学習指導要領コード化を理解する(読み取り方・コード化の背景・今後の推移)

学習指導要領コード化を理解する(読み取り方・コード化の背景・今後の推移) 一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
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皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。

現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。

 

突然ですが、「8380300216000000」この16桁の数字。何の数字だかおわかりになりますか。

16桁の1つひとつの数字が意味を持っています。どのような意味を表しているかというと「学習指導要領」を表しています。この16桁の数字は「学習指導要領コード」と言います。
今日は2020年10月に発表された学習指導要領コードの案についてお話をします。

 

音楽科の新しい学習指導要領の内容の解説と現場レベルでどのような点に留意すべきかについては「【音楽の新学習指導要領】音楽教員のための3つの改訂ポイント解説」の動画でお話しました。

 

この文章は私が最も使う、学習指導要領の中にある文章です。

自己や他者の著作物及びそれらの著作者の創造性を尊重する態度の形成を図るとともに、必要に応じて、音楽に関する知的財産権について触れるようにすること。また、こうした態度の形成が、音楽文化の継承、発展、創造を支えていることへの理解につながるよう配慮すること。

とあります。

 

この文章が学習指導要領のどこに書いてあるかというと、

平成29年に告示された学習指導要領>中学校>音楽>第3>2>(1)>カ

の項目が先ほど読み上げた内容です。

このように、学習指導要領に書いてある総則また各教科の目標や内容、指導計画の作成や内容の取り扱いなどを全てコード化するというのが今回の方針です

 

 

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注意!2020年10月公表の学習指導要領コードが最新版です

説明を始める前に重要な点についてお話しします。

文部科学省から出されている学習指導要領のコードについての資料は2つ出されています。

 

 

7月と10月で内容が異なりますので十分注意しましょう。

 

資料の見分け方は第5・6・7桁目の色です。7月に発表されたものは第5桁目が黄色、10月に発表されたものは第5桁目が緑となっています。

 

なぜ色が変わったかというと示す項目が増えたからです。7月に発表された①の方は第5桁目で学年段階を表していましたが、10月に発表された②では学年段階は第6桁目になっています
この順序が入れ替わったことと小項目が入ったこと。これが10月の資料で変わったことです。

資料を見る際には十分に気を付けて下さい。

この動画での解説は②10月に発表された資料です。それではさっそく見ていきましょう。

 

 

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学習指導要領コードの解説

学習指導要領コードの概要について

まず第1桁目は告示の時期を表します。
学習指導要領は約10年に1回告示されます。8は平成29年に告示されたもの、それを表しています。

第2桁目は学校種別。
中学校は3と表記されます。

第3桁目は教科を表します。
音楽は8。それぞれの教科に番号が割り振られています。

第4桁目は分野・科目・分類を表します。
該当のない場合は0で表示されます。

第5桁目は目標・内容・内容の取り扱いの大項目となります。
10月の資料で新しく加えられた項目です

第6桁目は学年・段階です。
10月の資料で5桁目から6桁目に変わっていますので十分注意してください。学年の数字が入ったり複合的な学年の場合はアルファベットで表示されたりします。

第7桁は目標・内容・内容の取り扱いの小項目です。
こちらは新しい資料に新しく入った項目です。ねらいや目標内容などが入ります

次に第8桁目から8桁は細目となります。

末尾の第16桁目は一部改正があった場合に、ここに数字が入ります

このように16桁の数字それぞれに意味を持たせることで、このコードが中学校音楽科の知的財産権に関する項目だということがわかります。

 

学習指導要領コード表の使い方

どの教科の、どの項目が、コードか何かというのをわかりやすくするために文部科学省が同時に出したExcelがありますので、それを見ながらさらに解説していきます。

 

 

Excelの作業風景を画面キャプチャーした際にタブが表示されないことが判明しましたので少し見づらいかもしれませんが、音声を聞きながらご確認ください。Excelは校種別になっています。ここでは中学校の内容「中学校学習指導要領コード」を話します。

 

ファイルを開くと、総則の冒頭から1項目ごとにコードが割り振られているのがわかります。音楽を見たいので教科別のタブから音楽を選んで音楽の表示をさせます。そうすると音楽の最初から、またこれも1つの項目ごとにコードが割り振られているのがわかります。

最初の目標にはこの16桁のコードが付いていることがわかります。第3桁目以降が書いてありますので、第1桁目の告示時期、第2桁目の校種、これをつけて3桁目以降16桁目までがこの数字になるということがわかります。

項目からコードを知りたい場合はタブの中でそのキーワードを入れます。知的財産権の項目のコードを知りたい場合は「知的財産権」を検索するとこのように16桁のコードが出てきます。

 

次に歌唱曲《花》のコードが知りたい場合は、テキストのタブから「花」を入力すると《花》それから《花の街》このコードが現れます。

また「自然音」の項目のコードが知りたい場合、タブから「自然音」と打つと入力すると「自然音・環境音」のコードがこのように出てきます。

別の使用例として、全教科から「知的財産」に関する項目のコードを知りたいという場合は、教科別をすべての教科としてテキストで「知的財産」と入れます。そうすると音楽、美術、技術・家庭にその項目があることが分かり、すべてのコードが把握できます。

 

資料「学習指導要領コードについて」には小学校理科の具体的なコードが示されています。Excelのデータは小学校・中学校・高校と校種別になっていますので、自分の校種や教科、項目を一度見てみましょう。

 

 

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学習指導要領コード化の背景

さて、この16桁の学習指導要領コード。
なぜ付ける必要があるのでしょうか?何に使うのでしょうか?

現在、文部科学省では学校それぞれが持っている学校の情報をデータ化しようとしています。
大きな区分で、①主体情報②内容情報③活動情報という3つの区分。そしてこの学習指導要領コードは②内容情報の中に入ります。

 

各情報の中身やどのようなことをしようとしているかは、一緒に発表されている文部科学省の資料「教育データの標準化について」をご覧下さい。

 

学習指導要領コードについては10月に出たこの最新の学習指導要領のコード。以降、11月には前回の学習指導要領、12月には幼稚園・特別支援学校の最新と前回の学習指導要領のコードが発表されます。

コードがつくことで教科書や教材等との連携、また教材等のデータベース化につながると発表されています。詳しくは文部科学省のサイトを概要欄にリンクを貼りますのでそちらをご覧下さい。具体例なども書いてあります。

 

 

この学習指導要領コードをはじめ、教育のデータ化についてはこれからさまざまな発表がされると思います。色々な事にアンテナを張っておきましょう。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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