音楽教員歴10年の原口直です。
今や主流となりつつあるパワーポイント。
以前は黒板しかなくて、板書を使った話が多かったと思いますが、今では教室にスクリーンがあったり、プロジェクターがあったり、パソコンをつなげられたりして、パワーポイントを有効に使うという方法が出てきています。
どのように使ったらいいのか、パワーポイントの作り方のコツをお話しします。
パワポの作り方のコツ1:シンプルで不親切
これは他の動画「音楽授業におけるワークシートの作り方」で説明している、ワークシートの作り方の1つ目「不親切なワークシート」と同じです。
パワーポイントのいい点は情報量を多く、視覚的に紹介できることですが、それが裏目にならないようにしないといけません。良くないのは、教科書の文章や写真をそのまま載せること。パワーポイントに書いてある文字をただ読むこと。
パワーポイントを読んだら、とか、ワークシートを見たら、授業がわかってしまうというのでは、おもしろくありません。パワーポイントはシンプルに、たとえば写真だけ、単語だけにする。補足的に資料を見せる程度がいいと思います。
不親切なパワーポイントを作って、その画面をパッと見た時に「どんな話が聞けるんだろう」「どんな内容なんだろう」という考える余白を作ってあげると、生徒はパワーポイントに集中してくれると思います。
パワポの作り方のコツ2:見やすさ・聴きやすさを授業前に確認
パワーポイントには見やすさ(文字の情報)と、聴きやすさ(音楽の情報)を載せることができます。
授業前にチェックすること(見やすいパワポか)
まず見やすさについて。
教室が広い場合は、一番遠くの子もそのパワーポイントの一番小さい文字が見えるように、字の大きさや写真の大きさを工夫する必要があります。パソコンの画面上で作っているとなかなか気づけませんので、必ずスクリーンに映し出して、どのように見えるかということを授業の前に確認する必要があります。
それから、光の取り入れ方について、スクリーンの見え方が違ってきます。
たとえば、午前中と午後では日差しが変わったり、日当たりが変わったりして、スクリーンの見え方が変わってきてしまいます。その時に、照明を暗くする、明るい色で設定するなどの工夫が必要です。
授業前にチェックすること(聞きやすいパワポか)
次に音の情報について。
音量についてもきちんと調整をしておきましょう。オンラインで音源を貼ることもできますし、切り取った音源を貼ることもできます。その際には、他の音源と音量がきちんと調整されていないと、このシーンではものすごく音が大きい・このシーンでは聴こえないとなってしまいます。
複数の音源を貼った場合は、音源の調整をきちんとしておきましょう。
パワポの作り方のコツ3:参考文献
パワーポイントを作っていく上で、色々な資料を色々な場所から持ってくると思います。その際に持ってくるたびに、必ずそのリンク先や出典をパワーポイントの一番最後のスライドにどんどん貼りつけていくといいと思います。フォントや大きさの調整は最後にすればいいので、とにかく最後のページに参考文献をペタペタ貼っていってください。
なぜ参考文献を付けるといいかというと、後で改訂しやすいからです。
次年度にも同じ内容のものを使うとか、その内容の一部を次年度に使う場合は、今年バージョンの内容に改定することがあります。そういう時に、参考文献があると探すのが早いです。
また、その授業を外部で発表したり研究授業で使ったりする場合は、参考文献が貼ってあると非常にわかりやすいです。
それから、著作権のマナーとしても参考文献を最後に付けるというのは大事です。パワーポイントを作る時に、一番最後のスライドは参考文献。これをしっかりクセつけてほしいと思います。
まとめ:音楽授業におけるパワーポイントの作り方
どうしても情報量が多くなってしまうパワーポイント。なるべくそぎ落として、生徒に考える余力を与える、先生が話すという余白を作っておくというのが大事です。
しかし、パワーポイントの使い方をマスターすれば、これほど味方になる物はありません。ぜひ自分流のパワーポイントの作り方を見つけてみてください。
ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「音楽授業におけるパワーポイントの作り方」も是非ご覧ください。
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