皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。
現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。
今日は三者面談について教員向けをお話しします。三者面談三部作。教員向けのほかに子ども向けと保護者向けこの3本を同時に発信します。
「【三者面談前の生徒向け】教員の語る三者面談《子ども編》(うざい、行きたくないなんて言わないで)」
教員の語る三者面談(保護者向け)
「【三者面談前の保護者向け】教員の語る三者面談《保護者編》(服・メイクより教員が見るところとは?)」
教員の語る三者面談(教員向け)→この動画
三者面談は教員にとっても、大事なイベントの1つです。
三者面談の「スケジュール組み」から「どのような話題を振るのか」。また「聞くことそしてこちらから伝えること」など様々なことを想定して、三者面談の準備実施をしなければいけません。
そして忘れてはいけないのが三者面談の後にする「フォロー」です。
この動画ではどんな準備をして三者面談を実施すればいいのか。意外と見落としがちなアフターフォロー(事後)に関することについてもあわせてお話しします。
また子どもや保護者で、「教員は何を考えているのか?」「どんな目的で三者面談をしているのか?」ということが知りたいという方も、この教員向けをご覧下さい。
この動画の他には、
保護者は学校よりも子どもと長く過ごしている存在です。子どものことをよく分かっていますし、学校を卒業して以降もずっと子どもの成長を見守っていく。その保護者の方とどのように関わったらいいのかというお話をしています。強力な協力者であるということ。こちらを具体的にお話ししています。
音楽科教員が担任・学級担任を持つ場合に気をつけること。音楽科の教員は、授業ではたった週に1回しかクラスの子たちに関われません。その短い中でどのような信頼関係を築いていけばいいのかその工夫。まだ合唱コンクールでの振る舞いや対策についてもお話ししています。
併せてご覧ください。
三者面談の日程調整のやり方
まず私が心がけていたのが「早めに決めて、早めに通知する」です。
少なくとも1ヶ月前には必ず通知を出すようにしていました。
逆の立場になればわかると思います。「もし自分が保護者なら…」「教員の仕事をしながら子どもの面談に行くなら…」と考えた時に、最低でも1ヶ月ぐらい前までにはスケジュールを把握しておきたいものです。
教員が平日の昼から夕方にかけて、自分の子どもの学校に15分のために行くというその重さがよくわかるのではないかなと思います。学校の仕事は授業だけではありません。もちろん校務や生活指導・部活動などもあります。その逆を考えた時に、「15分学校に来て頂く」という事を考えましょう。
特に企業においては企業はスケジュールがとても大事です。企業は学校よりも「時間がお金だ」という考えがとても強いですので、その分スケジュール管理を徹底している会社が多いのです。
日程調整にデジタルツールを活用するのも一案
現在はデジタルも充実してきていますし、それを学校に取り入れているというところも多いかと思います。スケジュール調整ではこのデジタルがとても強力な味方になります。
Googleのスプレッドシートやフォームなどを使う。またその表などを共有することで、スケジュールは一気に組みやすくなったのではないかなと思います。まだそこまで使いこなせていないという場合でも、集計するだけ、またその希望を集めるだけでもデジタルで使うことができれば、だいぶ業務の効率が上がるかなと思います。
まだデジタルをあまり活用しておらず、紙で確認して・紙で回収をして・紙で周知するという場合もあると思います。その場合にも、教員側はデジタルをうまく活用しながらスケジュールを組んでいきましょう。
私の三者面談日程調整のやり方(2つのポイント)
私がスケジュールを組むときに気をつけていた点です。
まずは話が長くなりそう。これはこちらの話が長くなりそうもありますし、保護者の方が話が長くなるかもなという方には、2コマ以上取るとかその人の後ろを空けておくとか、そういった配慮をします。
それから「最後の1人が集まるまでは組まない」ではなく、回収できた人からどんどん組んでいくというのがコツです。
私は、出すのが早い人は希望の日時に当てはめられるというのは特権だと思っていましたので、集めた人からどんどん組んで行って後で調整をしていくという形にしていました。
〆切を守らないなんて言語道断です。〆切が過ぎたら1人2人出ていなくても、出された分でスケジュールを組んで周知するいうのが大事です。
もちろん〆切を過ぎた後に出してきた場合は、理由をきちんと聞いてあてはめてあげますけれども、全員揃うまで待ったり、全員揃ってから組み始めるというのは非効率かなと思います。
スケジュールを組む際に参考になさってください。
三者面談に向けて教員が準備すること(道具・会場設営)
三者面談で話す内容・聞き出す内容については、学年で連携をして「この内容を話そう・聞こう」という打ち合わせがあります。担任が世間話をして終わりというわけではなく、非常に計算されて綿密に組まれて、そして内容を決めていくのです。
この学年会が終わったら、私は「聞くことリスト・伝えることリスト」を作っていました。漏れのないようにするためです。
また三者面談をするにあたって、
三者面談に持っていく道具のあれこれ
コックピットのように教員が座る机・椅子にどのように何を配置するか
というのは、ベテランの先生方が様々な哲学や経験を持っています。許可をとって少し見せていただいたり、アドバイスをもらったりしてください。
私は文房具一式、付箋やクリップは欠かせませんでした。後で確認することや質問事項、あとでチェックすることなどは必ず付箋を使って漏れのないように記録をしていました。また生活指導用の1冊のノートを作っていました。1冊のノート、1人見開き1ページずつに、その子の記録を書くというのをやっていました。
先生によって、また校種や学年によって様々な生徒の情報の管理の仕方、三者面談のコックピット作りがありますので、ぜひ色々な先生から話を聞いてみてください。
面談時間が長くならないように工夫できること
それから三者面談といえば「長くなる」という傾向があるかもしれません。
この長くならないようにするために私は工夫をしていました。
長くなる原因は見通しがお互いに持てないからです。
私は面談の最初に「今日はこれをお話しします」という項目と時間を提示していました。「5つの内容、この順番で話します、全て話し終わって15分です」というのをお互いに確認しておくと、見通しが立ったり順序立ててしゃべることができたりということができます。
こういったちょっとした工夫で、面談時間を守ることができます。当然後の人たちからの批判もなくなりますので、ぜひ活用してみてください。
三者面談で教員が注目すべきは「保護者と子どもの関係性」
それから面談の内容について、聞くことや伝えること事務的なことももちろん大事ですが、最も大事なことは子どもと保護者の関係性を見ることです。この関係性さえわかれば、三者面談は成功と言ってもいいと思います。
子どもの様子・保護者の様子の観察ポイント
例えば子どもの様子。
普段の様子と全然違う、普段はとっても活発でよくしゃべるのに三者面談の時は黙ってしまうとか。保護者との距離感…それは心の距離感や物理的な距離感。そして視線を合わせないとかそういったところも注意です。子どもによってはまったく喋ってくれない子もいます。それも大事な成果です。
次に保護者の様子ですけれども、子どもの目を見てしゃべっているかどうか。子どもの立場を考えて喋っているかどうか。また三者面談15分あるうちに喋る量どれくらい保護者の方が占めているか、こういったところも要チェックです。そこから関係性がにじみ出てきます。
三者面談での質問の仕方の例
また話を振った時に、どちらがどのような回答をするかというのも見どころです。
内容によっては「〇〇さんはどう思う?」と直接子どもに聞いたり、「保護者の方はどう思いますか?」と直接振ったりします。
けれども、それをあえて曖昧に「どうですか?」と聞いた時に、どちらが先に喋り始めるのか?
また保護者の方が代弁して言う場合もあれば、子どもに聞いているのに保護者の方が喋り始めるということもあります。
こういった関係性を見るのもとても重要ですし、三者面談でしかできないことです。
こういった関係性をきちんと掴んでおくその理由は、今後生活指導や大事な進路指導などにつなげるためです。またが家庭の状況を把握する・関係を把握するということも今後とても重要になってきますので、ただの世間話で終わらせずにたくさんのところを観察しておきましょう。
三者面談後のフォローも大切
三者面談後に子どもと個人面談をする場合
三者面談を終えた後、子どもによっては二者面談の機会(2人で話す機会)を作るということが必要かもしれません。
二者面談というと急に子どもが身構えてしまったり・嫌がったり・悪目立ちしてしまうこともありますのでそう大きいことにはせずに、例えば掃除の時に話し掛けたり、授業の前後やホームルームの前後で近くに行ってなんとなく話してみたり、立ち話をしてみたり。そういった子どもへのフォローも大事です。
「三者面談ではずっと黙ってたけど、どうしたの?」とか「あの後、保護者の方とちゃんと話せたの?」とか「本当の所どう思っているの?」とか。そういった世間話の中から、子どものことを把握していきましょう。
三者面談後に他の教員と共有する事項
それから教員同士の共有も大事です。
三者面談の話題の中で共有すべきことがあれば、学年の先生で共有をしたり教科担任の先生に共有をしたり、時には部活動や委員会の顧問、内容によっては管理職との共有も必要になってきます。
特に教科担任との共有面談の中で「実は数学が苦手で、どんな勉強方法があるか知りたい」ということがあれば、もちろんその場で子どもに「〇〇先生に聞きに言ってごらん」と言いますけれども、こちらからも根回しをしておいて、数学の先生に「〇〇が質問に行きます」という風に言っておくといいと思います。
こういった事後のフォローもとても重要です。三者面談のスケジュール組みや内容以上に、この事後のアフターフォローが重要だと考えます。
まとめ:【三者面談前の先生向け】教員の語る三者面談《教員編》
教員、そして子ども、保護者。三者三様の考え方で三者面談に臨みます。
教員としては関係性を見る大きなチャンス数少ないチャンスです。きちんと計画をして面談に臨みフォローも大切にしておきましょう。
記事の内容は動画と同じです。
動画「【三者面談前の先生向け】教員の語る三者面談《教員編》(日程調整のコツ・世間話に終始しないように)」も是非ご覧ください。
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