吹奏楽部の顧問が未経験でも大丈夫|楽器が吹けなくてもできる部活運営術3つ

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ある日突然、吹奏楽部の顧問や副顧問を任されて、戸惑っていませんか?

この記事では、楽器が吹けない・楽譜が読めない先生でもできる部活動の運営術を、3つのポイントに整理してお話しします。
技術指導を一人で抱え込まないこと、環境づくりとスケジュール管理に徹すること、生徒の良き聴衆になり褒めること。専門外の部活動を担当することになった先生が、肩の荷を少し降ろすためのヒントです。

 

楽器が吹けなくても、吹奏楽部の顧問は務まります。

顧問の教員が演奏技術を持っていなくても部活動はしっかりと運営できますし、生徒たちは素晴らしい音楽を作ることができます。大切なのは、完璧な演奏技術を持った指導者になることではなく、顧問としての役割を少し整理することなのです。

 

 

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楽器が吹けない顧問でも、部活動は運営できます

学校現場では、ある日突然、吹奏楽部の顧問や副顧問を任されることがあります。音楽科の教員であっても、すべての管楽器や打楽器を専門的に演奏できるわけではありません。他教科の教員や副顧問の先生であれば、楽譜が読めないかもしれない、楽器の扱い方もよく分からないといった、さらに大きな不安を感じていることもあると思います。

私自身の専門は声楽です。部活動は中学・高校とも合唱部と吹奏楽部に所属し、合唱ではソプラノ、吹奏楽ではクラリネットを担当していました。元中学校音楽科教員として現場に立ってきましたが、それでもすべての楽器を教えられるわけではありません。まして、吹奏楽の経験がまったくないという方もいらっしゃると思います。

自分が楽器を吹けないのに、生徒たちに一体何を教えればいいのだろう。コンクールに向けて周りの学校と比べてしまったり、子どもの方が楽器に詳しくて引け目を感じてしまったり。一人で頭を抱えてしまう先生方も多いのではないでしょうか。

ですが、安心してください。むしろ顧問の教員が技術的なことに手や口を出しすぎない方が、生徒たちが自分たちで考えて主体的に動くようになるという良さもあります。役割を整理するだけで、部活動の時間はずっと楽しいものになると思います。

▶ 動画では1:17〜で、私自身の部活動経験についてお話ししています

 

 

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部活運営術① 技術指導を一人で抱え込まない

ポイントは、教員が技術指導のすべてを担う必要はないということです。

吹奏楽部の顧問になると、指揮を上手に振ったり、楽器の吹き方を1から丁寧に教えたりしなければいけない、と思いがちです。しかし、そう考える必要はありません。

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生徒同士で教え合う仕組みをつくる

私の場合は、日々の基礎練習やパート練習の進め方を、上級生やパートリーダーの子どもたちに思い切って任せるようにしていました。吹奏楽部には、小学校から楽器を続けている生徒や、意欲を持って熱心に練習している上級生がいます。

教員が教えるのではなく、生徒同士で教え合うという仕組みを作ってみてはいかがでしょうか。そうすると、教えられている下級生はもちろんですが、教えている上級生の側にも強い責任感と自信が芽生えてきます。生徒たち自身が「自分たちの力で部活を作っている」という実感を持ちやすくなります。

 

外部指導員・地域・卒業生の力を借りる

専門的な奏法や細かい音作りについては、プロの演奏家や地域の経験者の方にお任せして大丈夫です。外部指導員や地域の指導者、そして卒業生の力を借りるという方法があります。

ただ、予算や学校・生徒の都合で、定期的に外部指導員を呼ぶことが難しいという場合もあるかもしれません。そういった場合は、次のような選択肢も考えられます。

  • 近隣の学校の吹奏楽部にお願いして、合同練習を組んでもらう
  • 地域の一般バンドの方に相談してみる
  • 卒業したOB・OGに来てもらう

 

教員の役割は「橋渡し役」

そうなると、教員の役割は、すべての楽器の専門家になるということではないのです。専門的な知識を持った外部の方や上級生と、部活動の生徒たちをつなぐ橋渡し役に徹することで十分だと思います。

教員が一人で技術指導を抱え込まず、周りを頼ることで、部活動全体の風通しもとても良くなります。教えすぎないということが、かえって生徒の自立を促すことになります。

▶ 動画では2:43〜で詳しく解説しています

 

 

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部活運営術② 環境づくりとスケジュール管理に徹する

大切なのは、生徒たちが安全に、安心して練習に集中できる環境を整えることです。

楽器が吹けない顧問の教員にとって、これが最も価値のある仕事だと思います。

 

練習環境と備品を整える

放課後の練習場所の確保や、音出しができる教室の割り振りの調整は、教員だからこそできる仕事です。また、窓を開けての換気や防音対策、子どもたちの体調管理への配慮など、活動環境の安全面をしっかり支えてあげます。

それから、選曲のアドバイスや楽譜の購入、高価な楽器や備品の管理、定期的な修理の手配なども重要な仕事です。楽器の調子が悪そうな時に、楽器屋さんのリペアマンに連絡して点検をお願いするだけでも、生徒にとっては大きな助けになります。

技術指導以外のこうした運営面・裏方の仕事を教員がしっかり支えてあげることで、生徒たちには大きな安心感が生まれます。

 

本番から逆算してスケジュールを示す

年間のスケジュールや練習計画の進行管理も欠かせません。定期演奏会やコンクール、学校行事、地域での演奏会など、本番の日程を把握します。そして本番から逆算して、大まかな目安を提示してあげます。

  • 今月はどの曲を仕上げるのか
  • 今週はどこまで練習を進めるべきか

私の場合は、スケジュールの枠組みを作る時に、部長や学生指揮者など中心となる生徒と一緒に話し合って決めるようにしていました。そうすると生徒自身が、自分たちの立てた計画として納得し、日々の練習に主体的に見通しを持って取り組むようになります。

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選曲は「新しい曲との出会い」をプロデュースする

楽曲の選曲についても、子どもたちが選ぶと、どうしてもJ-POPやボカロなど、好きな曲や知っている曲に偏りがちです。私の場合は「コンクールには出ないけれども、コンクールの課題曲のうちのマーチを1曲必ず入れるようにしよう」といったふうに、新しい曲との出会いをプロデュースしました。

教員が細かく指示を出さなくても、スケジュールというレールを一緒に敷いてあげるだけで、部活動はスムーズに進んでいきます。技術指導ができなくても、環境とスケジュールを整えるだけで、子どもたちは驚くほど自分たちで成長していきます。

▶ 動画では5:16〜で詳しく解説しています

 

 

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部活運営術③ 生徒の良き聴衆になり、褒める

重要なのは、音を耳で聞いて感じたことを、言葉にして伝えることです。

これは楽器の専門知識がなくても、どんな専攻の方でもできると思います。

 

感じたことを、そのまま言葉にする

たとえば、こんな声かけです。

  • 「今日の合奏は、昨日よりも音が前に飛んでいるね」
  • 「このフレーズは全員の息がぴったり合っていて、気持ちがいいね」

こうした素直な感想を、生徒たちに伝えてみてください。楽器の細かい奏法にとらわれず、客観的なリスナーとして演奏を聴くことで、曲全体の一体感や音色の変化、生徒たちの表情などにも気づきやすくなることがあります。

専門的なアドバイスではなくても、「今の演奏を聴いて、とっても温かい気持ちになったよ」と伝えるだけで、生徒にとっては最高の励みになります。

 

うまくいっていないときの声のかけ方

少しうまくいっていなさそうな時にも、「少し音が苦しそうに聞こえたけど、何か困っていることはある?」と声をかけてみます。

技術的な悩みなら、相談できる専門家とつなげたり、資料や動画を探してあげたりします。人間関係の悩みなら、ここは顧問の出番ですね。じっくり相談に乗ってあげましょう。

そうした声かけを通じて、先生が自分たちの演奏をいつも温かく見守り、しっかり聞いてくれていると分かるだけで、生徒たちは安心して練習に打ち込むことができます。一番近くにいる一番の応援者として、日々の小さな努力や成長を言葉にして認めてあげることが、生徒たちのモチベーションを一番高めてくれると思います。

▶ 動画では8:05〜で詳しく解説しています

 

 

まとめ:完璧な顧問を目指さなくて大丈夫です

楽器が吹けなくてもできる部活運営術は、次の3つでした。

ポイント具体的にすること
①技術指導を一人で抱え込まない上級生・パートリーダーに任せる/外部指導員・地域・卒業生を頼る/橋渡し役に徹する
②環境づくりとスケジュール管理に徹する練習場所・安全面の確保/楽譜や備品の管理・修理手配/本番から逆算した計画を示す
③生徒の良き聴衆になり、褒める感じたことを言葉にして伝える/困りごとを聞き、専門家や資料につなぐ

専門外の部活動を担当することは、最初はプレッシャーも大きく、戸惑うこともたくさんあると思います。ですが、最初から完璧な吹奏楽部の顧問を目指す必要は、まったくありません。

教員が笑顔で練習を見守り、生徒たちの頑張りを応援している姿勢そのものが、部活動の温かい土台になります。皆さん自身も生徒と一緒に少しずつ学んで、音楽を楽しんでいくという気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q. 楽譜が読めなくても吹奏楽部の顧問はできますか。
A. できると考えています。日々の基礎練習やパート練習の進め方は上級生やパートリーダーに任せ、専門的な奏法は外部指導員や地域の経験者にお願いするという方法があります。教員は、専門知識を持つ人と生徒をつなぐ橋渡し役に徹することで十分だと思います。

Q. 予算がなくて外部指導員を呼べません。どうすればよいでしょうか。
A. 近隣の学校の吹奏楽部にお願いして合同練習を組んでもらう、地域の一般バンドの方に相談してみる、卒業したOB・OGに来てもらう、といった選択肢があります。定期的に外部指導員を呼ぶことが難しい場合でも、周りを頼る方法は残されています。

Q. 子どもの方が楽器に詳しくて、引け目を感じてしまいます。
A. その状況は、むしろ部活動にとって良い面があります。顧問が技術的なことに手や口を出しすぎない方が、生徒たちが自分たちで考えて主体的に動くようになるからです。教えられる側だけでなく、教える上級生にも責任感と自信が芽生えてきます。

Q. 生徒が選ぶ曲が好きな曲ばかりに偏ってしまいます。
A. 選曲は、教員が新しい曲との出会いをプロデュースできる場面です。私の場合は「コンクールには出ないけれども、コンクールの課題曲のマーチを1曲必ず入れる」といった枠を設けていました。部長や学生指揮者と一緒に話し合って決めると、生徒も納得して取り組みやすくなります。

 


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この記事は、動画「専門外で吹奏楽部を任された先生へ|楽器が吹けなくてもできる部活運営術」をもとに作成しました。

この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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