「この子、どうしたんだろう?」生徒の小さな変化に気づくための身だしなみチェックリスト

【すぐに分かる】生徒の家庭生活・性格が分かる3つの身だしなみとは? 生徒対応とコミュニケーション
生徒対応とコミュニケーション
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音楽の授業は他の教科に比べて授業数が少なく、生徒一人ひとりと関わる時間が限られています。「短い時間でもっと生徒と仲良くなりたい」「生徒のことを深く知りたい」と感じている先生方は多いのではないでしょうか。

生徒を理解するヒントは、彼らの「身だしなみ」に隠されていることがあります。

この記事では、音楽教員歴10年の経験に基づき、生徒の「身だしなみ」という身近なサインから、その子の個性や背景を理解し、より良い関係を築くための3つの観察ポイントを解説します。

限られた時間の中で効率的に生徒を理解するためには、いくつかの点に絞って観察することが有効です。ここでは、特に注目すべき3つのポイント「爪」「靴ひも」「袖口・襟もと」について見ていきましょう。

 

【明日から使える】持ち物だけで生徒の性格が9割わかる!音楽教師が教える観察テクニック3選」の動画では、生徒の持ち物だけで、生徒の性格や生活習慣、さらには家庭環境まで見えてくる驚きの観察テクニックを3つ紹介しました。

 

 

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ポイント1:爪は口ほどに物を言う? 清潔感から探る生活習慣

まず一つ目のポイントは「爪」です。特に手の爪は、その生徒の生活の様子をよく表しています。

小学校では爪の検査が行われることもありますが、中学校や高校ではそこまで細かく生活指導をしないのが一般的です。そのため、授業中や休み時間などにさりげなくチェックすることが大切になります。

注目すべきは、まず「爪が綺麗に切られているか」という点です。これは基本的なことですが、ピアノを習っている生徒でも、意外と爪が長いままになっているケースもあるため注意が必要です。

爪がきちんと整えられている生徒は、爪だけでなく身体全体の身だしなみにも気を配っている傾向があると言えるでしょう。身体の中で気になる部分は人それぞれですが、爪をチェックするだけで、その生徒の生活の様子がある程度見えてきます。

 

【配慮事項】生活指導の必要な生徒への対応」の動画では、生活指導の必要な生徒への対応方法について「生徒をコントロールできる場合」「生徒をコントロールできない場合」「時間をかければ生徒をコントロールできる場合」の3つのケースに分けて解説しました。

 

 

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ポイント2:靴ひもが語る生徒の性格と家庭環境

二つ目のポイントは「靴ひも」です。生徒が履いている上履きや外履きがスニーカーの場合、靴ひもに注目してみましょう。

最初に確認したいのは、「靴ひもが正しくリボン結びになっているか」です。リボン結びができていても、結び目が縦になってしまう「縦結び」になっている生徒もいます。本人はその状態を特に気にしていないことが多いようです。

また、靴ひもが解けたままになっている生徒もいます。本人は解けていることに気づいていながら、直そうとしないこともあり、こちらが促して直させる場面もあるでしょう。これは、単に解けやすいだけでなく、「解けていても気にならない」という生徒の性格や生活の一端を示している可能性があります。

さらに、靴ひもが極端に緩く結ばれている場合もあります。これは、靴を買った時や履き始めた時に一度結んだものの、自分ではうまく結べないため、毎回ほどかずに済むようにわざと緩くしているケースが考えられます。「この生徒はリボン結びができないのではないか?」と背景を推測するきっかけにもなります。

これらの靴ひもの状態は、あくまで観察の一つの側面に過ぎませんが、生徒の家庭での生活やしつけ、親子関係を理解する上でのヒントになる可能性があります。

 

難しそうに見える保護者対応。私の10年の教員生活の中で経験してきた保護者対応について「教員のための保護者対応の3つのポイント【保護者と良い関係を保つには?】」の動画で紹介しました。

 

 

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ポイント3:袖口・襟もとに表れる家庭の状況

三つ目のポイントは、制服のワイシャツやポロシャツの「袖口や襟もと」です。

多くの学校で白が指定されているワイシャツやポロシャツは、毎日着用するため汚れが目立ちやすい部分です。特に袖口と襟もとには、生徒本人や家庭の状況が顕著に表れます。

小中高生は汗をかきやすく、袖や襟の汗ジミは、ただ洗濯機で回しただけではなかなか落ちません。汚れがきちんと落ちているかを見ることで、家庭で袖口や襟もと専用の洗剤を使ったり、手でもみ洗いをしたりといった丁寧な洗濯が行われているかどうかが垣間見えます。

この汚れは、「本人や親がその汚れを気にしているか」という意識の表れでもあります。生徒本人が「汚くて嫌だ」と思えば、親に伝えたり自分で洗ったりするでしょう。また、親が気づけば、洗濯方法を教えるなどの対応をするはずです。このように、袖口や襟もとは、生徒本人や家庭の状況が特に表れやすい部分と言えるでしょう。

さらに、襟もとが擦り切れたままになっているケースもあります。成長期の中高生にとって、制服を頻繁に買い替えるのは難しいことかもしれません。しかし、その状態に本人や家庭が気づいているか、そしてそれを気にしているかという点は、生徒を理解する上で非常に重要なポイントとなります。

 

日々多くの人と接する教員は人の見た目・外見からその人となりを判断するのが得意かもしれません。「【教師向け】生徒・保護者の顔と名前が覚えられない…を解決!音楽教師が教える人を見る3つの視点」の動画では、どのように外見から人を判断しているかお話しています。

 

 

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まとめ:ポイントを絞って生徒理解を深めよう

今回は、短い時間で生徒を理解するためのヒントとして、身だしなみの3つのポイント(爪、靴ひも、袖口・襟もと)について解説しました。

日々多くの生徒と関わる中で、一人ひとりを深く知るのは簡単なことではありません。まずは、気になる生徒や、自分との関わりが多い(あるいは極端に少ない)生徒など、人数を絞ってこれらのポイントを意識的に観察することから始めてみてはいかがでしょうか。

こうした視点は、生徒を評価するためではなく、一人ひとりに寄り添い、必要なサポートを見つけるためのきっかけとなります。観察から得た気づきを、生徒との信頼関係構築に繋げ、ぜひ明日からの指導にお役立てください。

 

この記事は動画「【教員必見】生徒の家庭環境まで分かる?身だしなみ3つの観察ポイント」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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