音楽教員歴10年の原口直です。
今日は新しい曲に取り組む前に必ず指導に取り入れていた7つの項目について話します。新しい曲に取り組む前に必ずおこなっていた常時活動のようなものです。
著作者を明らかにするということが第一の目標でおこなっていました。
どのようなやり方だったか皆さんに紹介します。
新しい曲に取り組む授業で指導した7項目とは?
新しい曲に取り組む前に必ずおこなっていた7つの項目をまずすべて紹介します。
2.作詞者
3.作曲者
4.速度
5.拍子
6.調
7.表情
この7つの項目です。
7つの項目その1:題名
1つ目は「題名」
曲の題名、例えば「さくら」という題名があったとします。ひらがなの場合もあれば、カタカナ、漢字、アルファベットなど色々な表記があります。作詞家・作曲家がそのタイトルに込めた思い…なぜその表記にしたのかは必ず意思があります。それを生徒に伝えるために、題名を1番始めに確認します。
7つの項目その2:作詞者
2つ目は「作詞者」
フルネームでしっかり、漢字かなも正しく覚えられるようにします。
7つの項目その3:作曲者
3つ目は「作曲者」
同じです。漢字かなも正しく教えます。
7つの項目その4:速度
4つ目は「速度」
速度の表記…それがどういう意味なのかというのを話します。
前にあったのが「♩=90」がどういう速さかを聞いたときに「メトロノームの重りを90に合わせた速さです」という回答がありました。
確かにそうですが「1分間に90回打つ速さ」というのが大事なところです。きちんと指導しないとこういった落とし穴があるので気を付けましょう。
この言葉を説明する時にどんな教材を使ったらいいのか、「音楽科の学習指導要領『音楽を形づくっている要素』の指導に使える教材」で紹介しました。
7つの項目その5:拍子
5つ目は「拍子」
ただ分数を確認するのではなく、1小節に4分音符が4つ入るから4分の4拍子、1小節に8分音符が6個入るから8分の6拍子というふうに何度でも説明をしました。
7つの項目その6:調
6つ目は「調」
もちろん学習指導要領に書かれているように、調号の数が校種によって異なりますが、私はその調号が何調かということではなく、どこを見ればどの調かわかるというのを確認していました。
ト音記号と拍子の間にシャープやフラットがいくつあるのか、そしてその曲が明るい印象か暗い印象か、それで調が分かるという話をしました。
「フラット3つは変ホ長調」というようにただ事実だけ一辺倒に教えるのではなく、どこをみて、何で判断して調が分かるという話をします。
7つの項目その7:表情指示
7つ目「表情指示」
「Grandioso」「力強く」といった表情記号です。その曲を歌う時、演奏する時にどのように歌ってほしいか、作詞者・作曲者の意思がそこにあるのだということを確認してから演奏するようにしていました。
以上が、新しい曲に取り組む前に必ずおこなっていた7つの項目です。
7つの項目の指導にこだわる理由
なぜこの7つの項目を大事にしようと思ったかというと、著作者を明らかにするというのがまず第1です。
知的財産権・著作権を大切にしたい
音楽を聴くツールがCDではなくなって、今はダウンロードやYouTubeで聴くという場合もあります。そうなると、いよいよ作詞者や作曲者が誰なのかが意識しないとわからないということがあります。
私はすべての授業の根底に知的財産権・著作権を大事にしたいという思いがありますので、誰が作ったかというのはとても大事なことだと思っています。それを積極的に知ろうとしなければ知らないで済んでしまうことがあるからです。
楽譜の大切さを伝えたい
また、7つの項目を取り入れた理由は、楽譜を見ないで耳で音楽を聴く生徒が増えたなと感じるようになったからです。
もちろん耳で聴いて再現する、この方法もいいのですが、音源がないと演奏できないとか、忘れると演奏できないということにつながってしまいます。
音源がないと演奏できないというのは、よくあるのは合唱曲ですが合唱曲がYouTubeにないからできないということになってしまうと、新しい曲は生まれません。
楽譜から音楽が創り出されるんだということをきちんと生徒に知って欲しいなと思いました。
よく旋律や速度などを聞かれた時に「楽譜を見なさい。そこにすべての情報は書いてあります」と指導しました。耳で覚えるだけではなく、楽譜の大切さを伝える、そのためにも7つの項目は有効だと思って、ずっと続けていました。
まとめ:【音楽の授業 実践例】新しい曲に取り組む授業で指導した「7つの項目」(こだわりの常時活動)
これは私のこだわりです。
皆さんも自分が大切にしたいことが何なのか、どんなところにこだわりをもって授業したいか考えてみてください。
ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「【音楽の授業 実践例】新しい曲に取り組む授業で指導した「7つの項目」(こだわりの常時活動)」も是非ご覧ください。
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