今回は「板書とパワーポイントの使い分け」についてお話しします。
両者にはそれぞれメリット・デメリットがあり、授業の内容に応じた効果的な活用が求められます。
なお、板書の書き方、パワーポイントの作り方、ワークシートの作り方についての動画も公開していますので、ぜひ併せてご覧ください。
「音楽授業のワークシートの作り方」(動画はこちらから)
「音楽授業の板書の書き方」(動画はこちらから)
「音楽授業で板書とパワーポイントの使い分ける」(動画はこちらから)
音楽室の構造に応じた使い分け
まず注目すべきは、「音楽室の作り」による使い分けです。
板書は黒板やホワイトボードを使用し、パワーポイントはプロジェクターを使ってスクリーンに映し出します。この黒板とスクリーンの配置関係が、使い分けの第一のポイントになります。
学校ごとに音楽室の構造は異なり、黒板やホワイトボードが固定式か可動式か、上下に動くか、ひっくり返して使えるかなど、さまざまです。スクリーンの大きさや設置の手間も考慮が必要です。準備に手間がかかるようでは本末転倒です。
特に注意が必要なのは、スクリーンが黒板を覆うように設置されている場合です。この場合、スクリーンを下ろすと黒板の内容が見えなくなってしまいます。こうした配置を踏まえて、板書とパワーポイントの使用順序を計画的に考える必要があります。
「固定」と「流動」を活かした使い分け
次のポイントは、「板書は固定、パワーポイントは流動」という性質の違いを活かすことです。
板書は一度書くとその場に固定され、情報を長く提示するのに適しています。もちろん黒板消しで消すことも可能ですが、手間がかかります。
一方、パワーポイントはクリック一つで画面を切り替えられるため、流動的な情報の提示に向いています。
この違いを活かすことで、より効果的な資料作りが可能になります。たとえば、「本時の目標」のように常に表示しておきたい情報は板書で示し、曲の紹介や作曲者の紹介など進行に合わせて切り替えたい情報はパワーポイントを活用すると良いでしょう。
板書とパワーポイントの記録性の違い
三つ目のポイントは、「記録性」の違いです。
板書は授業終了後に消されてしまうため、記録を残すには写真を撮るなどの工夫が必要です。
これに対して、パワーポイントはデジタルデータとして保存できるため、翌年度や他のクラス・学年でも再利用できます。この特性を活かせば、資料の蓄積と改善がしやすくなり、効率的な授業準備につながります。
まとめ:音楽授業で板書とパワーポイントを使い分ける方法
今回は、板書とパワーポイントの使い分けについてお話ししました。
教育実習生を指導する際、かつては板書計画だけで済んでいたものの、現在では学習指導案とあわせてパワーポイント資料の添削も必要になっています。
板書にもパワーポイントにも、それぞれ良い点と課題があります。授業の目標や内容に応じて、どちらが適しているかを毎回見極め、有効に活用していきましょう。
この記事は動画「【音楽授業】板書vsパワポ!効果的な使い分け3つの視点」をもとに作成しました。
コメント