音楽教員歴10年の原口直です。
音楽を専攻している中でピアノ専攻の学生さんが最も多いと思います。
教育実習に行く時、どのような点に気をつければいいか、他の専攻とちょっとちがう点をお話しします。
教育実習における合唱(歌唱)指導について
教育実習の中でよく用いられる教材の一つです。
歌唱に自信を持つこと!
まず、歌に自信を持ってください。声楽専攻の人といつも一緒にいたり、行動したり、歌を聴いていると自分の歌の自信を持てなくなってしまいますが、当然生徒よりはうまいに決まっていますので、歌に自信がないという人でもきちんと練習を重ねた上で自信をもって歌ってほしいと思います。
それから、合唱指導の場合、自分が中学高校の時にピアノ専攻の人は伴奏が担当だったという人がよくいます。つまり、自分が合唱を歌ってこなかったという人が多いのです。だから、歌に対してなおさら不安に思ってしまうことが多いようですが、生徒よりうまいのですから大丈夫!自信を持ってください。
伴奏にこだわり過ぎない
伴奏にこだわりを持つのはいいことです。しかし、完璧な伴奏を求めないでください。伴奏者が完璧な伴奏であればいいのであって、指導者は完璧である必要はありません。
音取りの段階では時に伴奏は邪魔になることがあります。例えば、ハーモニーを確認する時に伴奏がない方がいい場合もありますね。
なので、毎回の合唱で完璧な伴奏をしなければいけないとあまり気負いすぎないように気をつけてください。伴奏は適宜、簡易伴奏にしたりコード進行にしたり。時には完璧な伴奏を弾いて、その指導に合った伴奏を選んでください。
教育実習における絶対音・アンサンブルについて
絶対音について
まず生徒の中で絶対音を持っている生徒は少ないです。ピアノは鍵盤をたたけばその音が出ますので、普段絶対音についてあまり意識しないかもしれませんが、合唱や歌唱において練習をする時に、開始音を必ずあげるように。しかも、ていねいに、何度も開始音を与えるよう意識をしてください。
アンサンブルについて
ピアノはいつも一人で演奏することが多いのですので、他の人とアンサンブルをするという意識を授業の中ではもっと持ってください。クラスが35人なら35人+先生のアンサンブルなのです。
具体的に、開始音のほか、開始の拍・位置、特にアウフタクトの時はきちんとその開始を与えてあげるのが大事です。自分一人ではなく、35人+先生のアンサンブルの気持ちを忘れずに持っていてください。
教育実習における楽譜について
私たちが音楽を演奏する時には楽譜を見ます。楽譜を見て、音符を追って、強弱記号やリズムを見て、楽譜の情報をたくさん得ながら演奏に活かしていきます。しかし、これは当たり前のことではありません。
私が感じた中学校の指導では、リズム、旋律を耳コピ・口伝で覚える生徒が多いと感じるようになりました。なぜそれがわかったかというと、合唱の楽譜を配った時に合唱の楽譜…つまり音符を追っているのではなく、縦書きの歌詞の部分だけを見て歌っているのです。しかもそれで、歌えちゃっているのです。
彼らには音符…つまり旋律やリズムが示すことはあまり重要ではなく、歌詞が大事なようです。ですので、私たちが考えているような「楽譜から情報を得て演奏をする」という過程は必ずしも生徒にはイコールではありません。
楽譜があるから歌える、楽譜のどの部分を指しているというのは、時に生徒には伝わらないことがありますので、楽譜の音楽にならないように十分配慮をしましょう。
まとめ:【教員を目指す人へ】ピアノ専攻の教育実習生へ送るアドバイス
日々の練習、演奏で培った技術・努力は絶対に授業に活かせます。自分が持っている技術、培ってきたものを教育実習でも十分に発揮してください。
ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「【教員を目指す人へ】ピアノ専攻の教育実習生へ送るアドバイス」も是非ご覧ください。
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