音楽教員歴10年の原口直です。
ほとんどの音楽の先生は音楽系の部活動の顧問に就くと思います。
音楽系の部活動は特に忙しかったり、伝統を重んじたり、そういったところで自分のコントロールしえないことで悩んだりすることがあります。始めが肝心です。
今日はどのような点に注意して部活動を持てばいいのか、その初めに気を付けたい部分を話したいと思います。
部活の負担を減らす工夫1:練習時間の方針をはっきり伝える
最初にすべきは練習内容・人間関係の明確化
土日に練習をおこなうのか。平日は朝練があるのか、何時まで練習するのか、何時間練習するのか。また、練習においてのパートや上下関係といった横や縦のつながり。それから、自分が部活動を見られない曜日はいつなのか。といった、練習の内容や人間関係について始めに明らかにしておくといいです。
部長や副部長といった部活を組織したり運営したりする生徒には特に具体的に伝えるといいと思います。
特に土日の練習についてはワークライフバランスをきちんと考えて、自分がこういうスタンスでおこなうということをきちんと始めに伝えておきましょう。
特に気をつけるべきは土日練習
今まではこうだということが踏襲されやすいのが土日の練習です。
先生たちにだってプライベートの時間が必要ですし、用事もあります。土日をどうするかは生徒に相談するのではなく「私はこうしたい」と始めに表明しておくといいと思います。
場合によっては、外部講師を呼びましょうとか、その時は代わりの人に来てもらいましょうとか必ず策はあります。自分で背負いこまなくていいんです。自分のスタンスを全員に始めに伝えるというのが大事です。
部活の負担を減らす工夫2:コンクールに出場する場合
コンクールに出場するなら事前に明確にすべきこと
合唱でも吹奏楽でも色々な時期に、様々な目的をもったコンクールがあります。
始めにそれを取捨選択しましょう。出る/出ないを年度の始めに計画しておくことです。
出ると決めた場合は、クリアすべきことをきちんと明確に自分の中で決めて、それを生徒にも共有しておく必要があります。
例えば、出席率を重視するということならば、年次初めに生徒に共有しましょう。全体の出席率なのか、個人の出席率なのか。こういったことも具体的に数字で示しておく必要があります。
納得する練習をして納得する演奏をしたいということならば、どのような点が納得するという点なのかこういったことも始めに共有する必要があります。生半可な気持ちでは出られないということもきちんと伝えましょう。
あとはメンバーの選出をどうするのか。
部員全員が出られる場合もあれば、選抜が必要なこともあります。少人数だからと言って出席率が悪い場合はその子をどうするのか、といったことも早めに先に言っておく必要があります。
コンクールに出場するなら学校・保護者の理解が必要な理由
それから、学校や保護者の理解がないと出られません。
それは、①お金②時間③手間がかかるからです。
コンクール出場にはお金がかかる
楽器を運搬するトラックや生徒のバス、交通費がかかります。参加費や楽譜費だけではありません。そういった援助を部費なのか、学校の助成金等なのかきちんと把握しておく必要があります。
コンクール出場には時間がかかる
生徒の拘束時間についてです。夏休み中にコンクールの予選や本選がある場合はそれまでにどれくらい練習をする、どれくらい生徒を拘束するのかを予めご理解いただく必要があります。
他の習い事があるとか、塾があるとかそういったことを優先する場合、出席率に響くとか、メンバー選出の響くとか。もし紐づけるのであれば、保護者への理解も必要です。
コンクール出場には手間がかかる
楽器を搬出搬入する際は、学校の協力も必要です。トラックがつくので門を開けてもらったり、その時に他の方に協力いただくという手間。それから遠征をする場合、保護者の方に引率や役員、会計をお願いする場合もあります。そういった手間もあります。
学校や保護者の理解、①お金②時間③手間。
これを理解した上でコンクールに出るということを生徒にも理解させる必要があります。
部活の負担を減らす工夫3:部活に対する学校・保護者の理解を得る
コンクールについては先ほど話した通りですが、部活動の全体を理解していただく必要があります。
例えば、学校に理解してもらうこと。
お金が必要であること、騒音などの苦情の窓口はいつも管理職です。そういった方々にも理解をいただく。朝練や放課後、土日など、それからコンクールの時期など。どういう時に音が出てしまうというのは、まず学校の理解が必要です。
それから、自分の部活動に対するスタンスを学校にも保護者の方にも理解していただくのが大事です。
「去年は土日毎週練習があったのに、今年はない」「お弁当を作っていただく」保護者の方にも理解をいただく必要があります。これも、年度の始めに自分のスタンスをきちんと理解していただくことが大事です。そして、それを共有することが大事です。
まとめ:音楽教員のための部活動の持ちかた(負担を減らすための工夫とは?)
私がいた学校は、前任者がガッツリ土日も夜も遅くまで練習する先生でしたが、私のスタンスは土日は休む。行事前だけ土曜におこなう。それも1ヶ月前に必ず告知をすると決めていました。なぜそのようにするかという理由も併せて説明しておきました。
私は合唱団に所属をしていて土日は練習が本番があるということを、あらかじめ伝えておきました。合唱団での成果も生徒に報告をして「こういうところでコンサートをした」「全国大会で優勝した」とか、先生自身も音楽に本気で取り組んでいるということを伝えれば、それについて反発する子はいません。
自分の音楽への姿勢をきちんと見せるということも日々の生徒の姿勢にも活きてくると思います。
前任者の部活運営方針を踏襲する必要はない
それから、前任者や前年度を必ずしも踏襲することはないということを、まず自分の中で理解をしましょう。
前任者と比べられることはもちろんあります。それは部活動でも、授業でも、担任でも何でもそうです。先生が変わったんだから、部活動は変わる。それで十分理解してくれます。
始めは反発があるかもしれません。しかし、どのように部活動や音楽に向き合っているのだということを話をすれば絶対に理解してくれますし、外部講師を呼ぶなど他のアイディアも必ず生まれます。
前任者や前年度にしばられず、こわがらず、変えていくという姿勢を強行ではなく「理解していただく」という姿勢で進めていきましょう。
ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「音楽教員のための部活動の持ちかた(負担を減らすための工夫とは?)」も是非ご覧ください。
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