教育実習の指導教員との関わり方|元指導教員が語る3つの視点

【元指導教員が語る】教育実習生は指導教員とどのように接すれば良いのか? 音楽の教育実習のコツ
音楽の教育実習のコツ
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教育実習を前にして、「指導教員の先生とどう接すればいいのだろう」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。授業の準備や子どもとの関わりと並んで、指導教員との関係性をどう築くかは、実習の質を大きく左右する要素です。

この記事では、6年間・音楽科だけで約50人の教育実習生を指導してきた元指導教員の立場から、実習生が知っておくべき指導教員との関わり方を3つの視点でまとめています。

 

 

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教育実習における指導教員の基本的な役割

まず押さえておきたいのは、指導教員がどのような立場で実習生に関わっているか、という点です。

指導教員は、実習生の指導をしながら、自分の教科や担任学級の業務、校務や部活動も同時に担っています。俯瞰的な第三者の立場ではなく、実務の最前線にいる「師匠」のような存在です。背中で語り、実務を見せながら実習生を育てるスタイルといえるでしょう。

重要なのは、教育実習生に関わるすべての責任は指導教員が負っているという点です。授業の内容や漏れ・間違いの修正、子どもとの関わりで問題が生じた場合の対応まで、責任の範囲は広範にわたります。この関係性を理解したうえで実習に臨むことが、よりよい関わりの第一歩になります。

 

 

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指導教員との関わり方①「何の先生?」

中学校・高校での教育実習では、教科に1人・学級に1人、それぞれ指導教員がつくのが一般的です(同じ先生が担当する場合もあります)。

それぞれの指導教員は自分の担当領域と並行して指導にあたっていますので、忙しい中で時間を割いてくださっていることを念頭に置いておきましょう。

 

「教育実習の合格とはどういうことなのか?」「教育実習を通じて何ができるようになればいいのか?」について「指導教員が話す教育実習の合格ライン【教育実習の評価のされ方】」で解説しました。

 

 

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指導教員との関わり方②「どんな先生?」

指導教員の特徴は、公立学校と国立附属学校では異なります。

 

公立学校の場合

公立学校では、主任教諭・主幹教諭などの肩書きがある方や、教員歴の長い先生が指導教員になることが多いです。学校全体を俯瞰してマネジメントしている経験豊富な方が多く、学校運営の全般について幅広く聞くことができます。

 

国立附属学校の場合

附属学校では、すべての教員が指導教員になります。肩書きや立場は関係ありません。毎年多くの実習生を迎えている附属校の教員は、実習指導の実践・知識が豊富です。年齢に関わらず、教科の専門知識と研究経験を備えたプロとして関わってくださいます。

どのような立場・経験・知識を持つ先生が指導教員になるのかを事前に知っておくと、関わり方のイメージが具体的になるでしょう。

 

とても忙しい実習期間中の学校外での過ごし方に必要な心がけについて「【指導教員の助言】教育実習期間中の過ごし方(夜・土日・実習終了後)」の動画で解説しています。

 

 

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指導教員との関わり方③「何を学ぶ?」

指導教員から何を学ぶかという視点で、関わり方の質は大きく変わります。

 

一挙手一投足を観察する

実習中は指導教員と行動をともにする場面が多くあります。その際に、視線・声かけ・立ち位置といった細かな行動・言動をすべて観察しましょう。自然に行っているように見える行動の根っこには、必ず根拠があります。「なぜこうするのか」を意識しながら観察することが、大きな学びにつながります。

 

批判的な視点も持つ

ポイントは、良い点を学ぶだけでなく、批判的に見ることも大切にしてほしいという点です。「自分だったらどうするか」「もっとこうすればよいのでは」という視点を持ちながら観察すると、学びが深まります。気づいたことを指導教員に伝えてみると、「なぜそうしないのか」という理由を教えてもらえることもあるでしょう。

 

見えていないことの方が多い

指導教員は、会議の内容・込み入った生活指導・生徒の人間関係など、実習生に伝えられない情報も多く持っています。表に見えている部分の10倍ほどの複雑な事情がある、と心得ておきましょう。

 

 

待ちの姿勢にならず、積極的に関わることが大切

もう一つ大切にしてほしいのが、積極的に動く姿勢です。

「今は無理」「今時間がない」と言われてしまうこともあるかもしれません。しかし、教員は人の成長を見ることを何より大切にしている人たちです。普段は小中高校生を相手にしていても、大学生の成長を見ることもまた、大きなやりがいになっています。

断られた瞬間があったとしても、実習生を育てたいという気持ちは確かにあります。ぜひ積極的に話しかけ、質問し、提案してみてください。

 

そんな忙しい学校現場で、教育実習生は実習を終えたらどのように帰りますか?「【教育実習生のための実践的マナー】指導教諭が教える学校でのあいさつ・コミュニケーション・帰り方」で実習期間中の役立つ実践的なノウハウを紹介しています。

 

 

まとめ:指導教員との関わりは実習の大きな財産になる

視点ポイント
何の先生?教科・学級それぞれに指導教員がいる。忙しい中で関わってくださっている
どんな先生?公立校は経験豊富なベテラン、附属校は全教員が担当
何を学ぶ?一挙手一投足の観察+批判的な視点を持つ
関わり方の姿勢待ちにならず積極的に。断られても育てる気持ちは本物

大学生が大人と深く関わる機会は、思いのほか少ないものです。指導教員との関わりは、単なる「実習期間のこと」にとどまらず、働くこと・人と関わることを学ぶ貴重な体験でもあります。ぜひ積極的に関わりながら、充実した教育実習にしてください。

 

実習後は指導教員にお礼状、というのが常識だとは私は思いません。お礼の言葉よりも実習生に伝えてほしいことがあります。「【指導教員の本音】教育実習のお礼状(書き方・例文を検索する前に)」の動画でお話しました。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q. 指導教員に質問や提案をしても迷惑ではないでしょうか?
A. 積極的に関わることは歓迎されます。タイミングを見ながら声をかけてみましょう。断られたとしても、それは時間的な都合であることが多く、育てたいという気持ちは変わりません。

Q. 指導教員が教えてくれない情報がある場合はどうすればよいですか?
A. 会議内容や込み入った生活指導など、実習生に共有できない情報は存在します。表に見えている部分が全てではないと理解しながら、見えている範囲から学ぶ姿勢を大切にしましょう。

Q. 指導教員に批判的な意見を伝えてもよいのでしょうか?
A. 関係性によりますが、「自分ならこうするかもしれない」という視点を丁寧に伝えることは学びのきっかけになります。なぜそうしていないのかの理由を教えてもらえることもあるでしょう。

 


この記事は、動画「教育実習の指導教員との関わり方|元指導教員が教える3つのポイント」をもとに作成しました。

この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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