中学校音楽の授業規律づくり|4月に押さえたい7つのポイント

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音楽の授業が1年間うまくいくかどうかは、4月の授業規律づくりにかかっています。週に1回しか顔を合わせない音楽の先生だからこそ、最初の数週間の積み重ねが信頼関係の土台になるのです。

この記事では、授業前の環境整備から授業中の対応・授業後のフォローまで、音楽教員歴10年の実体験をもとにお伝えします。

【1年間が劇的に変わる】初回授業のガイダンス&アンケート3つの鉄則」でも触れたとおり授業規律は非常に大事です。
初回授業のガイダンス&アンケート|音楽教員が押さえておきたい鉄則と実践例
音楽の初回授業で何を伝えるか迷っていませんか?自己紹介・音楽の哲学・ルール明示の3点と、ピアノレベル把握にも使えるアンケートの実践例を、音楽教員歴10年の実体験をもとに解説します。

 

 

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授業規律はなぜ4月に決まるのか

「はじめが肝心」とはよく言われますが、音楽の授業においてはこれが特に当てはまります。どのように授業規律を設定するか、そしてそれを生徒と共有するか——この2点が、その後の授業の質を大きく左右します。

小さなほころびは、放置するとやがて大きなキズ口になります。4月・5月のうちに何度でもやり直させ、何度でも丁寧に伝えることが大切なのです。

 

 

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ポイント1:授業前の準備・環境づくり

授業規律は、授業が始まる前からすでに始まっています。椅子の配置・譜面台のセッティング・隊形の掲示——これらをきちんと整えておくことが、チャイムと同時に授業を始めるための前提条件です。

準備ができていなければ、どんなに生徒に規律を求めても守られません。それは生徒のせいではなく、教員側の問題です。まず授業者自らが環境を整える責任を持ちましょう。

具体的には以下を習慣にするとよいでしょう。

  • 椅子を人数分、きちんと整頓して並べておく
  • チャイム着席を徹底させる
  • 遅刻した場合は毅然と対応し、繰り返させない

 

https://makiba.work/20201229-youtube

 

 

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ポイント2:挨拶と私語への対応

挨拶の徹底

授業中の規律として、まず挨拶をきちんとすることを最初に提示します。これは音楽の授業に限らず、生徒との関係づくりの基本です。

 

「静かに」「うるさい」から卒業する

私語への対応でありがちなのが、「静かに」「うるさい」と言ってしまうことです。しかしこの声かけには弱点があります。

  • 「静かに」→ 授業者の要望を伝えているだけ
  • 「うるさい」→ 現状を説明しているだけ

大切なのは、生徒に何をしてほしいかを具体的に伝えることです。

避けたい言葉代わりに使う言葉
静かに口を閉じて
うるさい耳を貸して
(漠然とした注意)こっちを見て

また、「雑音やめて」「雑音なし」という独自のフレーズを繰り返し使うことで、音楽室のルールとして定着させていく方法も有効です。有声音(「shhhh」)を使う、私語が収まるまで無言で待つ、「大事なことを言います」と宣言する、といった工夫も試してみてください。

音楽室の中に雑音は必要ありません。この考え方をクラス全体で共有しておくことが、その後の対応をスムーズにします。

 

子どものウソや喧嘩に対してどのように対処すべきか、「教員が教える子どものウソ・喧嘩への対応の仕方」で解説しました。
教員が教える子どものウソ・喧嘩への対応の仕方
皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信していま...

 

 

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ポイント3:楽譜・楽器の扱い方

楽譜の大切さを伝える

楽譜は「尊いもの」「大切なもの」として位置づけ、最初にきちんと話しておきましょう。なくす・床に置く・丸めて人を叩く——こうした行動が見られたときは、そのタイミングを活かして楽譜の価値についてクラス全体に話すよい機会になります。

 

楽器の扱いは授業者自身の態度で示す

楽器は言わずもがな、大切なものです。「楽器を大切にしましょう」と言いながら、ピアノの上に荷物を山積みにしていないでしょうか。授業者自らの態度で示すことが、生徒への最も説得力ある指導になります。

マレットやスティックを投げる・それで人を叩く、といった行動があった場合は、授業を止め、全員を注目させたうえで「これはダメなことだ」と明確に伝えましょう。

 

私はピアノをピカピカに磨いておくことがこだわりでした。「【音楽教員必見】音楽室の作り方完全マニュアル|新年度準備で授業が変わる!」の動画で、それ以外のこだわりもいくつか紹介しています。
https://makiba.work/20200401-4-youtube

 

ポイント4:言葉の規律(罵り言葉への対応)

発言・歌唱・演奏の場面で、誰かを罵る言葉や汚い言葉が出ることがあります。そのような場合は必ず授業を止め、「その言葉がなぜよくないのか」「聞いて心地よくない」という点を丁寧に伝えましょう。

放置すると、音楽の授業でチャレンジすること自体を生徒が怖がるようになります。言葉の規律は、安心して表現できる場をつくるための大切な基盤です。

 

 

ポイント5:立つ・座る・歌う・止めるの切り替え

音楽の授業では立ったり座ったり動いたりすることが多く、他の教科とは異なるルールが求められます。だからこそ、最初にルールと目的を明確に共有することが欠かせません。

  • 立つべき時に立たない → 立つまで待つ
  • 座るべき時に座らない → 座るまで待つ
  • 歌うべき時に歌わない・楽器を止めない → 早いうちから見逃さない

「なぜ私は今怒っているのか」が生徒に伝わるためには、最初にルールが明確に示されていることが前提です。ルールのない怒りは、生徒には伝わりません。

 

授業規律をあまりにも守らない生徒に対しては怒る必要があります。適切な怒り方については「【家庭で使える】教員が教える中学生の怒り方」という動画でお話しています。
https://makiba.work/20200812-youtube

 

ポイント6:授業後の生徒へのフォロー

強く注意した生徒・注意しても改善が見られなかった生徒には、授業後に一対一で話す時間をつくりましょう。その際の話の流れは次のようにするとよいでしょう。

  1. 最初に提示したルールを確認する
  2. 何を破ったかを具体的に伝える
  3. こうすれば改善できる、という見通しを示す
  4. 必ずポジティブな言葉で締めくくる

短い休み時間で話しきれない場合は、一言声をかけておいて後日に話す機会をつくることも大切です。次の授業にわだかまりを持ち越さないことが、授業規律が定着するコツです。

 

 

ポイント7:担任の先生への報告を怠らない

授業での指導内容・改善状況は、担任の先生にきちんと伝えましょう。「悪いことを相談するのは申し訳ない」と感じる必要はありません。報告することで得られるものは多くあります。

  • 他の授業での様子が分かる(その生徒の傾向が見えてくる)
  • 担任からのアドバイスが得られる
  • 必要に応じて管理職・保護者への連携が取りやすくなる

改善されたときは、その事実も忘れずに報告しましょう。困ったことだけでなく、よい変化を共有することで、担任との連携が深まります。

 

生徒指導をする場合の重要なポイントは「すべての行動の責任は生徒にはない。子ども本人のせいではない。理由は必ず他にある。」ということです。「【配慮事項】生活指導の必要な生徒への対応」の動画の中で、個々の事情にあわせて生徒指導する方法について解説しています。
https://makiba.work/20200419-youtube

 

子どものことは大学・実習などでたくさん学ぶと思いますが、保護者との関わり方について学ぶのは現場に行ってから・即実践です。「教員のための保護者対応の3つのポイント【保護者と良い関係を保つには?】」で、私の経験から話せる保護者対応のコツを紹介します。
https://makiba.work/20210129-youtube

まとめ:規律と信頼は、どちらかではなく両方

「ダメなものはダメ」と毅然と伝えること、そして「いい時はしっかり褒める」こと——この2つをセットにすることが、生徒との信頼関係につながります。週に1回しか会わなくても、背が小さくても、女性であっても、規律と誠実な対応の積み重ねが信頼を築く力になります。

4月・5月は大変に感じることもあるかもしれませんが、ここで土台をつくることが、1年間の音楽の授業を豊かにする近道です。

 

 


よくある質問

Q. 「静かに」「うるさい」という声かけのどこがいけないのですか?

A. 「静かに」は教員の要望を伝えているだけ、「うるさい」は現状を説明しているだけで、生徒が「何をすればよいか」が分かりません。「口を閉じて」「こっちを見て」など、生徒の行動を具体的に示す言葉に切り替えると効果的です。

Q. 授業後のフォローはどの生徒に行うべきですか?

A. 特に強く注意した生徒、または注意しても改善が見られなかった生徒が対象です。最後は必ずポジティブな見通しで締めくくり、次の授業へのわだかまりを残さないようにしましょう。

Q. 担任の先生への報告はどの程度の頻度で行えばよいですか?

A. 指導を行った都度、伝えることが基本です。改善が見られた際にもその事実を報告することで、担任との連携がよりスムーズになります。場合によっては管理職や保護者への連絡につながる情報にもなりますので、落ちのないように伝えることが大切です。

 


この記事は動画「【中学校音楽】授業規律の作り方|4月から信頼関係を築く」をもとに作成しています。

この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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コメント

  1. 古賀友博 より:

    よくYouTubeでは拝見していましたが、コメントははじめてします。
    とくに、ポップスの授業での展開についての動画、とても良かったです、

    もしよかったら、先生とはまた違う教材、視点から授業に参考になる動画をだしているので、こちらにも遊びにいらしてください

    https://youtu.be/gg08aywT6sI

    • 原口直 原口直 より:

      古賀先生
      コメントをいただき、ありがとうございます。
      ポピュラー音楽については、先生方の興味関心の度合いや自身の体験、リスペクトする姿勢が大きく関わると感じています。
      どのような実践をなさっているか興味があります。