【教員を目指す人へ】声楽専攻の教育実習生へのアドバイス:合唱指導・授業構成・生徒理解の3本柱

【教員を目指す人へ】声楽専攻の教育実習生へ送るアドバイス 教育実習ガイド
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中学校音楽の教育実習ガイドを公開中!

【中学校音楽の教育実習生・実習生を受け入れる指導教員の先生へ】
指導教員経験を踏まえて、実習前から実習後までの中学校音楽の教育実習のポイントを網羅的に紹介。

【科目問わず全ての教育実習生へ】
STEP2「教育実習中の心得」・STEP6「教育実習が終わったら」では、指導教員へのお礼状や実習校でのマナーなど実践的知識を紹介。

中学校音楽の教育実習ガイド(実習前から実習後までのポイントを解説)

今回は教育実習シリーズとして、声楽専攻の学生の皆さんに向けたアドバイスをお届けします。

声楽専攻ならではの特徴を踏まえて、実習に向けた準備を進めてください。

 

 

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合唱指導におけるビブラートの扱いに注意

声楽専攻の学生にとって、合唱や歌唱は得意分野であり、意欲的に取り組む方が多いでしょう。力や技術を発揮することは素晴らしいことですが、注意すべき点があります。それが「ビブラート」です。

普段の独唱ではビブラートを付けて歌うことが多いと思いますが、教育実習の現場、特に中学生や高校生にとっては、ビブラートが指導上の障害になる場合があります。私自身も声楽専攻でしたが、あえてビブラートをつけずに歌う練習をしていました。つい普段の歌い方でビブラートが出てしまいがちですが、それをすべて排除して歌えるよう練習しておくと良いでしょう。

ビブラートは使い方次第です。初期段階の合唱指導では音が取りづらくなる弊害があり、純正律を目指す高度な合唱では、ビブラートは好ましくない場合もあります。独唱の延長線上で授業を展開するのではなく、授業の中で求められること、生徒が何を必要としているかをきちんと考え、模範演奏をしてください。

 

学校種・学年・先生の専攻は不問の合唱コンクール対策として、合唱指導において大切なこと3点を「【合唱指導の基本】授業とコンクールに効く!全学年対応3つの鉄則」で紹介しています。

 

 

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他の領域にも積極的にチャレンジを

二つ目のアドバイスは、他の音楽領域にも積極的にチャレンジすることです。声楽専攻であるがゆえに、歌唱に偏りがちですが、器楽・創作・鑑賞といった他の領域にも目を向けて、授業をバランスよく構成することが重要です。

自信のある歌唱領域をあえて外し、それ以外の領域を授業で扱うという挑戦も良いでしょう。4領域すべてをバランスよく扱えるように意識して、教育実習に臨んでください。

 

 

 

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生徒の楽譜の見え方を理解する

三つ目のポイントは「楽譜の見え方」に関する理解です。私たち音楽の専門家は、旋律・リズム・強弱記号など、楽譜から多様な情報を読み取って演奏します。しかし、生徒にとってはその見え方が異なる場合があります。

例えば、生徒は、時に楽譜を見て歌うといっても、実際には歌詞だけを見ていることがあります。歌詞だけで旋律やリズムを歌えてしまっている場合もあり、私たちと同じ情報を同じタイミングで得ているとは限りません。

この違いを理解していないと、指導の内容や声かけにずれが生じることがあります。生徒が楽譜を見ているからといって、自分たちと同じ認識であると思い込まないように注意しましょう。

 

楽譜を見ないで耳で音楽を聴く生徒が増えたという実感から、新しい曲に取り組む前には必ず7つの項目を指導するようにしました。具体的な指導内容は「【音楽の授業 実践例】新しい曲に取り組む授業で指導した「7つの項目」(こだわりの常時活動)」でお話しました。

 

 

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まとめ:専攻の力を教育の場で活かすために

今回は、声楽専攻の学生の皆さんに向けて、教育実習に役立つ3つの重要なポイントをお話ししました。これまで培ってきた声楽の技術や努力は、実習の現場で大いに役立つはずです。

模範演奏をした際に生徒から「オーッ」という声が上がったり、拍手をもらったりする瞬間は、非常に嬉しいものです。自分の専攻を活かしつつも、教育現場に合った指導を意識し、実りある実習となるよう準備を整えてください。

教育実習生のための記事・情報は定期的にこちらのサイトで更新しますので、ぜひご覧ください。

 

この記事は動画「【教員を目指す人へ】声楽専攻の教育実習生へのアドバイス:合唱・授業構成・楽譜の見方を押さえよう」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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