【新しい学習指導要領の●●教育】新たな取り組み・これから重視されること

【新しい学習指導要領】新たな取り組み・これから重視されること 一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
本サイトはアフィリエイトプログラム等による収益を得ています
PR

皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。

現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。

 

今日は「○○教育」についてお話しします。
プログラミング教育・外国語教育…教育用語としてだけでなく、一般的な会話や報道でも使われることのある「○○教育」。実はたくさんの種類があります。

2020年度から小中高と段階的に移行している学習指導要領。広く普及させるために、教育関係者でなくても読みやすいリーフレットが作成されています。

「子供たちの学びはどう進化するの?」というページには「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」「カリキュラムマネジメント」に加え「新たに取り組むこと、これからも重視することは?」という項目があります。そこには、たくさんの「○○教育」があります。

 

 

今日はリーフレットに書かれている「○○教育」を1つずつ紹介したいと思います。興味を持ったものがあれば、ぜひ深く調べてみてください。

 

この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。

▶新しい学習指導要領の特徴を知りたいという方
▶「○○教育」の種類や内容を知りたいという方
▶子どもが何を学んでいるのか・学ぼうとしているのか興味があるという方

 

この動画の他には

【あなたは学習指導要領 第●世代?】親と子供/上司と部下の「学習指導要領の世代ギャップ」
10年に1度改訂される学習指導要領。第○世代の内容かによって、学ばせ方・学び方の違いを考えてみるという動画があります。
【音楽の新学習指導要領】音楽教員のための3つの改訂ポイント解説
音楽科の3つの新しいキーワード「生活や社会」「口唱歌」「知的財産権」について解説した動画があります。

 

全部で14の○○教育がありますので、ポイントを一気に紹介します。

 

 

PR

プログラミング教育

「コンピュータがプログラムによって動き、社会で活用されていることを体験し、学習します。」とリーフレットには書いてあります。

 

 

「プログラミングを学校で習う」というのはちょっと勘違いで、プログラミングが教科になるわけではなく主体的・対話的で深い学びを実現するための情報活用能力を育成する手段として、プログラミングで論理的思考力を身に付けるとしています。

 

1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
⑶ 第2の2の⑴に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用
を図ること。
あわせて,各教科等の特質に応じて,次の学習活動を計画的に実施するこ
と。
ア 児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動
イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動

 

 

PR

外国語教育

「「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の力を総合的に育みます。」とあります。

「外国語」という教科があるのは小学校5・6年生。
「外国語活動」があるのは小学校3・4年生です。それぞれ見ていきます。

 

外国語(小学校5・6年生)

「外国語」は教科です。
標準授業時数では教科としての「外国語」が小学校5・6年生にあり、それぞれ年間70コマ・週に2コマです。音楽・図工・家庭は各50~60コマなので、それよりも多いです。

 

第1 目標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
⑴ 外国語の音声や文字,語彙,表現,文構造,言語の働きなどについて,日本語と外国語との違いに気付き,これらの知識を理解するとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付ける
ようにする。
⑵ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。
⑶ 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

 

外国語活動(小学校3・4年生)

「外国語活動」で教科の外で道徳・総合・特別活動と同じカテゴリーです。
教科ではなく「外国語活動の授業時数」として、それぞれ年間35コマ・週に1コマです。
目標も5・6年生よりは緩やかです。

 

第1 目標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
⑴ 外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
⑵ 身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。
⑶ 外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

 

 

PR

道徳教育

「自分ごととして「考え、議論する」授業などを通じて道徳性を育みます。」とあります。

「特別の教科 道徳」が年間35コマ・週1コマ設定されています。教科になったことで評価が伴い、その考え方や方法は移行期間に研究や議論がされました。書籍も多く出ています。
4つの視点と22の項目があります。4つの視点はアルファベットA~D。それぞれに項目が割り振られています。

 

親が子供に対して経済事情・親の仕事・家族形態を説明してほしい理由」の動画でも触れている通り、道徳は家庭の話題にもなる科目でしょう。

 

 

PR

言語能力の育成

「国語を要として全ての教科等で子どもたちの言葉の力を育みます。」とあります。
言語活動は前の学習指導要領からキーワードになっている言葉です。重要である理由として、学習の基盤となる資質・能力を育成するための力の1つとされています。

 

2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成
⑴ 各学校においては,児童の発達の段階を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。

 

 

理数教育

「観察、実験などによる科学的に探究する学習活動や、データを分析し、課題を解決するための統計教育を充実します。」とあります。

「探究」は高校に新しく入る活動です。
「統計教育」について、総務省統計局には統計教育の授業モデルや補助教材が用意されています。統計教育が必要とされた背景として、「近年のデータサイエンスの進展や、いろいろな場面でデータに基づいた意思決定が重視されるようになったことがあげられる」と書いてあります。

 

私が主宰しているサポートプロジェクトの中で、音楽科でできる「探求」について話し合いました。「音楽教育サポートPJ【夏】:教育実習生・教員初任者からの質問と回答を紹介(オンライン面談・チャット)」の動画でお話しています。

 

 

伝統や文化に関する教育

「我が国や郷土が育んできた日本の伝統や文化を学びます。」とあります。

学習指導要領の骨子となる総則にはもちろんこの言葉が載っています。
中学校の教科ごとに「伝統」という言葉が何回出てくるかを見ると、国語1回・社会4回・音楽8回・美術2回・保健体育5回・技術家庭5回・外国語1回、そして特別の教科 道徳にも1回出てきます。

音楽科では伝統音楽に触れるのはもちろんのこと、伝統的な歌唱として民謡や長唄といったものや和楽器が出てきます。

 

日本の伝統的な音楽を伝えるのに便利な「口唱歌」について「【音楽の新学習指導要領】口唱歌の解説と授業実践例」の動画で紹介しています。

 

 

主権者教育

「社会の中で自立し、他者と連携・協働して社会に参画する力を育みます。」とあります。

総務省の「主権者教育の取組状況等」というページでは、「現代に求められる新しい主権者像として、「国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者」が掲げられています。具体策として、「社会参加の促進」や「政治的リテラシーの向上」が求められ」ると書いてあります。

 

 

 

消費者教育

「自立した消費者を育むため、契約の重要性や消費者の権利と責任などについて学習します。」とあります。
中学校の学習指導要領の中で「消費者」という言葉が出てくるのは、社会科で「消費者の保護」、理科で「生態系における生産者と消費者の関係」とありました。

特に消費者や消費について書かれているのは技術・家庭科の家庭分野「消費生活・環境」の中で、

(1)金銭の管理と購入
(2)消費者の権利と責任
(3)消費生活・環境についての課題の実践

とありました。

 

ここまでの○○活動は学習指導要領リーフレットに説明文があったものです。他には「下記のほかに」として、さらに6つありました。ざっと紹介します。

 

 

体験活動

令和4年度の文部科学省予算には「体験活動等を通じた青少年自立支援プロジェクト」が計上されていました。
子どもの心身の健全な発達のために、自然体験活動等を行うということです。

 

 

キャリア教育

進路指導と併せて使うことがあります。

定義は

一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育
(中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」(平成 23 年1月 31 日))

で、進路指導は中学なら高校。高校なら大学や専門学校、就職といった一つ先の進む場所の指導を指すことが多いですが、キャリア教育はさらに広く先を見すえています。

 

生徒だけでなく大人である教員もキャリアについて考えて欲しいと思っています。「【教員こそ考えてほしい】キャリアパスポートとは?」の動画では、子供たちが書くキャリアパスポートを私が書いてみました。

 

 

起業に関する教育

学習指導要領では中学校社会科に「起業について触れる」とあります。

令和4年度文部科学省予算では「起業」について、地域活性化人材育成事業や科学技術イノベーションの人材育成やシステム構築の中で出てきました。起業家的な精神と資質・能力を育む教育として「アントレプレナー教育」「アントレプレナーシップ教育」「起業家教育」と呼ばれています。実践もあるようです。調べてみてください。

 

 

金融教育

「金融」という単語はこちらも中学校社会科に出てきており「現代の生産や金融などの仕組みや働きを理解すること。」とあります。

注目されているのは高校です。公民ではもちろん、家庭科では授業の中で給与明細を教材に使ったり、住宅ローンといったライフイベントに備えた教育を想定しているようです。

 

教員のお金の管理・使い方・貯め方についての私の考えを「教員が最低限身につけるべきお金の知識~貯金・保険・投資~」の動画でお話しています。

 

 

防災・安全教育

こちらも学習指導要領では社会科に出てます。
防災については、教科だけでなく日ごろの避難訓練や防災教育・安全教育が必要なことは明らかです。予算案の中では防災・減災が公立私立学校、大学、高専の施設整備の項目に出てきます。

 

 

国土に関する教育

「国土」という言葉はやはり社会科の中には何度も出てきます。
国土に関する教育という言葉では、あまり情報がありませんでした。

 

 

最後に:著作権教育・知財創造教育はどこにある?

そして最後に「など」とありました。

『など』??

「著作権教育」「知財創造教育」はどこにいったのでしょうか。私が最も力を入れている知的財産権・著作権に関する教育はリーフレットには入っていませんでした。もちろん、学習指導要領には「知的財産権」は載っています。

 

「著作権」は、学習指導要領の中では「どの学年」の「どの教科」で触れられているのでしょうか。「【教員のための著作権解説】学習指導要領の中での著作権の扱い」で紹介しています。

 

○○教育は他にもまだまだたくさんあるのです。様々な分野の専門家や研究者が、その必要性を訴えながら、いずれも子どもたちに伝えたい、子どものころから考えて欲しい、子どもたちにも知って欲しいという気持ちをもって行動しています。

それぞれの○○教育に優先順位があるわけではありませんし、どれも必要であることは間違いありません。しかし、私欲ばかりでは学校教育がパンクしてしまいます。

学習指導要領を軸に、地域や発達段階、子どもたちに合った「○○教育」を考えてみてください。

 

ウェブサイトの記事の内容は動画と同じです。
動画「【新しい学習指導要領の●●教育】新たな取り組み・これから重視されること」も是非ご覧ください。

ネットや本の情報・専門家への問い合わせでは解決しないことありませんか?
公立・国立の学校現場を知っている経験を生かして、机上の理論と学校現場の皆さんとをつなぎます。現実的に学校での対応が可能な施策を一緒に考えましょう。

▶研修のご依頼・ご相談はこちらの問い合わせページから受け付けています。
▶その他のご相談・ご質問はこちらの問い合わせページから受け付けています。

この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

原口直をフォローする
PR

コメント