音楽教員歴10年の原口直です。
今日は学校での図書室の使い方、そのメリットについて話をします。学校に必ずある図書室ただの本の保管室ではありません。授業で活用すると、とても便利な場所です。
私は音楽の授業の時よく図書室を利用していました。
授業を行う場所としての役割と資料の集まる場所という位置づけ、それからなんといっても司書の存在はとても大きいものです。授業以外でも自分の娯楽のための読書の本を探しに行ったり、司書の先生と世間話をするなんていう位置付けでもありました。
この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。
▶これから図書室を使ってみたいという先生
▶どういう風に図書室を使ったらいいのかわからない先生
▶図書室でどういうことができるのかわからない先生
▶図書室を使ったらこんなにいいことがあるんだよということを知りたいという先生
是非ご覧ください!
学校の図書室=教材探しの場所・知識の集積地
図書室はその通り本が集まる資料室でもありますけれども、知識の集まる場所でもあります。
私の実践方法を話します。
文楽の授業するときに、文楽を鑑賞した後に文楽について深く学ぶという時に図書室を利用しました。音楽室では文楽の DVDやYouTubeなどの教材を見せるということにとどまり、その後は図書室に移動しました。あらかじめ司書の先生とどのようなテーマで調べ学習をさせたいという相談をしておくと、司書の先生はたくさんの資料を用意してくださいます。
文楽の授業をしたいと言ったら40冊以上も本を集めてくださったんです。もともと学校にある本だけではなくて、地域の図書館にある本、それから大学や他の附属学校にある本などさまざまなネットワークを使って40冊も集めてくださったんです。
それ以外にも新聞の記事だったり雑誌、それからいろいろな協会が発行している冊子というものも集めてくださいました。それから調べるツールとして本や雑誌、それから調べるツールとして本や雑誌冊子だけではなくてタブレットを準備してくれて、インターネットで調べられる環境も準備して頂きました。
1年目に行うときには入念な打ち合わせ…こちらの目的を伝えたり指導法や内容、時間などを伝えたりしましたけれども、2年目からは去年と同じ内容で最新の情報も集めておいてくださいとお願いするだけで、新聞記事が更新されたり一年間の中で新しく出た書籍や雑誌を取り寄せてくださいました。
自分で集めようと思ったら大変です。教材探しを図書室にも協力いただければ音楽の教員は、鑑賞教材にこだわる時間ができます。こういった教材探しの協力をいただく。これも図書室を使うメリットの一つです
図書室を活用すれば教科横断が可能になる
教科横断という言葉を聞いたことがあるでしょうか。教科の分野や領域にかかわらずに、様々な教科を組み合わせたりして総合的に学ぶという方法です。この教科横断が図書室でなら簡単にできます。
図書室を利用して音楽科で著作権・知的財産権の授業をしたことがあります。
その際に国語では引用のことを用いて言うとか、社会科では権利や法律をこのように指導しているといったふうな情報をいただけます。そうすると「国語でこう習ったよね」とか「社会で習ったと思うけれども」といった枕詞をつけることができて、生徒の頭の中で国語で習ったあれ、社会で習ったあれ。それを生かして音楽の授業ができるんだというふうに教科横断の考え方が培われます。
この国語や社会での指導方法や授業の内容についても学校の司書の先生からヒントをいただけます。図書室を使うことで教科横断ができてしまうというのはとても良いメリットだと思います。
図書室に行けば生徒を知ることができる
その時に流行っているもの。生徒がどんな本を好んで読むのか、またリクエストどんな本が多いのかといった流行を聞くことができます。
それから今何を習っているのかという情報が集まるのも図書室です。なぜなら他の教科で調べ学習とかレポート作成・資料作成を行っている場合、生徒は図書室に資料を探しに行きます。そうすると、今どの学年がどの教科で何をやっているという情報が集まりやすいのです。
例えばこれは私が音楽でジェンダーについて取り扱った時ですが、保健体育の保健分野ではこのように取り扱っているよということ。それから、それについての新聞を書いている子がいたよという情報は図書室から得ました。図書室は今生徒が学んでいることを学びたいと思っていることそれが分かる場所なのです。
もちろん他の教科の先生・他の学年の先生に学習の進度や内容を聞くこともできますけれども、一番手っ取り早いのは司書の先生に行くのが一番です。
まとめ:【学校を支える人】教員のための学校図書館・司書教諭活用のススメ
まずは世間話からでいいんです。図書の先生のところへ行ってこういうことに興味があるとか、こういった内容の授業をしたい。それ以前に私は本が好き、こういう本を読みたい、こういうリクエストをしたいという世間話から授業の話に発展することがあります。
また、こちらが何に興味を持っているかというのを司書の先生に知っておいていただけるのもいいと思います。
私が図書室で行っていた文楽や著作権に関する授業について、司書の先生も1年間ずーっとアンテナを張り続けてくださいますので、資料や書籍がどんどん集まってきます。そういった世間話、それから自分が何が興味があるのかというのを話にいくところから始めてみましょう。
記事の内容は動画と同じです。
動画「【全教員に知ってほしい】教員のための学校図書室・司書教諭活用のススメ」も是非ご覧ください。
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