皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。
現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
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今日は子どもたちが教育実習生に求めることについてお話をします。
これまで何人もの教育実習生の授業を受けてきた子どもたち。実際にどんなことを思っているのでしょうか。
「合唱」「自由教材」「共通」の3つの分野に分けて、具体的なエピソードと共にお話しします。
合唱の授業に対して生徒が望むこと
■パート練習
■バランス・ハーモニー
■発声練習・地声と裏声・声量
これらが合唱に対する子どもたちの意見です。
合唱コンクール前の授業に生徒が望むのは歌う時間
合唱コンクールを控えた子どもたちが合唱の授業に望むこと。
それは「たくさん歌うこと」と「パート練習」
どういうことかと言うと、合唱コンクールを控えて練習する中で音楽の授業というのは週に1時間しかありません。それ以外で練習する際には、放課後や朝練習など自分たちで時間を作って生徒だけで歌の練習をします。
音楽室を使えるということは、指揮者や伴奏と合わせることができたり、それに対して音楽の先生からコメントをもらえるということで、歌う時間がたくさん欲しいのです。
またパート練習についても、教室にはキーボードがあっても1台・多くて2台だと思います。パート毎にあるわけではありませんので、ピアノがたくさんある音楽室・キーボードなどが使える音楽室では、「パートごとに分かれて音を丁寧に取る練習をしたい」また「そのパート練習に対して先生からのコメントが欲しい」という希望が多いです。
「当たり前じゃないか?」と思うかも知れませんが、教育実習生の授業は特に自分が伝えたいことが多すぎて、先生が話す時間が多くなってしまいがちです。生徒が歌う時間をたくさん作ってあげましょう。
プロの指導者である先生の指導を受けたいというニーズに答える
続いて「バランス・ハーモニー・発声練習・地声と裏声・声量」です。
いずれの項目もやはり「音楽のプロである先生から指導を受けたい」「指摘を受けたい」という内容です。
自分たちの練習の中だけでは気づきにくいところ、また解消の方法・解決の方法を知りたいという項目です。こういった生徒のニーズに合った合唱指導も必要です。
自由教材を使う音楽の授業に対して生徒が望むこと
■日本と世界の音楽
■様々なジャンル
教材を自由に自分で選んで授業をできるという内容の場合の、子どもたちや望むことです。
まずは「演奏」
こちらは器楽だと思いますけれども、鑑賞だけにとどまらずに自分たちで演奏したいという希望があるようです。
また「日本と世界の音楽」や「様々なジャンル」については、やはり教育実習生が持っている個々の知識や思考に基づいた色々な音楽。普段の音楽の先生だけではない、様々な視点のジャンルの音楽を聴きたいという希望だと思います。
音楽の教育実習生に対して生徒が望むこと(全般)
■活動したい、参加型、グループワーク
■ピアノを完璧に、歌のうまさ
■時間のメリハリ、テキパキ
どんな教材でも生徒がこのようなことを望んでいるという内容です。
実習生が毎年つまずく「声の大きさ」
まずは「声を大きくしっかりしゃべってほしい」
これも「当たり前じゃないか?」と思うかもしれませんが、緊張する教育実習生の授業では、なかなかこういった普通のことができません。
生徒が望むのは授業内容ではなく「声を大きく、しっかり」こういった基本的なことなのです。
生徒が希望する授業形式をくみとろう
次に「活動したい・参加型・グループワーク」といった授業の形式に関わることです。
「先生が話すだけ」「鑑賞教材が流れるだけ」「生徒は書くだけ」という風にならないように、生徒が参加できる・みんなで授業を作り上げるという形の授業を望んでいます。合唱・器楽・創作は自然にそうなりますが、鑑賞の場合は気をつけましょう。
実習生の専攻は生徒には関係ない
「ピアノを完璧に」「歌のうまさ」
これは教員の技能に関わる部分です。教員にも教育実習生にも専攻があります(ピアノ専攻や声楽専攻)。しかし生徒にとってはそんなことはどうでもいい。すべて知っている音楽の先生は1人だけなのです。
苦手な分野があっても研鑽を積んだり練習を積み重ねたりして、生徒の前ではきちんとを示してあげましょう。とは言っても私もピアノとっても苦手でしたので、完璧に弾けない場合は生徒の伴奏者を使ったり、コードをきちんと弾けるようにしたり。歌のうまさも自信が無い人も「生徒よりは上手い」という自覚を持って指導にあたりましょう。
「自信なさげ」が伝わってしまうのが1番良くないです。
【教員を目指す人へ】ピアノ専攻の皆さんへ送るアドバイス
【教員を目指す人へ】声楽専攻の皆さんへ送るアドバイス
【教員を目指す人へ】管・弦・打楽器専攻の皆さんへ送るアドバイス
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授業規律を守る
そして「時間のメリハリ」「テキパキ」という言葉。
「時間通りに授業を進めることがこんなに難しいことか」というのを教育実習生は初めに痛感すると思いますが、時間のメリハリ=「今何をする時間なのか?」ということを明確にしましょう。特に音楽の場合は、声を出していいという他の教科には見られない特異性があります。
いつどんな声を出したらOK、今はどんな声はダメということをきちんとと示せるようにしましょう。
最後は応援にも似たコメントです。
教育実習生といえど授業を1時間を任されているのですから、きちんと責任を持ってほしいということ。また「言うことは言って欲しい」「騒ぎすぎない」といった授業規律に関する希望も出ています。
まとめ:教育実習生の授業を受ける生徒の本音(指導教員が実習受入校でアンケート)
生徒にとっては大事な時間の音楽の授業しかも週1回だけです。完璧な授業というのは難しくても、お互いに楽しく授業を進めて、成果がある「音楽の授業を受けて良かった」「先生の話を聞けてよかった」と思えるような授業を作っていきましょう。そして指導する側も授業をやって良かったと思える授業を作りたいものです。
例えば「合唱でできなかったことができるようになった」とか「知らなかったことを知らせることができた」そういった1時間を作りましょう。
サイトの記事の内容は動画と同じです。
動画「教育実習生の授業を受ける生徒の本音(指導教員が実習受入校でアンケート)」も是非ご覧ください。
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