【配慮事項】学校での子どもの多様性(外国籍・聴覚過敏・LGBTなど)

【配慮事項】学校での子どもの多様性(外国籍・聴覚過敏・LGBTなど) 一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
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【中学校音楽の教育実習生・実習生を受け入れる指導教員の先生へ】
指導教員経験を踏まえて、実習前から実習後までの中学校音楽の教育実習のポイントを網羅的に紹介。

【科目問わず全ての教育実習生へ】
STEP2「教育実習中の心得」・STEP6「教育実習が終わったら」では、指導教員へのお礼状や実習校でのマナーなど実践的知識を紹介。

中学校音楽の教育実習ガイド(実習前から実習後までのポイントを解説)

音楽教員歴10年の原口直です。

学校現場では様々な多様性のある子どもたち、生活への対応が求められています。

私は以前に、性的マイノリティやジェンダーについて大学と共に研究を進めていました。その際に多角的な視点を持たなければいけないこと、自分がまだまだ勉強不足だなと思ったことがありました。

今日は学校中の多様性について、一部ですが3つ話します。

 

 

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外国人・外国籍の生徒への配慮

生徒本人・家族への言葉の配慮

生徒本人が外国人である場合、また、家族が外国人である場合というのがあります。
ケースとしても色々あって、生徒本人が日本語をしゃべれない場合もありましたし、家族が日本語をしゃべれず本人はしゃべれるという場合もありました。

本人が日本語をしゃべれない場合は、日本語の指導から必要になりますし、授業やテストのフォローも大事です。また、家族の方が日本語をしゃべれないというケースでは、プリントの配布や行事の際には生徒に通訳になってもらって話をするということがありました。

今では様々なサポートがあるようですので、行政の取り組みについて調べてみるのもいいと思います

 

宗教・習慣への配慮とは?

また、配慮が必要なのは言葉だけではありません。宗教や習慣についても配慮が必要です。宗教についてもその主教の考え方…特にタブーであることに関しては配慮が必要ですし、知識も必要です。

それから習慣については、ピアス。国によっては生まれてすぐに耳にピアスの穴をあける国があります。そういった習慣を持っているようです。しかし、日本の学校ではほとんどがピアスはダメとなっている所が多いので、こういった場合は家庭との連携を取って理解する。そして、周りの子どもたちにも理解させることをしていました。

外国人の生徒や家族がいる時に配慮することは他にも様々あります。実例にたくさん出ていますし、解決策や行政の対応なども色々ありますので、ぜひ調べてみてください。

 

 

 

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特性(色覚特性・聴覚過敏)を有する生徒への配慮

特別な支援が必要な子への配慮については、「【配慮事項】特別支援が必要な生徒への音楽の授業における対応」という動画を上げていますのでそちらをご参照ください。ここでは、色覚特性と聴覚過敏、この2つについて話します。

 

 

まず、色覚特性についてです。色々な症状が人によって異なるようですが、多かったのは赤と緑の区別がつきづらいという子がいました。その際にはチョークの色を配慮したり、その子にとってどう見えているか考えたりしました。

教科書は今はユニバーサルデザインとなっていて色覚特性がある子にも見やすいようになっています。しかし、板書やパワーポイントといった教員が作成する物は色覚特性の子がいるかいないか配慮が必要です。

 

板書やパワーポイント・板書の作成方法については以下の記事でお話しています。
音楽授業のワークシートの作り方」(動画はこちらから)
音楽授業の板書の書き方」(動画はこちらから)
音楽授業で板書とパワーポイントの使い分ける」(動画はこちらから)

 

それから、聴覚過敏。これも「【配慮事項】特別支援が必要な生徒への音楽の授業における対応」という動画で話していますが、周囲の物音が我慢ができないくらい大きく聞こえてしまったり、ちょっとした音がすごく気になってしまう。これが特性です。

中学生くらいになってくると自覚をして対処の方法を知っていたりします
クラスにいるかどうかをきちんと聞いておいて、音楽の授業でどのような配慮をしてあげられるか。対処をしてあげられるかを考えましょう。

 

 

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性的マイノリティの生徒への配慮

大学と連携して研究した内容です。
性的マイノリティ…報道などではLGBTとよく言われます。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダーの略です。他にはLGBTQと言ったり、SOGIと言ったりします。

この性的マイノリティの子たちへの配慮については、音楽科でも配慮しなければいけないこと、気をつけなければいけないことがあります。

 

生徒への言葉かけで教員が気を付けたいこと(生徒へのNGワードとは?)」では、人権・宗教政治・音楽の3つの分野に関する言葉かけの際に注意したいことを解説しています。

 

例えば、男声女声という声の分け方、男の子だから/女の子だからとか、男らしい/女らしいという言葉は性的マイノリティの子どもたちにとってはとても嫌な言葉・つらい言葉になることがあります。配慮が必要です。

それから、同じように変声期についての配慮も必要です。体が男の子で心が女の子の場合もあります。変声ということにとても神経質な子たちもいます。こういったことを知っていないといけません。

それから大型楽器…和太鼓やティンパニを運ぶ時に「大きい男子来て」という何気ない言葉。歌舞伎や文楽、祇園祭などの性別による芸能やお祭りの文化について解説する時の言葉。これも配慮が必要です。

それから、習い事。これも配慮が必要です。ピアノ、フルート、ヴァイオリンを習うと言った時に、性別を考えたことはあるでしょうか。性別による「らしさ」で自分の中で線を引かないように。また、周りの生徒も線引きを無意識にして誰かを傷つけていないか気をつける。こういった配慮も必要です。

 

 

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まとめ:【配慮事項】学校での子どもの多様性(外国籍・聴覚過敏・LGBTなど)

多様性=ダイバーシティは社会的にも重要な項目です。ぜひこれを機会に一つひとつの項目について、深く学んでみることをおすすめします。

 

ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「【配慮事項】学校での子どもの多様性(外国籍・聴覚過敏・LGBTなど)」も是非ご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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