音楽教員歴10年の原口直です。
音楽大学に通っている方は将来ピアノの先生や演奏家になりたい人が多いと思います。そういった人が教育実習に行く場合、どういった点に気をつけたらいいか話します。
教員志望であるかどうかは関係なし!
もちろん、教員になってくれればうれしいですが、すぐに教員になれないこと、全員が教員になれないこともわかっていますので、教員志望であるかは実際そんなに気にしなくてもいいと思います。
例えば、教員志望であっても都道府県によっては中学高校の採用がなく、なりたくてもなれないという現状があることを知っていますし、まだ決められない人もそれでいいと思います。
教育実習を通して教員になりたいという感情が芽生えるかもしれませんし、逆に向いてないと思うかもしれません。そのきっかけが教育実習であってもいいと思います。それから、企業や大学院に行った後に教員になる人も今は珍しくありません。教員志望であるかどうかは悲観的にならず、気にせずに教育実習に取り組んでほしいと思います。
■【教育実習生のための実践的マナーの紹介】指導教諭が教える学校でのあいさつ・コミュニケーション・帰り方
■教員のための生徒の名前の覚え方
■生徒への言葉かけで教員が気を付けたいこと(生徒へのNGワードとは?)
いずれにしても、教育実習期間は目の前のことを一生懸命やる。これは変わらないことですので、これは気をつけてほしいことです。
実習前に学習指導要領を読む
普段、音楽大学にいると教育のことをあまり考えないかもしれません。教育の理論や周りに教員志望の友人が少なかったりすると、あまり教育の話題に触れないかもしれません。なので、教育実習に行く前は教育のことをしっかり知ってから、学校に行って欲しいものです。
例えば、学習指導要領を読む。これは1つの例です。他には、音楽教育に関する教科書をきちんと読んでおくとか、中学校や高校の生徒が使う教科書を読んでみる。こういったことも大事です。また、中学校高校に実習に行くにしても、小学校でどのようなことを学んで中学校高校に上がってくるかを知っておくのも大事ですので、小中あわせて学習指導要領を読んでおくといいと思います。
学習指導要領は文部科学省のホームページからいつでも見られますし、解説や新旧の対照表なども載っていますので、ぜひそちらも活用してください。
音楽家と音楽科は全く異なるもの
同じ「オンガクカ」という言葉ですが、音楽家と音楽科は1文字違いですが大違いです。
普段、音大にいる時には音楽家として自分を向上させたり、指導されたりしていると思います。
音楽家というのは、声楽で言うと「歌っている子どもを、うまくする」のが音楽家という考え方です。しかし、音楽科は「歌っていない子ども・歌うのが嫌な子どもを、歌わせる」のが音楽科の役割です。
「歌わない子を歌わせる」
これは大きな違いです。ここを履き違えてしまうと、指導方法や授業の内容がまったく違うものになってしまうので「音楽科」を求められていることを肝に銘じてください。
まとめ:【教員を目指す人へ】音楽大学で学ぶ教育実習生へ送るアドバイス
教育実習に行った先の学校では、その大学生がどんな大学であるかは、生徒には全く関係がありません。全員が音楽科の実習生となるわけです。
自分が教員志望であろうがなかろうが音楽の先生として見られますので、自覚をもって教育実習に取り組んでください。
動画「【教員を目指す人へ】音楽大学で学ぶ教育実習生へ送るアドバイス」も是非ご覧ください。
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