合唱指導を成功させる3つのコツ|音楽教員直伝!全学年対応の簡単ポイント

10分で理解する合唱指導の3つのポイント【学校種・学年・先生の専攻は不問の合唱コンクール対策】 一歩先ゆく音楽教育(授業編)
一歩先ゆく音楽教育(授業編)
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こんにちは! 音楽教員歴十年の原口直です。

音楽教員の中でも、合唱指導は避けて通れない重要な課題ですよね。特に、自分自身が伴奏を担当してきた音大出身の先生方は、自分が歌った経験が少ないこともあるかもしれません。そのため、合唱の基礎が大切になります。

この記事では、音楽教員として合唱指導を成功させるための「基礎の基礎」を解説します。学校種や年齢に関係なく役に立つテクニックをご紹介しますので、自信を持って指導に取り組んでみてください。

 

合唱については、再生リスト「教育実習シリーズ」の中で専攻別【ピアノ専攻】【声楽専攻】【管弦打専攻】【音楽教育・音楽学・作曲専攻】の専攻別に解説をしています。是非そちらもご参照ください。

 

 

また運営についての動画もあります。そちらでも合唱について話をしています。

文化祭・合唱コンクールなどの文化的イベントの運営・指導方法について「音楽教員のための校内合唱コンクール・合唱祭・文化祭などの行事運営術」でお話しました。

 

 

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準備編:合唱指導の基礎

自分自身で合唱曲を歌ってみる

まず、自分で合唱曲のすべてのパートを歌ってみることが重要です。特に、女性教員の場合、男声パートを歌うときに地声を使うのか、オクターブ上げるのかといった調整が必要です。
自分が歌うことで引っかかる箇所を知ることができ、生徒も同様の箇所でつまずきやすいことを予測できます。

さらに、声楽専攻の先生はヴィブラートを使わずに歌う練習をしておくことも必要です。
ヴィブラートは独唱では効果的ですが、合唱指導では生徒が聴き取りやすい発声を意識しましょう。

 

ピアノで合唱曲の伴奏を弾いてみる

次に、合唱曲の伴奏を自分で弾くことも大切です。
ピアノが苦手でも、ピアノ伴奏の見本を繰り返し聴くなどして準備を整えましょう。これにより、生徒が間違えた場合や楽譜通りに演奏できていない場合にも気づきやすくなります。

 

 

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手順編:合唱指導のプロセス

生徒にやってほしいことを先に伝える

合唱の指導では、歌い始める前に生徒に「何を注意してほしいか」を伝えることが重要です。

例えば、音程を正確にとるのか、強弱をつけるのか、子音を意識するのかなどを事前に明確にしましょう。この事前の説明が評価基準にもつながります。

 

開始の位置を指示する

次に、合唱曲の楽譜のページ、練習番号、段、小節などを正確に指示して開始位置を伝えます。

 

始まりの音を出す

開始音を毎回丁寧に出すことも忘れないでください。

開始音の出し方にはさまざまな方法がありますが、生徒の実力や発達段階に応じて主音から複雑な音へと進めるなど工夫してみましょう。

 

入り方を指導する

特にアウフタクトで入る場合、音の開始位置だけでなく、息を吸う位置も指導します。
ブレスのタイミングを教えることで、よりスムーズな合唱が可能になります。

 

カウントの方法を統一する

カウントは必ず毎回同じ方法で行いましょう。
たとえば6/8拍子の場合、「123456」と数えるのか、「123223」と数えるのかを統一します。

これにより、生徒が混乱せずに練習に集中できる環境を作れます。

 

【視聴者の質問③】音程が取れない子ども・教材研究のコツ・有効な言葉かけ(全4回)
音楽教員歴10年の原口直です。今日は皆さんからいただいた質問に答えます。(3回目/全4回)教材研究のコツは何か?Q1.実習でやることはまだ決まっていないのですが、教材研究を始めたいと思っています。教材研究についてコツ等があれば知りたいです再...

 

合唱練習への評価

最後に、歌い終わった後の評価では、事前に伝えた目的と一致するフィードバックを行います。

たとえば、強弱を意識するよう指示した場合、「素晴らしい強弱がついていた」と評価しましょう。目的と異なる評価を行うと、生徒が混乱してしまうので注意が必要です。

 

YouTubeを活用した合唱指導の方法について「合唱指導にYouTubeを活用しよう!【学校種・学年・先生の専攻は不問の合唱コンクール対策 第2弾】」で紹介していますので併せてご覧ください。

 

 

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指揮者を立てる:合唱指導の要

「指揮者が絶対」という考えを生徒に植え付ける

指揮者はその音楽における最も重要な存在です。音楽科教員として、まず指揮者を尊重する姿勢を示し、生徒にも「指揮者が絶対」という考えを教えましょう。

具体的には、演奏が終わった後、最初に指揮者の意見を聞き、その内容を補足したり解説したりする形で指導を進めるのが効果的です。

 

指揮者を立てる理由

指揮者を立てることは、授業外で行う合唱練習にも良い影響を与えます。

音楽の授業で指揮者を絶対的な存在として扱うことで、クラス全体がその子を自然に尊重し、練習がスムーズに進むようになります。特に、クラスの中で異なる役割を持つ生徒が多い場合、このような配慮が必要です。

 

合唱の強い学校とそうでない学校は何が違うでしょう。両方の学校を経験して分かったことを「強豪校と一般校でこんなに違う!学校による合唱指導の相違点」でお話しています。

 

 

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まとめ:10分で理解する合唱指導の3つのポイント【学校種・学年・先生の専攻は不問の合唱コンクール対策】

発展的な発声練習とかエチュードとか歌詞の解釈とか、様々な指導方法が本やDVDで出ています。そういったところはぜひいろいろ学んでみてください。実践例がたくさんありますし、優秀な先生方がたくさんいらっしゃいます。

しかし、足元をきちんと固めてすべての合唱指導において以上の3点を大切にしてほしいと思います。合唱指導に自信を持てれば担任の先生などにも頼りにされますし、何より合唱コンクールなどでは保護者の方やお客さん担任の先生などいろんな人に褒めていただいたり評価してくださったりしてくれます。

合唱指導をきちんとできるように基礎を固めていきましょう。

 

部活動・コンクールでの著作権を理解する(Nコン・合唱コンクール・吹奏楽コンクールの事例)」の動画では、実際にNコンや吹奏楽コンクールを例にとって著作権を考えてみました。

 

この記事の内容は動画と同じです。
動画「10分でわかる!合唱指導の3つのポイント|全学年対応の簡単コンクール対策」も是非ご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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