不親切なスライドが生徒を引き込む:音楽授業のパワーポイント活用法

音楽授業におけるパワーポイントの作り方 音楽の授業力アップ
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今回は、音楽授業において効果的に活用できるパワーポイントの作り方についてお話しします。

以前は黒板と板書が中心だった授業も、現在ではスクリーンやプロジェクター、パソコンなどの設備が整い、パワーポイントの利用が主流となりつつあります。
では、どのように作れば、生徒の興味を引き出し、理解を深めることができるのでしょうか。ここでは、パワーポイント作成の3つのコツをご紹介します。

 

音楽授業をより良くするためのヒントとして次の記事・動画も参考になると思います。是非ご覧ください!
音楽授業のワークシートの作り方」(動画はこちらから)
音楽授業の板書の書き方」(動画はこちらから)
音楽授業で板書とパワーポイントの使い分ける」(動画はこちらから)

 

 

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「不親切なパワーポイント」で生徒の思考を引き出す

最初のコツは「不親切なパワーポイント」を作成することです。これは、以前に「音楽教員必見!生徒が集中する「ワークシート作り」3つの秘訣」という動画でご紹介した「不親切なワークシート」と同じ考え方に基づいています。

音楽の先生必見:ワークシート作りで授業が変わる3つの秘訣
音楽の先生必見!ワークシート作成の工夫で授業がもっと効果的に。『不親切さ』『フォーマットの統一』『見返しやすさ』という3つの視点から、生徒の主体性を育む実践的なヒントを紹介します。

パワーポイントの利点は、情報を視覚的に豊富に提示できることです。しかし、教科書の文章や写真をそのまま載せたり、スライドの文字を読み上げるだけでは、生徒の興味を引くことはできません。スライドを見ただけで授業の内容が理解できてしまっては意味がありません。

そこでおすすめするのが、スライドをシンプルに保つことです。例えば、写真だけ、あるいは単語だけを表示するなど、生徒に「これはどんな話が聞けるのだろう?」と想像させる余白を与えることで、授業への集中力が高まります。

 

 

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見やすく、聞きやすいスライド作成

次のコツは「見やすく・聞きやすい」パワーポイントを作成することです。

 

見やすさの工夫

教室が広い場合、最も後ろに座っている生徒にも文字や写真がはっきり見えるよう、文字サイズや画像サイズに注意を払う必要があります。
パソコン画面上で作っているだけでは気づきにくいため、実際にスクリーンに映して確認することが重要です。

また、時間帯によって日差しや教室内の明るさが変わるため、照明を調整したり、明るい色合いのデザインを選ぶといった工夫も有効です。

 

【配慮事項】学校での子どもの多様性(外国籍・聴覚過敏・LGBTなど)」で解説していますが、板書・パワーポイントを利用する際は、色覚特性の生徒がいるかいないかを確認する必要があります。

 

聞きやすさの工夫

音源をスライドに貼り付ける場合は、音量のバランスに配慮しましょう。

オンライン音源や編集した音源を使用する際、シーンによって音が大きすぎたり小さすぎたりすると、生徒の集中を妨げる原因になります。複数の音源を使用する場合は、それぞれの音量を事前に調整しておくことが大切です。

 

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参考文献の明記を習慣にする

3つ目のコツは「参考文献を必ず明記する」ことです。

パワーポイントを作る際には、さまざまな資料を使用することが多くなります。そのたびに出典やリンク先を記録しておくことで、次年度の資料改訂や一部再利用の際に、必要な情報にすぐアクセスできるようになります。

また、外部発表や研究授業の資料として使用する際にも、出典が明記されていれば、他者にとっても理解しやすくなります。著作権の観点からも、参考文献を明記することは極めて重要です。

最後のスライドを参考文献専用のページとして用意し、常に記載する習慣を身につけましょう。

 

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まとめ:削ぎ落としと余白が生徒の学びを深める

今回は、音楽授業でのパワーポイント作成における3つのコツをご紹介しました。情報を詰め込みすぎず、あえて削ぎ落とすことで、生徒に考える余地や、先生が語る余白を残すことがポイントです。

パワーポイントの使い方を工夫すれば、授業を大いに助ける強力なツールになります。ぜひ、自分に合ったスタイルを見つけて、より良い授業づくりに役立ててください。

 

音楽授業をより良くするためのヒントとして次の記事・動画も参考になると思います。是非ご覧ください!
音楽授業のワークシートの作り方」(動画はこちらから)
音楽授業の板書の書き方」(動画はこちらから)
音楽授業で板書とパワーポイントの使い分ける」(動画はこちらから)

 

この記事は動画「【音楽授業】不親切なスライドで生徒を引き込む!パワポ活用3つのコツ」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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