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1年間の授業を楽に進めるための初回授業(ガイダンス・アンケート)の3つのポイント

1年間の授業を楽に進めるための初回授業(ガイダンス・アンケート)の3つのポイント 一歩先ゆく音楽教育(授業編)
一歩先ゆく音楽教育(授業編)
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音楽教員歴10年の原口直です。

とっても重要な初回のガイダンス・アンケート。このはじめをきちんとしておくと、今後1年間の授業がとても楽になります。逆に失敗してしまうと、この先1年間はとっても苦労することになります。

今日はガイダンスについて3点、その後アンケートについてお話しします。生徒と「初めまして」と出会うガイダンスは主に3つのことをするといいと思います。

 

 

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最初の授業での教員の自己紹介の方法

まず1つ目は「自己紹介」

自分がどういう教員であるか、以前紹介したキャラクターづくりの動画でも話をしていますが、どんな音楽が好きなのか、キャラクター、スポーツ、YouTubeが好きなのかを話しましょう。第一印象がとても大事ですし、その先生を信頼できるか、親近感がもてるかがこの自己紹介にかかっています。

 

先生という職業はなぜかキャラクターの強い人が多いように思いますが、教員としてどのようなポイントでキャラクターを作ったらいいか、もしくは持っているキャラクターを活かしたらいいか「教員のためのキャラづくり【他人に自分を強く印象付けるためのノウハウ】」の動画で説明しました。

 

パワーポイントなどを使って生徒に分かりやすく、かつ覚えてもらえるように自己紹介をよく考えておきましょう。

 

パワーポイントの使い方をマスターすれば、これほど味方になる物はありません。「音楽授業におけるパワーポイントの使い方」では、授業で使うパワーポイント資料の作り方の3つのコツを紹介しています。

 

 

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教員自身の「哲学」を伝える

2つ目は「哲学」

少し難しい言葉になるかもしれませんが、音楽に対する考え方・音楽の授業に対する考え方・そして音に対する考え方を話しておくのがいいです。

私の場合は初めの授業で、音には「楽音」と「雑音」があるという話をしました。
「楽音」は聞いて心地の良い音、「雑音」は聞いて心地の良くない音です。

例えば、同じ「声」という音でも、みんなで歌いましょうと言った時に聴こえてくる声は「楽音」ですが、私が話している時に歌い出したらそれは「雑音」です。

同じ「声」でも、楽音と雑音をきちんと分けること。音楽室の中には楽音だけでいいこと。を始めに強く言っておきます。その後の授業でも雑音という言葉をよく使っていて、私語があった場合は「雑音なし!」とよく言っていました。

 

教員だって怒らなくていいのなら怒りたくないです。しかし、毎日の学校生活の中でどうしても怒らなければいけない場面は出てきます。何度も何度も怒ったりする中で身に付けた「怒り方」について「【家庭でも使える】教員が教えるプロの子どもの怒り方」でお話しています。

 

初めのころは面白がって1年生が私のマネをしていたようです。
それくらいインパクトのある、自分がどうして音楽をやるのか・自分が音に対してどのように考えているのかということを生徒に伝えるのはとても重要だと思います。

 

 

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「良いことと悪いこと」の線引を明確に伝える

3つ目は「良いことと悪いこと」

これは許す。これは絶対に許さない。という線を始めに引いておく、そしてそれを明確に提示するというのが大事です
例えば、先ほどの音、私語のこともそうですし、持ちものや提出物の忘れなどについてどのようなルールがあるのか初めにきちんと提示しておきましょう。

私は持ちものやワークシートについてはこのように話していました。

 

音楽の授業は中学校ではとても少ないです。英語や数学などに比べると、4分の1、5分の1にしかなりません。つまり、音楽のワークシート1枚は英語のワークシート4倍、5倍に値します。

だから、忘れちゃダメ。だから、必ず締め切りまでに提出しなさい。1時間ごとに忘れ物をしないでください。

 

それから、都立高校の入試のことも、上級生になってくると話をします。

都立高校入試の場合、内申書に書かれる評定(1~5で示される成績)は実技教科は2倍で計算されるということを意識して言っていました。評価につなげて話をするのもいいと思います。
ただ、あまり評価、評価というのではなくて、ワークシートや提出物の大切さを話す一部として話すのをおすすめします。

 

受験はチームプレーです。受験をする子どもを中心に親御さんや塾、そして先生は担任はもちろん同学年の他の先生・教科担任の先生、また管理職にも面接の練習や書類作成などでお世話になります。「音楽教員が学級担任として進路指導に関わる際の3つのポイント」では、音楽教員が担任として進路指導を行う場合のポイントを紹介しました。

 

他にも音楽室のルールについても、初めに共有しておく必要があります。

例えば、音楽室の中にあるピアノに触っていいのか、ダメなのか。大型のパーカッションや機材に触っていいのか、ダメなのか。短い休み時間はダメだけど、長い休み時間ならいい、とか。部活動で楽器の扱いを知っている人は触ってもいいけど、知らない人は触っちゃダメ。でもどうしても触りたければ相談してください。など、

音楽室のルールを始めに線引きして生徒と共有しておきましょう。

今しゃべったようなガイダンスの内容は、必ずレジュメにして配布しておくといいと思います。ファイルなどに綴じて、いつでもそのルールが確認できるようにする。そうするとルールを破ったときに「そこに書いてるでしょ」ということができます。ちょっとしたことですが、今後1年を左右するとても大事な共通の約束です。

 

音楽教員のための音楽室の作り方【快適な音楽室作りのヒントを紹介】」の動画では、音楽の先生の戦場である音楽室をどのように作れば良いのか。ヒントをお話ししました。

 

 

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最初の音楽の授業で行なったアンケート設問を紹介!

次に初回におこなうアンケートについて話します。

私は毎年1年生の初回授業でアンケートを実施していました。内容はいくつかあって、

 

■小学校で印象に残った曲や行事は何ですか

■習い事(音楽系)
楽器やダンスが入ります。
楽器については、ピアノのレベルも書かせています。これを元に合唱伴奏が弾けそうな生徒をピックアップするためです。ピアノは生徒にとって説明するのはなかなか難しいので、習っている年数と、いま習っている曲を書かせていました。
最近ではJ-POPやジャズピアノを習っている子もいますので、曲を書かせるのがレベルをわかる1つの指標になります。私は《エリーゼのために》を1つの基準としていました。弾ければ1・2年生の合唱曲は弾けるかな?という感じです。

■生活の中で音楽とどのように関わっているか
ラジオを聴きますか。テレビの音楽番組を観ますか。劇場やコンサート、ライブなど1年以内に行きましたかという聞き方です。

■おすすめの音楽3つ
嗜好がわかったり、会話の糸口になったりする。

■「この人知っている?」
50人くらいの音楽に関係する人を並べて、知っていれば〇、知らなければ✕、名前を聞いたことはあるは△をつけさせました。バッハやモーツァルトといった作曲家から、日本の演奏家・作曲家、最近のJ-POPアーティスト、伝統芸能の従事者、ボカロなど、多岐にわたって音楽の知識がどの程度あるのか〇✕△をつけさせました。

 

 

まとめ:1年間の授業を楽に進めるための初回授業(ガイダンス・アンケート)の3つのポイント

今日は初回授業について話しました。

始めが肝心です。特にガイダンスはお互いの信頼関係、ここから始まる生活指導にもつながるとても大事な話です。きちんと計画をしてガイダンス・アンケートの準備をしましょう。

 

今後の授業がうまくいくもいかないも、どのように授業規律を設定するか・それを生徒と共有するか、ということが大事です。「中学校音楽における授業規律の指導方法」の動画で、私がどのように授業規律を作っていったかを紹介しています。

 

ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「1年間の授業を楽に進めるための初回授業(ガイダンス・アンケート)の3つのポイント」も是非ご覧ください。
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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー/公立中学校音楽科教員

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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