今回は、管弦打楽器専攻の皆さんが教育実習に臨む際に、特に気をつけてほしい3つのポイントについてお話しします。
器楽や鑑賞に自信がある学生さんが多い一方で、他の領域や授業内容に不安を感じることもあると思います。そんな皆さんに向けたアドバイスです。
合唱指導への心構え
まず一つ目は「合唱指導」についてです。歌や伴奏に自信がないという学生さんも少なくありません。ですが、まずはしっかりと練習を重ね、自信を持って取り組むことが大切です。
普段、声楽専攻の学生の独唱や合唱を耳にして自信を失うこともあるかもしれませんが、中学生や高校生と比べれば、皆さんの歌唱力は十分に高い水準にあります。
だからこそ、「自分はしっかり練習した」「歌えるんだ」という気持ちを持って、生徒の前で堂々と歌ってください。自信なげに歌ってしまうと、それは生徒にも伝わってしまいます。
ピアノ伴奏の工夫と選択肢
次に「ピアノ」についてです。管弦打楽器専攻の中にはピアノが苦手という人もいるかもしれません。合唱や歌唱の指導では、ピアノの伴奏が求められる場面がありますが、完璧に弾ける必要はありません。時には、完璧な伴奏が合唱指導の妨げになることすらあります。
重要なのは、授業のその場面で何が求められているかを的確に判断することです。もし完璧な伴奏が難しいと感じたら、コード進行を簡略化して弾いたり、バス音だけを演奏したり、生徒に伴奏を任せるといった方法も選択肢になります。
また、CDやYouTubeにある伴奏音源を使用するのも良いでしょう。ただし、その場合は、CDの再生・ストップだけでなく、速度を変えたり、再開する部分を細かく決められたりする機材が必要です。
もちろん、ピアノの練習に努力を重ねることは大前提ですが、授業に支障をきたすほど不安を感じている場合には、こうした代替手段の活用も検討してください。
部活動指導の現実と対応
最後に「部活動」についてです。管弦打楽器専攻の皆さんの中には、吹奏楽やオーケストラに青春を注いできた方も多いと思います。しかし、教育実習期間中に部活指導を行うことは基本的にできません。
部活指導を期待して実習に来る学生さんもいますが、最優先すべきは授業です。授業そのものだけでなく、学習指導案の作成や模擬授業、授業後の研究協議など、多くの準備と振り返りの時間が必要です。
さらに、学級指導も重要です。合唱練習の立ち会いや掃除の時間への参加、学級担任の先生からの指導など、授業外でもやるべきことは多くあります。これらを優先すると、どうしても部活に割ける時間は限られてしまいます。
部活指導に関心がある場合は、4年次に行く応用実習や指導員として入るという他の手段もありますので、それを活用してください。
おわりに
今回は、管弦打楽器専攻の皆さんが教育実習に臨む際に知っておきたい3つの心得をご紹介しました。
皆さんがこれまで培ってきた楽器の知識や演奏技術は、教育実習の場でも必ず生かされます。
器楽や鑑賞の授業はもちろん、自分の楽器に対するこだわりや情熱も、生徒たちにしっかりと伝わるものです。ぜひ、自分の専攻を最大限に生かした教育実習を準備し、自信を持って取り組んでください。
この記事は動画「【教員を目指す人へ】管弦打専攻の教育実習生へのアドバイス:合唱・ピアノ・部活の実践ポイント」をもとに作成しました。
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