全員に好かれなくていい!教員が生徒との信頼を築く3つの工夫

教員が生徒と仲良くなる方法【「何が好き?」に3つの回答を用意するワケ】 生徒対応とコミュニケーション
生徒対応とコミュニケーション
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今回のテーマは「生徒と仲良くなる方法」。
授業時間が限られている中で、生徒とどのように関わり、距離感を保つかについてお話しします。

特に初任者や教育実習生の皆さんにとっては、生徒と仲良くなりたい、好かれたいという思いが強いと思います。生徒との関係は、教員にとって大きなやりがいの一つです。

 

他には、

生徒・同僚・上司・保護者に好かれる教員とは?
教員は日々様々な人と関わっていきます。様々な人に好かれるにはどうすればいいか。そういったことを考えるヒントを話しています

 

音楽教員のキャラクターづくり5つの秘訣|生徒との距離をグッと縮める方法
音楽という教科の先生としてどのようなポイントでキャラクターを作ったらいいか、もしくは持っているキャラクターを活かしたらいいか、ということをお話しています。

 

興味のある方は是非ご覧ください。

 

 

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全員に好かれようとしないことの重要性

最初のポイントは「全員に好かれようとしない」ことです。
一見矛盾するようですが、これはとても大切な考え方です。クラス全体を広く浅く知る努力は必要ですが、心から仲良くなれる生徒は全体の1割程度で十分です。例えば、1クラスに3〜4人いれば良いと考えましょう。

音楽科教員が担任を持つ際に気をつけるべき3つのポイントについて「音楽教員が学級担任を持つ際の3つのポイント」で紹介しました。

社会人になっても、心を開ける同僚は多くありません。自分が生徒だった頃を思い返しても、本音を言える友達はそう多くなかったはずです。

中学・高校では教科担任制が主流で、生徒はさまざまな教員と関わります。その中で、誰か一人でも「この先生なら話せる」と思ってもらえる存在になれれば、それだけで十分です。担任でなくても、図書館司書や養護教諭といった立場でも構いません。「好かれようとしない」姿勢が、生徒との自然な関係構築につながります。

 

 

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「なんでも好き」はNGワード

次に大切なのは、「なんでも好き」と言わないことです。

生徒との共通点を見つけるうえで、音楽の話題はとても有効です。しかし、「なんでも好きです」と答えると、逆に個性が伝わらず、会話のきっかけを失ってしまいます。

自分の好みをはっきりさせることが、生徒との信頼関係の第一歩です。
私のおすすめは「好きなものを3つ」と「苦手または知らないものを1つ」用意しておくこと。ジャンルや楽器、アーティスト、作曲家など、形式は問いません。自分のパーソナリティを言葉で伝えられる準備をしておきましょう。

 

趣味を持つことは、生徒とのコミュニケーションに役立つほか、ワークライフバランスを保つために大事です。また、趣味を広げることで教材に結び付くことも。「音楽教員にとっての趣味(趣味が音楽教育の教材につながるかも)」でお話しました。

 

 

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好きを語るための3つの切り口

「好きなものを3つ」選ぶ際には、次の3つの観点を意識すると効果的です:

  1. 一般ウケ:多くの人が知っている曲やアーティスト。
  2. マニアック:一部の人にしか知られていないが、自分が強く好きなもの。
  3. 意外性:先生がそんなものを好きなの!? と思わせるようなもの。

この3つの切り口をバランスよく組み合わせることで、生徒の興味を引き出すことができます。

私の例では、

  • 一般ウケ:「劇団四季やミュージカルが好き」
  • マニアック:「リップスライムが大好き」
  • 意外性:「東海オンエアが好き」

という組み合わせです。

生徒がどこかに反応してくれれば、それが会話のスタートになります。たとえ全部知らないと言われても、それはそれで話題を広げるチャンスになります。

 

レシピもエンタメも調べものもYouTube。私の生活はYouTubeと切って切り離せません。 そんなYouTubeを学校授業で使う際に注意すべき点を「【学校で使うYouTube】学校行事・部活・授業での使い方と著作権の話」でお話しました。

 

 

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おわりに:自分の「好き」を大切に

生徒と仲良くなる方法」として、

  • 全員に好かれようとしない
  • 「なんでも好き」は避ける
  • 「好きを語る」ための3つの工夫

という3つのポイントを紹介しました。

私自身、すべての生徒に好かれていたとは思っていません。しかし、「この先生、ちょっと面白いな」と思ってくれる生徒がいれば、それで十分です。そう感じてくれる生徒が、言葉や態度で示さない場合もあるでしょうが、自分の「好き」を発信することで、自然な関係が生まれてきます。

教員として、自分の好きなものを大切にし、それを生徒に伝えることが、信頼関係を築く第一歩になります。ぜひ、今回紹介した方法を参考に、生徒との関係づくりに役立ててください。

 

教員にとって大切なのは「保護者との関わり方」も同様です。保護者対応は難しく恐いものではなく、楽しみなことだと思えるようになって欲しいです。「教員のための保護者対応の3つのポイント【保護者と良い関係を保つには?】」で、そのヒントを紹介しています。

 

この記事は動画「全員に好かれなくてOK!信頼される先生になる3つのヒント 」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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