教育実習の1週間目、授業がうまくいかずに落ち込んでいませんか。この記事では、ボロボロだったと感じた授業を次の1時間で立て直す方法を3つお伝えします。
振り返りの仕方、指導教員への相談の仕方、そして次の授業で変えるポイントの絞り方です。落ち込む必要はありません。次の授業は必ず立て直せます。
うまくいかなかった授業の立て直しとは、正しい振り返りと次への準備をすることです。具体的には、感情と事実を分けて原因を書き出し、指導教員に仮説を持って相談し、次の授業で変えるポイントを1つに絞る、という3つの手順で進めます。この3つをふむと、次の授業の空気が劇的に変わります。
授業がボロボロでも、次の1時間で立て直せます
まず、お伝えしたいことがあります。教育実習の1週間目は本当に疲れます。慣れない環境や人、生活リズムなど、授業以外にも自分が疲れる要因がたくさんあるからです。まずは1週間、本当にお疲れさまでした。
初めての授業で頭が真っ白になったり、思うように歌ってくれない、活動してくれない。そんなことがあると、とても落ち込みます。私も教育実習生だった頃はそんな反応がたくさんありましたし、落ち込みました。でも、落ち込む必要はありません。
重要なのは、立て直しの手順を知っておくことです。ポイントは次の3つです。
| ポイント | やること |
|---|---|
| ① 解剖する | 「うまくいかなかった」を感情と事実に分けて書き出す |
| ② 相談する | 指導教員に、事実+仮説+改善案の形で相談する |
| ③ 1つだけ変える | 次の授業で変えるポイントを1つに絞る |
▶ 動画では0:45〜で詳しく解説しています
①「うまくいかなかった」を解剖する
立て直しの1つ目は、「うまくいかなかった」を解剖することです。
感情と事実を分けてノートに書き出す
授業が終わった直後は、「子どもがしらけていた」「全滅だった」と感情的になってしまいがちです。落ち込んでいる時は、何でも悪く見えてしまうものですね。そうすると、何が悪かったのかが分からなくなってしまいます。
ですから、まずは感情と事実を分けましょう。主観と客観を区別するのです。
「子どもがしらけていた」のではなく、「ピアノの伴奏を始めた時に子どもの視線が下がっていた」というように、実際に起きた事実だけをノートに書き出してみてください。
音楽の授業でつまずく原因は「言葉の多さ」と「指示の曖昧さ」
音楽の授業でつまずく原因として、教員の言葉の多さと指示の曖昧さがあると思います。
音楽の授業は、話すよりも音を出す時間の方が大切です。しかし、不安になるとついつい説明が長くなってしまいます。生徒が歌わなかったのではなく、いつ・何を・どう歌えばいいのか、指示が聞き取れなかったのかもしれません。
「歌わなかった」という原因を振り返ってみてください。テンポやパートの指示、歌い出すタイミングが明確でなかったのかもしれません。指示を見直してみましょう。
失敗は自分を責める材料ではなく観察データです
学習指導要領の総則にも、指導計画の評価と改善というPDCAの考え方があります。授業の失敗は自分を責める材料ではなく、次の指導を改善するための貴重な観察データなのです。
うまくいかなかった原因をデータとして分析することで、次の授業の具体的な改善策が見えてきます。
▶ 動画では1:49〜で詳しく解説しています
▼「解剖結果」は実習日誌にも活用可能です

②指導教員を最強の味方にする
立て直しの2つ目は、指導教員を最強の味方にすることです。
教育実習生の中には、指導教員に怒られたくない、完璧な姿を見せなければいけないと思っている人もいるかもしれません。しかし、指導教員は審査員ではありません。一緒に授業を作る伴走者なのです。
指導教員も、教育実習生が最初から完璧にできるなんて全然思っていません。むしろ、失敗から学ぼうとするその姿勢を見ています。1人で悩みを抱え込む必要はありません。
▼教育実習の指導教員との関わり方についての解説

相談の仕方で、返ってくるものが変わります
ここで、指導教員への相談の仕方がとても大切になります。
| 相談の例 | 何が違うか | |
|---|---|---|
| NGな相談 | 「今日ダメでした。どうすればいいですか?」 | 感情の報告と丸投げになっている |
| 伸びる相談 | 「〇〇の場面で手が止まりました。原因は××だと考えています。次は△△という風に言い換えてみたいのですが、どうでしょうか?」 | 事実+自分の仮説+改善の提案が入っている |
NGな相談例では、指導教員もアドバイスがしづらいと思います。一方、事実と自分の仮説・改善の提案という形で相談をすると、指導教員も「そこまで考えているなら、もっとこうすると良くなるよ」と具体的に教えてくださいます。
指導教員を頼ることは甘えではありません。プロとしての行動です。目の前の生徒にいい授業を届けるために、指導教員の知恵をたくさん借りてみてください。
指導教員はそもそも、人を教えるのが好きだから教員になっています。それは対象が小学生・中学生だけではなく、大学生が成長することも心から願っています。ぜひ「一緒に授業を作る」という考え方で進めてみてください。
▶ 動画では3:51〜で詳しく解説しています
③次の授業で1つだけ変える
立て直しの3つ目は、次の授業で1つだけ変えることです。
ボロボロになってしまった授業、その日は授業を全てやり直したくなってしまいますよね。リセットしたくなる気持ちはよく分かります。学習指導案を最初から書き直そうとする実習生もいますが、それは避けた方がいいと思います。体力が持たなくなってしまいますし、かえって混乱をしてしまいます。
全てやり直す必要はありません。たった1つの改善で、空気はガラッと変わります。
▼音楽の教材研究のやり方のコツを紹介しています

変えるポイントは指導教員と確認した1つだけ
次の授業では、変えるポイントを1つに絞ってみてください。指導教員と確認した改善点1つだけを、まず徹底してみてください。
たとえば、次のような改善があります。
- 説明を30秒縮めて、ピアノの音をすぐ鳴らす
- 指示を一言にする
- 曲の冒頭のピアノを堂々と弾く
1つだけ意識して取り組んでみてください。子どもの反応が驚くほど変わります。
チャイムのあとの一言で仕切り直す
また、授業開始のチャイムが鳴ったら素直に、「前回は私の指示が少し分かりにくかったね。今日はここを工夫してみます」と笑顔で仕切り直してみてください。
子どもは大人の表情や雰囲気をよく見ています。教員が笑顔で素直に切り替えると、生徒も安心して授業に引き込まれていきます。
▶ 動画では5:59〜で詳しく解説しています
▼実習期間中の過ごし方(夜・土日)へのアドバイス記事です

まとめ:立て直しの3つのポイント
今日は授業の立て直し方について3つお話ししました。
- 「うまくいかなかった」を感情と事実に分けること
- 指導教員に、仮説を持って相談すること
- 変えるのは1つだけということ
最初は誰でもうまくいかないことがあります。指導教員だって、そういう時期があったのです。少しずつ前進してみてください。次からの授業を応援しています。
▼生徒が歌ってくれなかったという私の実習期間の思い出です

よくある質問
Q. 授業がうまくいかず、落ち込んで何も手につきません。何から始めればいいですか。
A. まずは感情と事実を分けて、実際に起きたことだけをノートに書き出してみてください。落ち込んでいる時は何でも悪く見えてしまい、何が悪かったのかが分からなくなってしまいます。事実だけを並べると、次に直す場所が見えてきます。
Q. 生徒が歌ってくれませんでした。どう振り返ればいいですか。
A. 生徒が歌わなかったのではなく、いつ・何を・どう歌えばいいのか、指示が聞き取れなかったのかもしれません。テンポやパートの指示、歌い出すタイミングが明確だったかを振り返ってみましょう。
Q. 指導教員に相談するのは迷惑になりませんか。
A. 指導教員は審査員ではなく、一緒に授業を作る伴走者です。頼ることは甘えではなく、プロとしての行動です。事実・仮説・改善案をセットにして相談すると、より具体的なアドバイスが返ってきます。
Q. 学習指導案を最初から書き直した方がいいですか。
A. 書き直しは避けた方がいいと思います。体力が持たなくなりますし、かえって混乱してしまいます。指導教員と確認した改善点を1つだけ徹底する方が、次の授業の空気は変わります。
教育実習・若手の先生向けの情報は、中学校音楽の教育実習ガイドにまとめています。実習前の準備から実習後まで、順番に読めるようになっています。
この記事は、動画「教育実習で授業が失敗した日の立て直し方3つ【元指導教員】」をもとに作成しました。





