修学旅行の夜、先生たちは何をしている?見回りや安全管理まで実態を徹底解説

修学旅行中の教員の夜のお仕事… 一歩先ゆく音楽教育(役立つ豆知識)
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音楽教員歴10年の原口直です。

修学旅行に限らず様々な宿泊行事が学校にはあります。宿泊行事では教員が24時間生徒につきっきりです。夜、生徒が寝てから先生達は一体何をしているのでしょうか。意外と忙しく、とても重要なことをしています。

 

「教員のため」の「修学旅行にいくため」のパッキング術に特化した動画は「教員のための修学旅行のかばんパッキング術(しおり・まゆ毛・トイレ・スリッパの役立つ小技も紹介)」です。

 

今日は先生たちの宿泊行事の夜について話をします。

 

 

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消灯後の見回りとしおりのチェック

時系列でお話をします。

まず消灯時間これを仮に22時と設定します。そこから1時間は見まわりです。消灯時間を過ぎても電気がなかなか消えないとか、話し声がなかなかおさまらないとか、そういったことを回りながらチェックをして就寝を促します。

夜に起きていろいろなことをするのが生徒の楽しみかもしれませんけれども、修学旅行や宿泊行事では睡眠がとても大事です。次の日の行動や体調管理のことを鑑みても、きちんと睡眠時間を取らせるというのはとても重要なことなので、消灯時間の後はきちんと寝ているかなというのを見まわります。

その見まわりと同時に行うのが、しおりなどのチェックです。
学校によりますが、しおりに日記みたいなものを書いていたら、それに対してのコメントを書いたり印鑑も押したりその内容チェックしたり。それからしおりに体調を書く部分もあります。熱はありますかとか、体調は悪くありませんか、気分はどうですかそういった項目を全員分きちんとチェックするのも大事な項目です。

消灯してから1時間は見まわり、しおりのチェックこういったことをやっています。

 

副担任・音楽教員が宿泊行事に関わる際に特に留意すべき点についてはこちらでお話しました。忙しい担任の先生をどのようにフォローするのが良いでしょうか。

 

 

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修学旅行中の会議の実態

見まわりが終わって1時間ほどしたら、先生方は一つの部屋に集まって会議が始まります。

 

議題1:今日の反省会

どのような内容かというとまずは今日の反省…危険なところがなかったか、例えば集合場所とか横断歩道を渡る時とか移動する際に危険な箇所がなかったか。そしてその対応策などについて、問題がなかったかといった点を挙げます。

それから集合時間や集合場所に問題はなかったかということもチェックをします。
自分の学校の生徒…例えば160人集まるためのスペースがあっても、他の学校の生徒や他の団体がいる場合に問題があったと言ったような反省点が挙げられます。

それから集合時刻などについても余裕がなかったとか、余裕がありすぎたとかそういった反省もあげられます。

 

議題2:次年度の申し送り

それから次年度の申し送りについても話します。
来年度を行う場合ここをこう改善した方がいいとか、集合場所を変えた方がいいとか、こういう行き方にした方がいいとか、来年ここは工事をするらしいとかそういった次年度への申し送りをまとめておくのも大事な夜の仕事です。

 

申し送りを踏まえて、次年度の修学旅行前には改めて「実踏」が行われます。教員が使う用語「実踏」とは「実地踏査」です。その他にも教員が使いがちな専門用語?について「教員なら知っている学校現場特有の専門用語3つを紹介」で紹介しました。周囲に使っている人、いませんか?

 

議題3:生徒の様子の共有(体調・人間関係・アレルギーなど)

続いては生徒の様子を共有するということがあります。
どんな内容かというと体調が悪くなった生徒がいないかどうか、また持病を持っていたり体調を悪くして参加している子がどのような様子であるかということを共有します。これは一人一人丁寧に共有をしていきます。

それから全体の生徒の様子それから対応、翌日の対策なども考えます。
体調の悪い生徒がいた場合、翌日に熱が何度だったら一緒に行くもしくは行かないという判断をする。一緒に行かないのであればどの教員が対応をする。何時の時点で誰が判断して、どこにどう連絡をするといった細かい内容まで考えていきます。

それから体調だけではなくてグループや班で行動する場合の、人間関係も良く観察しておきます。
グループ行動などがあった場合に一人になってしまっていたとか、誰と誰がけんかをしていたようだとか、意外な組み合わせで仲良くしていたようだというような様子も情報交換します。

それから持病や食物アレルギーなどの対応について共有するのも大事なことです。
翌日の食事をもう一度見直してどのメニューをチェックする必要があるとか、どのメニューが何に代わるとかそういったことを教員全員で共有する。これも大事な生徒の様子を把握する項目の一つです。

 

議題4:翌日の確認(スケジュール・人員配置・写真撮影場所・行動など)

最後に翌日の確認をします。

人員配置…先生方がどこに何人何時に行くかということを確認します。もともと決まっているものはもちろんありますが、体調不良の生徒が出た場合など、宿に残る教員が必要な場合また人員を増やしたり減らしたりといった変更の確認をします。

それから心配な生徒がいる場合は担任がそこに当たるように配慮したり、心配な生徒に1日何回も会うように設定をしたりということも考えます。

それから全体のスケジュールの確認もします。

これもあらかじめ決まっていることは事前に打ち合わせをしますが、天候が変わったり、体調不良の生徒の抜けた穴をどうするかということでスケジュールを考えたり。そういったことも打ち合わせでいきます

それから緊急時の対応も毎回必ずチェックをします地震が起きた場合や迷子になった場合、どの教員がどこにいてどのように対応するかという内容も再度最終確認をします

そして写真についてもきちんと確認をします。集合写真、全体写真をどこで取るかどの順番で取るかというのも大事ですし、スポットごとの写真…清水寺にたくさんの生徒が集まってくるので班ごとに写真を撮ってあげよう。そのために何時から何時この場所に教員を配置しようといった細かいことも決めていきます。

以上が翌日の確認となります。教員のうち合わせでは当日のことはもちろん、生徒の細かなチェック、翌日の確認などいろいろなことを全員で共有しておく必要があるのです。

 

 

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会議後の見回りと夜間の安全管理

会議が約1時間で終わると業務終了ではなく、もう一度生徒の見まわりをします。生徒がきちんと寝ているかとか、話し声がしないかとか、体調不良の生徒が廊下に出ていないかなど、最後の見回りをしてようやくお風呂に入れるのは12時以降となります。

これが教員の夜の仕事です。

 

 

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まとめ:修学旅行中の教員の夜のお仕事とその重要性

今日は宿泊行事修学旅行や登山の時の教員の夜していることについて話をしました。意外とやることがたくさんあります。

また翌日の朝、生徒の起床時間よりも早く起きて起床の放送をしたり、体調のチェックをしたり、自分の持ち物チェックをしたりということがあります。睡眠時間がとても短くなってしまう。しかし絶対に倒れられないのが教員の宿泊行事です。

体調を万全に整えて宿泊行事に行くというのも教員の仕事なのです。

 

勤務時間が長くストレスが多いとか言われることも多い教員の仕事をする上で体調管理がとても重要です。私が実践していた健康管理方法について「教員のための心と体の健康管理方法」で紹介しました。

 

この記事の内容は動画と同じです。
動画「修学旅行中の教員の夜のお仕事…」をご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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