音楽教員歴10年の原口直です。
音楽の先生は苦手・嫌いを考えづらいです。なぜなら、音楽の先生は音楽が好きで、音楽が得意だから教員になろうと思ったはずです。
苦手・嫌いにはどのような理由があるのか、対処をすればいいかを話します。
生徒が音楽が苦手・嫌いとなる原因
もし歌唱の授業の場合、その子が「歌わない」には理由が必ずあります。
私たちが歌える理由をきちんと考えて、それの裏返しを考える必要があります。例えば、楽譜の仕組みがわからないとか、そういう気分でないとか、体の動かし方や技術がない、こういった理由が考えられます。他にも失敗や恥ずかしさ、声変わり、授業者との信頼関係もあります。
「歌わない」には色々な理由が考えられます。
詳しくは「中学校の音楽の授業とは」第3回で話していますので、ぜひご覧ください。
音楽が苦手・嫌いな生徒への対処
絶対にやってはいけないのは、プライドを傷つけることです。
その子たちが歌わない理由、歌えない理由をしっかり考えてあげて、その子の人格を絶対に否定しないということです。歌わないことでその子のことを嫌いになる、とか、歌わないことでその子の人格すべてを否定するのは絶対にダメです。
なぜ歌わないのかを考えてあげるとその子が見えてきますし、他の分野だったらできるのであれば、そこを褒めてあげればいいです。
音楽が苦手・嫌いな生徒への考え方
音楽科教員の考え方です。歌わない子や苦手・嫌いという子に対して、広い目・長い目で見ましょう。
広い目とは、その子が音楽の何が嫌いでできないのかを見極めてあげる。
その子は歌うことが苦手なだけかもしれません。それも人前で歌うのが苦手なのかもしれませんし、1人が苦手なのかもしれません。それ以外の音楽の活動は好きかもしれません。もっと広い目で言うと音楽以外のことはできるのかもしれません。
長い目とは、その時は歌わなかったとしても、次回歌うかもしれない、その次は歌うかもしれない。
もしかしたら、1年後、5年後、10年後に音楽を好きになってくれるかもしれない。こういうことを長い目で見てあげることです。その時間、その時、その場だけで判断しないというのが大事です。
それから、こちらの考え方としては「歌えない」「歌わない」と言った時に、自分の指導方法を見直すのも大事です。そういった雰囲気にしていないか、雰囲気を作り出すような発言をしていないかなど自分の指導方法を見直す、そのきっかけをくれたんだと思えばいいのです。
クラス35人いたら、35人全員が音楽を心の底から好きだということはあり得ません。現に先生たちだって自分が学生の時、苦手な教科があったはずです。大きな心をもって、音楽が苦手・嫌いと言ってその子を否定しないようにしましょう。
まとめ:音楽の授業が苦手・嫌いな生徒への対応
自分が苦手だったもの…私は数学が苦手でしたが大人になってからおもしろさや重要性がわかりました。そして苦手が分かれば、自分の得意もわかります。そして、そちらに進路を進めていけばいいのです。
クラス全員が音楽が好きだと言わなくても、自分が悪いわけではないですので、自分を責めず、その子を責めず、音楽の授業の在り方について考えていきましょう。
ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「音楽の授業が苦手・嫌いな生徒への対応」も是非ご覧ください。
コメント
こう言う考え方の先生に習いたかったですね。私が習った先生は嫌な人ばかりでした。何も分からないまま、指揮して下さいと言われ適当に振ったら、鼻で笑われました。今でもそいつの顔は忘れません。