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民族音楽を音楽の授業教材とする時に気をつける3つのこと

民族音楽を音楽の授業教材とする時に気をつける3つのこと 一歩先ゆく音楽教育(授業編)
一歩先ゆく音楽教育(授業編)
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中学校音楽の教育実習ガイド(実習前から実習後までのポイントを解説)

音楽教員歴10年の原口直です。

教科書には様々な民族、様々な国、様々な世代の音楽が載っています。

一昔前の教科書だとほとんどが西洋音楽いわゆるクラシックでしたが、現在の教科書にはアジアの諸民族の音楽・海外の音楽も現代のものも載っています。もちろん、日本の音楽もたくさん載っています。

いわゆる「西洋音楽」を学んできた人たちにとって、これらを教える時にどのような点に気をつければいいのか。
私は和太鼓や民族舞踊を大学で学んできましたし、それを実践してきました。その経験も踏まえて3つお話しします。

 

和太鼓を授業教材とした私の音楽の授業内容は「【音楽の新学習指導要領】中学校音楽科における和太鼓の授業実践例(和楽器指導)」「【視聴者の質問④】和太鼓を使った授業・生活指導の苦労・教員を辞めた理由(全4回)」の動画で紹介していますので、是非参考にしてみてください。

 

 

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西洋音楽と同じく「尊敬」の念を持つ

音楽を伝えてきた人たちに対する尊敬の念を常に持っておく必要があります。音楽そのものに対する尊敬ももちろんそうです。

西洋音楽だけやってきてしまうと、西洋音楽が基準になったり、西洋音楽を上にしてそれ以外の音楽を下に見てしまうこともあります。そうではなく、音楽をきちんと公平に見て尊敬の念を持つことが大事です。

それから、尊敬の対象は音楽だけではありません。これを伝えていく人々に対する尊敬の念も大事です。
例えば、

その音楽を、何十年・何百年・何世代も受け継いできた人たちに対する伝統の重み。
それからその音楽を伝えていこうとする熱意。
それからその音楽を伝えていかなければならないという責任。

これらをその音楽を伝えていく人たちは持っています。この伝統・熱意・責任に対する尊敬の念をもって、教材にする必要があります。

民族音楽を受け継いでいく人たちは、ほとんどの人たちが音楽を主にプロとしてやっているわけではありません。皆さんそれぞれに仕事や家庭を持ったうえで、その音楽に取り組んだり引き継いだりしているのです。こういったことへの尊敬の念も常に持っていないといけません。

 

【指導教員がおすすめ】教育実習前に絶対に読んで欲しい本」という動画内で紹介した「音楽の根源にあるもの(小泉文夫著)」は、音楽とは何かということを民族音楽の観点から色々切り込んで深く考察されているおすすめ本です。

 

 

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西洋音楽と同じく「謙虚」に接する

いくらその音楽を研究したり演奏できたりしても、その音楽を伝えていこうとしている現地の人たちには敵わないということを自覚する。この謙虚な気持ちが大事だと思います。

西洋音楽をやってきた私たちは、音楽の技術を習得したり・知識を身につけたり・西洋音楽の技法で解釈して身につけたりすることが一見得意なように見えます。技術や習得が早い…かもしれませんが、それを子どものころから主として伝えてきた人に敵うことはありません。その謙虚な気持ちが大事です。

また、その芸能を見せていただいた時・教えていただいた時、そして教材にさせていただいた時にも謙虚な気持ち…「見せていただく」「教えていただく」「教材にさせていただく」という謙虚な気持ちを絶対に忘れてはいけません。

謙虚な気持ち…いくらやっても敵わないということ。
そしてそれを「させていただく」という気持ち。これを忘れてはいけないと思います。

 

 

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西洋音楽と同じく「真剣」に向き合う

教材研究をする時に、その芸能・その地域のことをなるべくしっかりたくさんできる限り、教材研究をし尽くすということが大事です。この音楽を通じてどのようなことを子どもたちに伝えたいかということも、現地の人や教えてくださる人に伝える。その熱意を伝えることも大事です。

その音楽に対する真剣さは必ず伝わります。

自分がどうしてこの音楽が好きか。
この音楽が魅力的であること。
そしてこれを通じて子どもたちにどのようなことを教えたいかという真剣さを持ち合わせていること。

これはとても大事なことです。

 

 

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まとめ:民族音楽を音楽の授業教材とする時に気をつける3つのこと

「尊敬・謙虚・真剣」これらはややもすると、西洋音楽を扱う時にだって必要なことだと思います。

西洋音楽も一つの民族音楽です。すべての音楽に対して尊敬の念を持ち、謙虚な心を持ち、真剣な姿勢で取り組む。これはどの音楽にも大事だと思います。

 

新しい学習指導要領に登場する、「口唱歌(くちしょうが)」という「和楽器のための声で歌う楽譜」という意味の単語については別の動画で解説しました。日本の音楽に対しても、尊敬・謙虚・真剣さを忘れずに!

 

ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「民族音楽を音楽の授業教材とする時に気をつける3つのこと」も是非ご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー/公立中学校音楽科教員

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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