皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。
現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。
今日は教育実習シリーズ「指導教員との関わり方」についてお話しします。
私は教育実習生の指導教員として6年間/音楽科として約50人、また学級でも担当をしてきました。指導教員の視点から指導教員と大学生がどのように関わるのかということをお話しします。
実習には様々な心配事があると思います。
授業はもちろんのこと、子どもとの関わりや早起き、それから指導教員との関わり方。これを心配してる学生さんも多いのではないかなと思います。
指導教員は、小学校では学級担任がメイン。中学校では教科・学級それぞれに指導教員がいることがありますが、ほとんどは教科がメインとなってきます。
この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。
▶教育実習で指導教員つまり「大人との関わり方をどのようにすればいいのか心配だな」という方
このほかには教育実習シリーズとして教育実習前の方に役立つものを「再生リスト:教育実習編」にまとめてあります。
また大学や学部別の教育実習シリーズもあります。「教員養成大学で学ぶ教育実習生へ送るアドバイス」また「音楽大学で学ぶ教育実習生へ送るアドバイス」「【教育学部以外の学生の方へ】指導教員として教育実習生に伝えたいこと」の動画もありますので、ご自身に合わせてぜひ併せてご活用ください。
指導教員の種類と役割:教科の先生と学級の先生
中学校・高校での教育実習の場合は、教科に1人・学級に1人の指導教員がつくと思います。またその2人が同じということもあります。
それぞれの指導教員は、実習生の指導もしながらも、自分の教科や自分の担任・学級また校務や部活など、普段の業務と並行して指導を行っていきます。
ですので、指導教員の先生は俯瞰的な立場・第三者的な立場というよりも、背中で語る/実務を見せる『師匠』という存在と言えます。
教育実習生のすべての責任は指導教員にあります。
責任というのは例えば授業。授業内容だけでなく、授業での漏れや間違い、その修正や実習後のフォローなどこういったことも全て責任を持ちます。
また授業だけではなく子どもとの関わりで何か問題があった場合も、指導教員が責任を取ります。
そういった指導教員との関わり方・関係性を理解して、教育実習に挑んでほしいと思います。
公立校と(国立)付属校の指導教員との接し方の違い
これは公立の場合と国立・附属学校の場合で異なりますので2つのパターンでお話しします。
公立校の指導教員とのコミュニケーションのポイント
指導教員となる先生は、教員を指導する立場の教員が多いです。例えば主任教諭や主幹教諭といった肩書きがある方や、そうでなくても学校歴の長い、教員歴の長い先生が指導教員につくことが多いです。
ですので、学校のこと学校全般のことがわかっていたり、学校全体を俯瞰で見てマネジメントなどしていたりする、そういった方が指導教員についてくださいます。経験も豊富ですので様々なことを聞くことができます。
附属学校(国立)の指導教員との関係構築のコツ
指導教員にあたるのは全員です。すべての教員が指導教員になります。そこには立場や肩書などは、まったく関係ありません。全員が指導教員になります。
肩書がないとはいえ教育の専門家でありプロです。また附属学校の教員は教育実習生を指導する経験は豊富です。毎年たくさんの教育実習生が来ますので実践や知識も豊富です。当然、年齢は関係なく、実践や研究などの経験も豊富。教科についての知識もとてもあります。
そういった先生が皆さん教育実習生の指導教員となります。指導教員となる先生がどのような立場・肩書・どういった経験や知識を持っているかをぜひ知っておきましょう。
指導教員から学ぶためのポイント
指導教員の一挙手一投足を見逃さないための方法
学校生活の中で指導教員の先生と一緒に行動を共にすることが多くあります。その際に一挙手一投足、全ての行動・全ての言動・視線も声かけも、すべてを見ましょう。
行動や言動にはすべて理由があります。もちろん無意識で知識や経験から自然にそういった行動や言動をとっている場合もありますけれども、その根っこには必ず根拠があります。
「1つ1つ絶対に見逃さない」という気持ちで、指導教員を観察しましょう。
そして指導教員を観察する際に気をつけたいところは、良い点はもちろん批判的に見るということも大事です。知識や経験に基づく指導などもとても勉強になりますけれども、「自分だったらどうするかな?」とか「もっとこうすればこうなるのにな」という批判的な視点も持っておきましょう。
その気づいたことについて、指導教員に直接伝えるかどうかは関係性によりますけれども、「私だったらこうします」ということを伝えた時に、もしかしたら「なぜ、それをしなかったのか」というその理由もあるかもしれません。教えてくださるかも知れませんので、そういった批判的な思考を持つというのをすごく大事にしてほしいです。
また指導教員は教育実習生に学校・校務の全てを伝えるわけではありません。伝えられないことも色々あります。例えば会議の内容であったり、込み入った生活指導だったり、生徒の人間関係であったり。そういったことは教育実習生に伝えません。それを知っておいてほしいです。
表面に見えている10倍ぐらい、色々複雑で色々あるということを理解しておいてほしいです。
積極的に指導教員と関わるためのアプローチ
そして指導教員との関わりで大事なのは、「待ち」の姿勢にならずに積極的に動こうというものです。
「今は無理」とか「今、時間ない」と言われてしまうこともあるかもしれません。「教員は忙しい」というのはご存知の通りです。
しかし、教員は人を育てる、人の成長を見るのが好きです。普段はその相手が小学生・中学生・高校生であるかもしれませんが、大学生の成長を見るのだって教員はとても嬉しいです。
指導教員の立場で言うと、大学生が「実習の前と後でどれくらい成長するか」というのを見るのは凄く嬉しいし、やりがいになっています。何かを聞いたり提案した時に、その場面では断られたとしても教育実習生を育てる気持ち…この気持ちに嘘はありませんので、ぜひ積極的に話しかけてみてください。
まとめ:指導教員との良好な関係を築くために
今日は指導教員との関わり方について話をしました。
大学生が大人と関わる機会というと、普段は大学の先生との関わりやアルバイトなどでの関わりぐらいかもしれませんけれども、指導教員との関わりも非常に大切なことです。
人の成長を見るのが、何よりもやりがい、うれしい先生方ですので教育実習生にもその気持ちを持って接してくださいます。ぜひ楽しみに教育実習に挑んでください。
サイトの記事の内容は動画と同じです。
動画「【元指導教員が語る】教育実習生は指導教員とどのように接すれば良いのか?」も是非ご覧ください。
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