教育実習日誌の書き方完全マニュアル:指導教員からのアドバイス

【指導教員が解説】教育実習の実習日誌の書き方 一歩先ゆく音楽教育(教育実習編)
一歩先ゆく音楽教育(教育実習編)
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中学校音楽の教育実習ガイドを公開中!

【中学校音楽の教育実習生・実習生を受け入れる指導教員の先生へ】
指導教員経験を踏まえて、実習前から実習後までの中学校音楽の教育実習のポイントを網羅的に紹介。

【科目問わず全ての教育実習生へ】
STEP2「教育実習中の心得」・STEP6「教育実習が終わったら」では、指導教員へのお礼状や実習校でのマナーなど実践的知識を紹介。

中学校音楽の教育実習ガイド(実習前から実習後までのポイントを解説)

今日は教育実習の実習日誌についてお話しします。

教育実習はやることがたくさんあります。もちろん教科の需要も大事ですけれども、それ以外にも学校の生活・学級の様子・先生方の指導を見たりする。そんなことも教育実習の醍醐味です。
先生方の動きはもちろん、どのように働いていらっしゃるのか、また生徒・子どもの動きもとても勉強になるところです。また生徒の関わり方も机上では絶対にできない実習の醍醐味の1つです。

教育実習では、併せてそれらを実習日誌にまとめるというのがあります。
1回の実習で1冊の実習日誌を毎日書きます。大学によって実習日誌の様式は違いますけれども、だいたい同じような「実習の記録をとる」というものがあると思います。実習日誌は大変重要なものではありますけれども、負担にもなるというところもあります。

今回は1年間150人以上の教育実習生を受け入れ、教科では6年間で50人以上の教育実習生を見てきた…つまり教科の実習生の実習日誌を山ほど見てきた私が実習日誌の意義、そして書き方について教えしたいと思います。

 

この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。

▶初めての実習で、初めて実習日誌を書くという方
▶実習日誌を書くための下準備を知りたいという方
▶実習日誌に書いてはいけないこととは何か?ということを知りたい方

 

ほかには、

再生リスト:教育実習編
授業はもちろんのこと、実習前に必要なメイクや身だしなみ・心構えの話。また事後のお礼状の話なんていうのもしていますので併せてご覧下さい。
中学校音楽の教育実習ガイド(実習前から実習後までのポイントを解説)
音楽科の皆さんに向けて「授業の内容を解説」「学生の専攻別にアドバイス」の動画をまとめています。

 

 

 

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教育実習日誌は●●じゃない!

ここでは3つ紹介したいと思います。実習日誌は、

 

日記じゃない!
記録じゃない!
感想じゃない!

 

実習日誌は日記ではない

実習日誌は日記ではありませんので「今日何々をした。楽しかったです。」「今日何々を見た。勉強になりました。」と言ったような自分の日記・絵日記のようにならないようにしましょう。
日々見たこと・したことを自分の思うように書けばいいというわけではないのです。

 

実習日誌は記録用ノートではない

記録は個人のノートになさってください。

授業で「どんなものを見たのか」「そこで何を感じたのか」そういった記録。
教員が「どのような発問をして、子どもがどのように発言をして、授業を展開していったのか」また「板書をどのように書いていたのか」「パワーポイントなどをどのように示してたのか」そういった記録

これらは日誌にはするべきではないと考えます。

記録は記録用のノートを自分で作ってそちらにメモをとっていってください。
もちろんその中で日誌に反映すること・関わることもあるとは思いますけれども、日誌そのものを記録にしないでください。

 

実習日誌は感想文ではない

「何々を見て…楽しかった・面白かった・勉強になった・参考にしたい。」そういった感想ではないのです。もちろんそのように思う事あっても当然良いと思います。それも個人のノートに書いてください。

日誌に書くのは感想ではなく、これからお話しする「これを書くべき」ということを書いていただきたいと思います。

 

指導教員が話す教育実習の合格ライン【大学・生徒・指導教員の視点からの評価】」は、教育実習の評価が気になる実習生の方に向けてお話している解説動画です。

 

 

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教育実習日誌に書くべき3つとは?

ここでも3つ提言します。

 

・考察を書く
・本音を書く
・提案を書く

 

この3つです。

 

実習日誌には考察を書く

考察は検討したことや分析をした結果という意味です。

授業を参観した際、また学級の様子・子どもの様子・教員の様子を見た時にそれを見たまま書くのではなく、そこで検討(なぜそのようにしたのか、なぜこのようにしなかったのかといったところ)をきちんと検討したり、「なぜそうなったのか?」ということを分析…自分の頭の中で考えたり、データを元にして分析したりという考察が必要なのです。

考察をするためには検討・分析が必要です。

 

実習日誌には本音を書く

協議会や振り返りなどでは言い切れなかったこと。
また「他の教員にはちょっと言えない」「指導教員にだけは言いたい」ということ。
また「他の実習生にも言いたくないこと」例えば「こういったことを本当は考えている」とか「こういうところがよくないと思う」とか。

そういった本音を書くのが実習日誌だと考えます。

 

実習日誌には提案を書く

「自分ならこうする」という提案。それを実習日誌に書きましょう。
他の実習生の授業はもちろんのこと、指導教員や他の教員が授業をしているところを参観した場合に「自分ならこうする」という提案を書くということは大事なことです。

また自分が授業をした場合は、
「次回はこのようにしたい」とか「もう一度この授業を行うなら、このようにしたい」といった提案。
またその授業の「次の時間に私はこうしたい」といった提案

を書くということも大切なことです。

 

指導教員つまり「大人」との関わり方をどのようにすればいいのか心配だなという方には「【元指導教員が語る】教育実習生は指導教員とどのように接すれば良いのか?」の動画をおすすめします。

 

書くべきことは考察・本音・提案です。

実習日誌は指導教員からコメントが返ってきます。
私がたくさんの実習生の日誌を毎日見てきて「読み応えがあるな」とか「実習をきちんと自分の経験にしているな」とか「現場に出た時に生かせるような実習日誌になっているな」と感じるのはこういった点でした。
ぜひ参考になさってください。

 

 

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教育実習日誌の作成に必要な3つの能力とは?

毎日だから必要になる力は、

・語彙力
・文章力
・瞬発力

だと思います。

 

【指導教員の助言】教育実習期間中の過ごし方(夜・土日・実習終了後)」の動画では、教育実習期間中をどう過ごすのか?について「夜すること」「土日にすること」「教育実習終了後すぐにすること」に分けて解説しました。

 

語彙力

誤字脱字がないようにしましょう。

パソコンやスマホなどでは、入力が簡単にできたり同音異義語を間違えないようにしたりということができますけれども、いざ手で書くとなると間違ってしまう事はよくあります。
誤字脱字があると、それだけで指導教員の指導がそちらにそれてしまって非常にもったいないですので、自分で手で書くことや語彙を増やしておくということは大事です。

また、教育用語についても知っておきましょう。教員は現場で働いていますし、最新の教育事情にももちろん明るいです。そういった場合に流行りの教育用語であったり、もちろん定番の教育用語であったり基礎的なものもあれば、教科によって違うものもあると思います。

校種や発達段階によっても違うと思いますが、そういった教育用語きちんとおさえておくといいと思います。ビジネスで言うような横文字カタカナの最新の用語は必要ありませんので、徹底的に語彙力を磨く。教育用語を知っておく。この2つをしておきましょう。

 

YouTube再生リスト「知っておきたい教育用語」は、教育実習生なら知っておきたい教育用語を簡単に解説している動画集です。

 

文章力

まとまった文章を書くという力をつけておくといいと思います。

300~400字ぐらい(大学によると思いますけれども)の実習日誌の分量、その限られた文字数の中で先ほど言った「考察、本音そして提案」が書けるように、そして起承転結がはっきりしていたり自分の主張がきちんとしていたりというようなまとまった文章力というのが必要だと思います。

普段から文章に触れている人は良いと思いますけれども「ちょっと苦手だな」という人は、新聞の社説を読んでみたり、それから新聞の記事(限られた文字数の中でどのように展開をしているのか、どのような構成になっているのか)というのを少しでも知っておくと、文章をまとめる力がつくと思います。

 

文章力を上げるには読書もおすすめです。実習に行く前に是非読んでほしい本を「【指導教員がおすすめ】教育実習前に絶対に読んで欲しい本」で紹介しました。

 

瞬発力

考察を持つ・提案を持つ、そういった瞬発力をつけておくと良いです。

日誌は毎日書くものですので、その日のうちにホットなうちに自分の提案や考察を書く必要があります。
大学の授業や論文を書くときには、長い期間使って考察をしたり分析も様々なデータを時間をかけて蓄積したり分析したりということをすると思いますが、実習日誌の場合は毎日ですので、自分が考察する・提案するという、そうした瞬発力を見つけておくと良いです。

見てすぐに「私はこうしたい」「こうした方がいいのでは」ということが出てくるようにしておきましょう。

それからその考えたことを整理して文章にまとめる力も大事です。限られた文字数の中でどのように整理をして、自分が言いたいことを言えるか・伝えられるかということも考えて、それをすぐに文字に起こせる。そういった練習をしておくといいと思います。

実習日誌はボールペンや万年筆書き、しかも修正液はだめという学校もあります。直にペンで書くときには頭の中でかなり文章を練って、構成して、しかもそれを最後の文まで最後の行まで書かなければいけません。そういった技術はすぐにできることではありませんので「文章の力をつけておく」こういったことが大事です。

 

瞬発力は授業でも必要です。子供から予想外の反応をされたときどうしますか?「授業での子どもからの予想外の反応に困ったときの対処法」で私なりに解説しています。

 

 

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まとめ:【指導教員が解説】教育実習の実習日誌の書き方

今日は実習日誌についてお話をしました。

 

【教育実習の思い出】音楽の授業で生徒が歌ってくれない!実習期間中に大号泣!!」では、私の教育実習中の恥ずかしい?思い出を暴露しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

実習日誌は、私も数々の引越の中で断捨離する時に実習日誌だけは手放すことができませんでした。それぐらい自分にとってはとても大事なものです。
大事だと思えるような日誌の内容、また社会人・教員になった時に見返したくなるようなもの。ずっとそばに置いておきたいと思えるような実習日誌を是非作ってみて下さい。

 

記事の内容は動画と同じです。
YouTubeチャンネルの「【指導教員が解説】教育実習の実習日誌の書き方」の動画をご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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