音楽科の年間指導計画の立て方|行事・教材・領域の3つを押さえる

音楽科の年間指導計画の立て方 授業技術(発問・評価・板書・声かけ)
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年度の初めに立てる年間指導計画、どこから手をつければよいか迷うことはありませんか?音楽科は、学校に1人しか教員がいないケースも多く、1人で3学年分の計画を同時に組まなければならない場面もあります。

この記事では、年間指導計画を立てる際に押さえておきたい3つのポイント——行事との連動・教材や教具のスケジュール・領域のバランス——をわかりやすく解説します。

 

 

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年間指導計画を立てる前に意識したいこと

年間指導計画は、1年間の授業の骨格になるものです。まず「行事」「教材・教具」「領域のバランス」の3つを軸に考えると、全体の見通しが立てやすくなります。

それぞれを順番に見ていきましょう。

 

 

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ポイント① 行事から逆算して時間を確保する

式典(入学式・卒業式)

入学式や卒業式には、国歌・校歌・市区町村の歌など、時期が決まっていて授業で練習しなければならない曲があります。「何月頃から始めるか」「何曲取り組むか」「何年生が何を担当するか」を年度初めに把握して、計画に組み込んでおく必要があります。

学年の歌を披露する学校もあれば、全校または学年ごとに歌い継がれているものもあります。毎年変わる場合は選曲や伴奏者の練習期間も含めて、前々から計画しておくことが大切です。

 

校歌指導が事務的になってませんか?式典のため・行事のために練習するのではなくて、音楽的にきちんと校歌をとらえて指導するにはどうすればいいか、「【音楽教員向け】校歌をどう教える?生徒の心に届く3つの指導法」で解説しています。
校歌指導の極意:作者・目標・音楽性で「心に届く歌」を育てる
校歌をただの行事用の歌にしていませんか?この記事では、作者の紹介・明確な目標設定・音楽性の重視という3つの視点から、生徒の心に届く校歌指導の方法を詳しく解説します。音楽教員必見の実践的なヒントが満載。

合唱コンクール・文化祭

行事の中でも特に大きなウエイトを占めるのが、合唱コンクールです。

  • 開催時期はいつか
  • 課題曲・自由曲の構成はどうなっているか
  • 課題曲を先輩から引き継いでいるか、まったく新しく取り組むか
  • 選曲はいつから行うか
  • 伴奏者の練習期間はどれくらい必要か

これらを加味したうえで年間指導計画に落とし込んでいくと、行事に関わる授業時数だけでかなりの時間が固まってきます。

 

文化祭・合唱コンクールの運営を担うことが多い音楽科教員は、運営のみならず音楽の指導もしなければなりません。どんなことに注意を払う必要があるか「教員のための学校行事運営の3つのコツ(合唱コンクール・合唱祭・文化祭)」で話しました。
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ポイント② 教材・教具が「いつ手に入るか」を計算に入れる

和楽器・借用教材

和楽器を借りる場合は、個数や貸出期間があらかじめ決まっています。それが自然に「何月に何をやるか」を決定づける要因になります。また、演奏の前に鑑賞の時間を設けたい場合は、鑑賞→実技という流れで順番を設計することになります。

 

足りない教材・教具は、すぐに買うのではなくまず「借りる」「代替えのものはないか」ということがないか考えましょう。「音楽教員のための物品購入」で詳しい話をしています。
音楽教員のための授業で必要な教材・教具の購入方法
音楽教員歴10年の原口直です。今日は物品購入について話します。音楽の授業をする上で様々な教材や教具が必要になってきます。もともとその学校にあるもので足りなくなった場合どうすればいいか、ということをポイントを抑えて話をします。ないからと言って...

 

リコーダー・合唱曲集などの副教材

リコーダーや合唱曲集など、副教材・教具が必要な場合は、「いつそれが揃うか」が授業開始のタイミングを左右します。4月からすぐにリコーダーを使いたくても、発注が間に合わなければ授業を始めることができません。計画段階から教材の入手時期を逆算しておきましょう。

 

ゲストティーチャー・アウトリーチの活用

ゲストティーチャーやアウトリーチを取り入れる場合は、相手のスケジュールが先に決まります。その日程に合わせて事前指導・当日・事後指導の流れを計画に組み込んでいくと、自然に授業の流れが整ってきます。

ゲストティーチャー・アウトリーチを有効に使う方法を「教員のための学校でのアウトリーチの活用方法(音楽鑑賞教室・芸術鑑賞教室)」で紹介しました。
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ポイント③ 歌唱・器楽・創作・鑑賞をバランスよく配置する

学習指導要領では、歌唱・器楽・創作・鑑賞の各領域をバランスよく扱うことが求められています。年間を俯瞰したときに特定の領域に偏りがないか確認することが大切です。

 

季節感を活かした教材配置

できれば季節に合った教材を選べると、生徒の学びに深みが生まれます。

季節教材の例
ヴィヴァルディ「春」(鑑賞)、「花」(歌唱)
「赤とんぼ」(歌唱)

もちろん、授業時数や進度の都合でぴったりはまらないこともあります。そういった場合は「絶対にこの季節でなければいけない」とは考えず、自分がどうしてもここでやりたいという教材を優先的に配置して、他を調整するという考え方でいいと思います。

 

 

計画を立てたら「俯瞰で確認する」ことが大切

3つのポイントをもとに計画を組んだら、最後に全体を俯瞰して確認しましょう。チェックしたいのは次の3点です。

  1. 領域のバランスに偏りがないか
  2. 行事への対応に漏れがないか
  3. 学習指導要領に書かれていることを網羅しているか

年度初めはどうしてもバタバタしがちですが、ゴールデンウィークなどの少しまとまった時間を使って年間指導計画を見直し、長期的な見通しを立てておくことをおすすめします。

 

21年度から完全実施されている新学習指導要領。「【音楽の新学習指導要領】音楽教員のための3つの改訂ポイント解説」の動画では、現場レベルでどのようにしたら良いかということを、教育芸術社『中学校音楽科 新学習指導要領ガイドブック』の内容に沿って解説しています。
【音楽の新学習指導要領】音楽教員のための3つの改訂ポイント解説
音楽教員歴10年の原口直です。新しい学習指導要領は小学校では2020年度から、中学校では2021年度から完全実施されます。その内容については、移行期間から色々な議論がされたり、発表がされたりしていますが、現場レベルではどのようなことに注意...

この記事の内容は動画「音楽の年間指導計画で迷ったら|行事・教材・領域バランスの考え方」をもとに作成しました。

この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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