科の中で生活や社会とのつながりを教えて地域に参加しやすくしよう
・次の改訂では学習指導要領を見直そう

 

高校入試

中教審では入試の部活動の価値が部活への過度の期待につながっていると言っている。

▶一般入試
・入試や評定だけでなく、部活動などの学校内外の活動を評価の対象にしようという流れだった
・どう評価するかは高校次第
・調査書(中学校から高校に試験時に提出する成績や活動の記録が書かれた書類)に校外の活動を書く際の情報収集が大変かも
・部活の活動歴だけでなく自己評価資料、面接、小論文を入れるのがいい
・活動から得た長所、個性、意欲、能力の記載を工夫したい
・でも、記載量を増やさないようにしないと教員が大変
・高校側も考えようね

 

▶推薦入試
・大会成績や実技検査を基にしている
・そうすると活動や周囲が過熱化
・中学に多くを求めないで

 

教員の採用・人事

(「人事」=教員が他の学校に行ったり、他の学校から来たりする異動のこと)

・地域移行が完了するまでの間も教員は指導しなくていい
・教採や異動で文化芸術・スポーツを評価する自治体もあるが、これからは見直そう
・教員の授業や評価、育児や介護を考えてね
・部活動指導の扱いを明確にしよう

 

 

第9章 地域移行の取組が進められている間の学校における文化部活動の在り方(p40~43)

「移行していく途中は、どうする?」という内容です。
すぐに移行するのではなく、移行の完了目標は令和7年度末なのでそれまでの数年間をどうするか、ということが書いてあります。

・まずは休日の移行から、すみやかに進めましょう
・移行中の学校の活動は誰でも参加できるように
・負担は軽く、連携しよう

・平成30年に示されたガイドラインでは週2休み、活動は平日2時間・休日3時間がめやすだが、
守られていない状況もある
・「守りましょう」と国が教育委員会に言います

・指導や引率を教員ではない人ができる体制にしよう
・教員の時間外労働(残業)月45時間、年360時間を超えないようにしよう
・他校と連携しよう
・休日に文化芸術に親しむ環境を作ろう
・指導者の発掘・登録をさせよう
・国立・私立も同じです

・大会に出る時に学校か地域かルールを見直そう
・地域で行政・学校・団体が話し合う場を作ろう
・連携しよう
・休日だけでなく平日も増やそう

 

 

第10章 休日の文化部活動の地域移行の達成時期の目途について (p44~45)

「いつまでにするの?」という内容です。

 

・目標時期を決めよう
・できるだけ早く
・めどは令和7年度末に移行完了
・平日の移行は検証してからね

 

 

まとめ:【文化部は学校から地域移行へ】要点解説・文化部活動の地域移行に関する検討会議の提言

今日は「文化部活動の地域移行に関する検討会議 提言」についてかいつまんで話しました。

「知りたい!」「何で?」と思ったら、ぜひ本文を読んでみてください。
自分の関係のあるところ(入試、コンクールなど)、また、これから関わりそうなところ、それだけで良いですので本文を読んでください。

そして、これを読んであなたはどう考えたか。ぜひ周りの人と話してみてください。

 

この記事の内容は動画と同じです。
動画「【文化部は学校から地域移行へ】要点解説・文化部活動の地域移行に関する検討会議の提言」も是非ご覧ください。

ネットや本の情報・専門家への問い合わせでは解決しないことありませんか?
公立・国立の学校現場を知っている経験を生かして、机上の理論と学校現場の皆さんとをつなぎます。現実的に学校での対応が可能な施策を一緒に考えましょう。

▶研修のご依頼・ご相談はこちらの問い合わせページから受け付けています。
▶その他のご相談・ご質問はこちらの問い合わせページから受け付けています。

この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

原口直をフォローする
PR

コメント