音楽の授業準備に一番時間をかけよう|時間確保・濃淡・超先取りの具体策

教員のための授業準備術【準備時間はどれくらい?・時間のねん出方法・効率的なやり方】 音楽の授業力アップ
音楽の授業力アップ
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みなさんこんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。現在は学校での教育研究の経験と未来につながる新しい学びについて情報発信しています。このウェブサイトでは、学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。

今日は「授業準備」についてお話しします。中学校の音楽の授業は、1年生は45時間、2年生・3年生は35時間、年間で合計115時間あります。この数の授業時間に対して、最も時間をかけたいのが授業準備です。

1時間の授業でどんな準備をすればよいのか、どのくらい準備をすればよいのか。この動画を見ることで、準備に必要なことがわかり、効率よく準備を進めることができます。また、働き方の整理や、今ある授業の見直しにつながる準備方法も紹介します。

この動画の他にも、教材研究の仕方や、実際に教材を使って授業を行っているオンライン授業「ブルタバ(モルダウ)」「春」「運命」に関する実践的な内容も発信していますので、ぜひ参考にしてください。

 

この他には以下の動画・記事もおすすめです。

【教育実習生必見】音楽の教材研究はこう進めよう!授業に活かす考え方とコツ
教育実習生向けの指定教材・自由教材の教材研究の方法を解説した動画ですが、現職教員の方にも参考になると思います。

 

 

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授業準備 1: 時間を先に確保する

授業準備はどうしても後回しになりがちで、他の校務を終えた後や余った時間に取り組むケースが多いのではないでしょうか。しかし、授業準備は全ての校務の中で最も時間をかけるべきものです。本来、最も優先されるべきことであり、できるだけ多くの時間を使いたいものです。

過去に公開した「【教員の働き方改革】残業時間を減らすための教員の1日の時間の使い方」という動画でも紹介しましたが、「やるべきことリスト」を作成し、頭を使う作業は午前中に行うのが効果的です。授業準備ではアイディア出しや、過去のデータから新しい授業を考察するなど、クリエイティブな頭を使う作業が求められます。こうした作業は午前中に行うのが望ましいです。

【教員の働き方改革】残業時間を減らすための教員の1日の時間の使い方
音楽教員歴10年の原口直です。ワークライフバランスや働き方改革といった言葉が近年出てきています。日本の小学校や中学校の先生は世界一労働時間が長いといったことも発表されるほど、ワークライフバランスや働き方については注目をされています。先生は働...

 

アイディア出しやネタ探し、教材探し、じっくり考える時間を確保する際には、他の業務や思いついたことに気を取られないようにしましょう。「今は授業準備の時間」と自分に言い聞かせ、優先順位を第一に考えましょう。

 

 

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授業準備 2: 濃淡をつける

年間の授業数は1年生で45コマ、2・3年生で35コマずつですが、すべての授業に同じ準備時間が必要なわけではありません。準備には濃淡があります。

準備に時間をあまりかけずに済むのは、自分の得意な領域や専攻の領域、毎年恒例の内容(例:合唱コンクール前の合唱)、前年にうまくいった授業などです。こうした内容は、大きく手を加えずに今年も同様に授業を行うことができます。

一方、時間をかけるべきなのは、自分の不得意な領域(例:創作)、新しい学習指導要領に載った内容、新しい教材を使う内容、前年にうまくいかなかった授業などです。授業の反省点や生徒のワークシート・評価を見ながら改善すべき点には特に時間をかけましょう。

音楽の授業で活用するワークシートを作るときの3つのポイントについて「音楽のワークシートの作り方」で紹介しています。

 

また、1年の中で最も準備に時間をかけるべきは研究授業や公開研究などです。私の場合、公開授業が6月にあったため、準備は前年度の2月から開始していました。内容の決定から、スケジュール作成、必要な人へのアプローチや助けを求める計画、誰に見てもらいたいかまで、さまざまな要素を考えながら進めました。

私の1年目の研究授業参観者は一人でしたが、戦略的に集客をしていく中で6年目の公開授業には50人以上の方に来ていただけました。「研究授業の企画・運営・アフターフォローの方法」の動画で、集客を増やすためのプロセスをお話しています。

 

授業準備にはこのような濃淡があって良いのです。経験を重ねることで、準備に時間をかけなくても良い内容が増え、その分新しい内容や重点を置きたい部分に時間を使えるようになります。自分の知識や技能、外部からの新しい試みとのバランス・濃淡を意識して見直してみましょう。

 

 

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授業準備 3: 「超先取り」を実践する

一つの授業を行うと、同じ内容の授業は1年後になります。しかし、1年後になると、授業時の反省や改善点を忘れがちです。そのまま同じ授業を繰り返して同じ反省をするのでは成長がありません。

そこで取り入れてほしいのが、「授業が終わったらすぐに来年度の指導案やワークシートを作成する」という方法です。ざっとでも構いませんし、難しければメモ書きでもOKです。必ず見返せるように、手書きのアナログメモではなく、来年度用のフォルダーを作成して、そこにワードなどでメモを保存しておきましょう。

PDCAサイクルの「C(チェック)」の部分はおろそかになりがちですが、授業後には必ずチェックを行い、次年度に生かすことが大切です。そして「C」から「A(アクション)」へとつなげるために、生徒のワークシートを評価する際には、生徒の評価だけでなく、自分の授業も評価しましょう。

うまく伝わっていなかった部分や、もっと良い表現があったと気づいた点は、生徒の反応から学ぶことができます。生徒のワークシートや反応を次年度の授業にしっかり生かしていきましょう。

 

 

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まとめ

今回は授業準備についてお話ししました。教材研究に関する書籍や論文はたくさんありますので、ぜひさまざまな資料に目を通してみてください。その中ですべてを取り入れようとせず、自分の知識や技能に合った教材研究の濃淡の付け方を試してみてください。

授業準備に一番時間をかけ、自分が納得できる授業準備をして授業に臨みましょう。

 

この記事は、動画「音楽授業準備のコツ|時間確保・濃淡・超先取りで効率UP!」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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