教育実習の教材研究|「何を教えるか」を先に決める授業づくりの考え方

【教育実習生必見】指導教員が教える音楽の教材研究のやり方のコツ 音楽の教育実習のコツ
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教育実習で「授業をどう作ればいいか分からない」と悩んでいませんか?

この記事では、授業づくりの出発点となる教材研究の考え方について解説します。「何の教材を使うか」ではなく「何を教えたいか」を先に決めることが、実習の授業を大きく変えるポイントです。教材研究の量と質のバランスについても、具体的にお伝えします。

 

 

 

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教材は「道具」である

重要なのは、教材はあくまでも道具だということです。

「ベートーヴェンの運命教える」のではなく、「運命教える」という考え方があります。運命という作品を通して何を生徒に伝えるかを先に決め、その目的のために運命を使う、という順序です。

「運命で教えられることはたくさんあります。その中で何を教えるのかということを、自分の中でしっかりと軸を作っておくことが大切です」と私は動画の中で話しています。教材が先にあるのではなく、「教えたいこと」が先にある。この順序を意識するだけで、授業の組み立て方が変わってきます。

 

私は「運命」という教材を使って企業のCSR活動を教えていました。具体的な授業内容は「音楽のオンライン授業実践編《教材:交響曲第5番ハ短調(運命)》」の動画でもお話しています。

 

 

 

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同じ教材でも、授業はまったく違うものになる

ポイントは、教材が同じでも「教えたいこと」が違えば授業はまったく別物になるということです。

これを実感したエピソードがあります。3人の実習生に「勧進帳を教材に授業を作ってほしい」とお願いしたことがあるのですが、できあがった授業は三者三様で、まったく違う内容になりました。

教材は同じでも、それぞれが「何を教えたいか」を持っていたからこそ、異なる授業が生まれたのです。大切なのは、「この教材を使おう」ではなく、「これを教えたいから、この教材を使う」という順序で考えることです。

 

教科書以外の教材(副教材)の選び方・買う時に気をつけるべきことについては「音楽授業の副教材、どう選ぶ?4つのタイプと注意点を徹底解説」の動画で紹介しています。

 

 

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自由に教材を選ぶときこそ「何を教えるか」を先に決める

教育実習では、教材や題材を指定される授業だけでなく、「自由にやっていい」という授業もあります。そのとき、教材ありきで考え始めてしまいがちです。

しかし、自由だからこそ「何を伝えたいか、何を教えたいか」を最初に問いかけてみましょう。

では、何を基準に教材を選べばよいのでしょうか。答えは「自分の好きな曲・作曲家・時代・ジャンルから選ぶ」ことです。自分が語れるものを選んだほうが、授業に力が出ます。

ただし、一点だけ必ず押さえておくことがあります。それは、その教材が学習指導要領のどの部分に対応するかを、自分できちんと確認しておくことです。

好きなものを扱うと、つい自分の好みや言いたいことを伝えるだけで終わってしまいがちです。「自分の好きな曲を通して、これを伝えたい」という『これ』の部分が、学習指導要領のどこにあたるのかを確認しておくことが大切です。

 

新しい学習指導要領は小学校では2020年度から、中学校では2021年度から完全実施されています。現場レベルでどのようにしたらいいかということを「音楽教員のための新しい学習指導要領(3つの改訂ポイント解説)」の動画で解説しました。

 

 

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教材研究の進め方

今回は教材研究についてお話ししました。教材研究は100やっても授業で活かせるのは2か3程度と考えて大丈夫です。それくらいたくさん教材研究を行い、何が授業に適しているか何が中学生に向いているか中学1年生に向いているか中学3年生に向いているかなどを考えることが大切です。

教材研究を100行って3しか使わなかったとしても、残りの97は無駄ではありません。97があるからこそ、その3が選べたのです。教材研究は広く浅く、そして時には深く、ぜひ進めてみてください。

 

 

教材研究は「100やって3」でいい

教材研究は、100やっても授業で活かせるのは2〜3だと考えておいてよいです。

これは少なすぎるということではありません。それくらいの量の教材研究をして、「何が授業に良さそうか」「中学1年生に向きそうか」「中学3年生に向きそうか」を考えることに意味があります。

重要なのは、使わなかった97が無駄ではないということです。97があるからこそ、3が選び出せるのです。広く浅く、そして時には深く、教材研究を積み重ねていきましょう。

 

1時間の音楽の授業のためにどんな準備をすればいいのか?、どのくらい準備をすればいいのか?については「教員のための授業準備術【準備時間は?・時間を作り出す方法・効率的なやり方】」の動画で解説しています。

 

 

よくある質問

Q:好きな教材を選んでも、授業として成立しますか? A:好きな教材は「語れる」強みがあります。ただし、授業として成立させるためには、その教材が学習指導要領のどの部分に対応するかを事前に確認しておくことが大切です。「好き」と「指導のねらい」を両立させることで、説得力のある授業になります。

Q:教材研究にはどれくらい時間をかければよいですか? A:「100やって3しか使わない」という感覚で、広く浅く取り組むのが基本です。量を確保することで選択肢が広がり、「この授業にはこれが最適」という判断ができるようになります。特定の授業に向けて深く掘り下げる時間も大切ですが、まずは広く研究を積み重ねることを意識してみましょう。

Q:「教材で教える」と「教材を教える」の違いは何ですか? A:「教材を教える」は、その作品の知識や情報を伝えることを目的にしています。一方、「教材で教える」は、その作品を通して音楽の見方・感じ方・考え方を生徒に身につけさせることを目的にしています。授業のねらいを設定する際に、この違いを意識しておくと見出しの方向性が定まりやすくなります。


この記事の内容は動画「教材に振り回されていませんか?教育実習生のための教材研究の考え方」をもとに作成しました。

この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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