GIGAスクール時代の学校での著作権(オンライン授業で出来ることと出来ないこと)

GIGAスクール時代の学校での著作権(オンライン授業で出来ることと出来ないこと) 一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
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皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。

現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。

 

今日はGIGAスクール時代の著作権についてお話をします。

 

私が運営する「原口直の学校著作権ナビ」では、学校における著作権についてより詳しく解説しています。

 

学校で著作物を使用される場合は、最新の法律・ガイドライン等を確認遵守の上でご利用ください。
>おすすめ:文化庁の著作権情報ページ

 

 

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姉妹サイト「原口直の学校著作権ナビ」の紹介!

「分かりにくい」「とっつきにくい」と思われがちな著作権。
学校と著作権をつなぐ「翻訳家」として、原口直が現場目線を大切にしながら学校での著作権を分かりやすく解説しています。
「学校・子どもに関わる著作権だけ知りたい」「法律の文章はちょっとわかりにくい」「著作権は気になるけど、何を聞いていいのか?どう考えていいのか分からない」という学校関係者の方におすすめです!

原口直の学校著作権ナビ

学校における著作権

著作権の原則と例外

まずは著作権の原則から。

「作品は作った人のもの」

私のこれまでの動画でもお話ししている大原則です。
人の作品を使ったり、増やしたり、変える場合には作った人に許可を取る。なぜなら、作品は作った人のものだからです。

 

法律の文章だけ見ると難しく見える著作権の世界。「学校における著作権入門(教員のためのシーン別著作権)」の動画では、学校に関係することを中心に、著作権について簡潔に紹介しています。

 

この原則には2つ例外があります。

①私的複製
②学校その他の教育機関

どういった点を指すのか詳しく話します。

 

①私的複製
個人が家庭内などで楽しむ場合に、作った人に許可を得ずに増やしたり使ったりすることができます。
②学校その他の教育機関
授業目的の複製の場合には、作った人に許可を得ずに使うことができます。

 

学校・教育機関で利用する場合でも許諾が必要なケースもある

しかし、学校で使う場合でも例外にならないことがあります。つまり許諾が必要=作った人に許可が必要な場合があります。

 

1つ目:職員会議・教員研修・保護者会などで使用する資料に、著作権を用いて複製や公衆送信をする場合
2つ目:同じ学校でも、大学などで学習管理システムにアップされた教材を、履修が終わってからも継続利用する場合

これらは許諾が必要です。

 

また、これはちょっと見落としがちですが、ある教員が著作物を利用して作った資料を他の教員に複製するなどして共有する場合には許諾が必要です。

このように、例外にならない場合で「学校でちょっと使いにくいな」と思ってしまう場面を改善するために、著作権などを管理する団体が集まって方策を考えているところです。これはGIGAスクールより前からずっと同じです。

 

先生が陥りがちな著作権トラブル(授業と部活・職員会議・研究会の違いとは)」の動画の中で、先生がやりがちな著作権違反の例を紹介しています。

 

 

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著作権の視点で考えるオンライン授業で出来ること/出来ないこと

では実際にオンライン授業に置き換えて、「できること」と「できないこと」をまとめます。

オンライン授業で出来ること

教科書や問題集などの一部を、配信画面に映したり生徒に送付したりすることはできます。
また、短文の著作物や国内外すべて…海外も含めた著作物、そしてJASRACなど管理者団体に加入していない者の著作物についても使用することができます。

またオンライン授業でよく使用される動画サイトYouTube。こちらで授業動画をアップする場合、限定公開または非公開でアップする場合に可能です。
ただし教育委員会の動画については、教育委員会は学校ではありませんので、著作物を使った動画もアップロードするためには別途許諾が必要です。

また、オンライン授業では授業の資料を生徒へメールしたり、生徒のみがアクセスできるサイトにアップロードすることが可能です。これによって、資料を共有することができます。

 

音楽のオンライン授業を自分が実践するならどんなツールを使い、どんなことを考えるだろうという風にイメージして「音楽のオンライン授業のやり方「私ならこうする」」で解説しました。

 

YouTubeやNHK for school の動画リンクをオンライン授業で配信したり、生徒のみがアクセスできるサイトにアップロードすることもできます。動画の資料を共有することができるのです。

『授業』という言葉が含む範囲ですが、ゼミの他に、特別活動…例えば学活やホームルーム、クラブ活動や児童・生徒会の活動、学校行事なども含みます。また部活動や課外補習授業、公開講座もこれにあたります。ここで授業と同じように使うことができるのです。

 

2021年度から新聞や教科書などの著作物をネット上で使用する場合、子ども1人当たりいくら払うという定額の料金が決まっています(授業目的公衆送信補償金制度)。その内容やYouTubeを授業で活用する方法について「【学校で使うYouTube】授業目的公衆送信補償金制度の紹介とYouTubeを授業で活用するコツ」で解説しました。

 

オンライン授業で出来ないこと

授業動画を一般公開…つまり誰もが見られる状態にすること。また学校以外(担任と生徒以外)が見られる状態にするのはNGです。
また、教科書や問題集などを配信画面に映したり生徒に送付したりする場合に、長文全てといった広い範囲にわたるものはNGです。気を付けて下さい。

もちろん作った人の許可を得られれば使うことができます。権利者団体のホームページや申請の方法などを調べて、使いたい場合にはきちんとその手続をとってから使いましょう。

 

私には著作権に関する質問が学校の先生から多く寄せられます。「【学校教育と著作権】学校現場での著作権に関する疑問は著作権情報センター(CRIC)のサイトで解決できる!」の動画では、著作権に関する質問にお答えする時に、私が参考にしているサイトを紹介しました。

 

 

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まとめ :GIGAスクール時代の学校での著作権(オンライン授業で出来ることと出来ないこと)

今日はGIGAスクール構想の学校において、具体的な例をあげたつもりですが、実際、「今、自分の、この目の前の疑問を解決したい」という時には、ぜひこの「一歩先行く音楽教育」のウェブサイトから質問を寄せてください。コメント欄やメールでも構いません。

 

 

寄せられた質問については、本人の許諾を得た上で皆さんに公開して情報や解答をシェアさせていただきます。
1人の疑問は全国の誰かの皆さんの疑問です。1人1台持ったからこそ出てきた疑問、授業を発信するときに思った疑問、ぜひ現場の声・リアルな声をお寄せください。

 

最近寄せられた1人1台端末を持つGIGAスクール時代ならではのご質問については、大学図書館司書の先生に確認した上で回答しました。「【質問への回答】GIGA端末で学校図書館の資料を撮影して活用して良いか?」をご覧ください。

 

記事の内容は動画と同じです。
動画「GIGAスクール時代の学校での著作権(オンライン授業で出来ることと出来ないこと)」も是非ご覧ください。

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公立・国立の学校現場を知っている経験を生かして、机上の理論と学校現場の皆さんとをつなぎます。現実的に学校での対応が可能な施策を一緒に考えましょう。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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