音楽教員歴10年の原口直です。
文化祭や合唱コンクール。運営の主はもちろん音楽科教員です。音楽科がそのコンクールの全てを決めるのと同時に、音楽の指導をしていかなければなりません。
どのようなことに気をつければいいか、3つお話しします。
マルチタスクを意識したスケジュール管理の徹底
文化祭の中の一つとして合唱コンクールがある場合、その合唱コンクールだけに集中してはいけません。
もちろん通常授業もあります。学級運営もあります。それから、その時期に教育実習生がいる場合は指導もあります。そして、行事の運営リーダーとして動くこと。そして授業者・音楽科教員として合唱の指導をすること。そして文化祭で合唱以外…例えば合唱部や吹奏楽部が演奏する場合はそちらのケアもしなければなりません。
文化祭・合唱コンクールの中で、自分がどれくらい忙しくなりそうか?あらかじめ目星をつけておく。何足のワラジを履くのかを気をつけておくのがいいと思います。
1年目の行事運営は「郷に入らば郷に従え」の気持ちで
学校を異動した場合、その学校にはその学校の合唱コンクール・文化祭の運営方法があります。学校は文化そのものです。こちらの学校の常識が隣の学校では非常識かもしれません。その逆もあります。まったく違う運営方法や基準があります。
自分が入った時に、まず1年目はその学校や周りの先生の言うことを踏襲するのが一番いいと思います。自分のやり方や自分のやりたいことは2年目から。これは私が初任の時に習ったことです。
「違うな」「違和感があるな」と思うことがあるかもしれません。また、「自分がリーダーなのにな」と思うこともあるかもしれませんが、まずはその学校の文化を受け入れる。そして、自分なりに来年はここは変えようということ考えておく。これが大事です。
音楽教員として全クラス公平に接する(例外は2つ)
全クラス公平に。しかし、自分のクラスは敢えて放置。
全クラスを自分が授業している場合は、音楽科が関わる時間や回数・方法などもすべてのクラスに公平に行う必要があります。
そうでないと「贔屓だ」「あのクラスだけずるい」となってしまったり、特に賞=金賞や1位を決めるコンクール形式の場合は後々響いたりして、とても良くないです。
学年や学級によって差をつけずに公平に接する。公平に指導することが大事です。
例外1:指揮者・伴奏者の指導
例外として、指揮者や伴奏者の指導は徹底的にやってあげるといいです。こういった個人のフォローは公平ではなく、技術や能力別にしてあげましょう。
例外2:自分が担任を持つクラスの指導をどうする?
もう一つの例外は「自分のクラスは敢えて放置」ということです。
「音楽教員が学級担任を持つ際の3つのポイント」という記事を他に作っています。音楽科が担任のクラスは嫌でも金賞や1位を獲らなければいけないですし、獲って当たり前と思われています。
本当は一番手をかけてあげたい!金賞を獲らせてあげたい!という気持ちはありますが、ここで手をかけてあげてしまうと、もし金賞や1位を獲った場合に後で苦しむのは生徒本人です。
4月からの学級経営の中で、
「あなたたちは金賞・1位を獲らなければならないのだ」とずっとずっと言って、かつ
「文化祭の準備期間中は私は指導してあげられないのだ」とずっとずっと言って、
4月からその意識をすりこんでおく、リーダーを育てておくのが大事です。
全クラス、全学年公平に。しかし、自分のクラスは放置。これが鉄則です。
まとめ:教員のための学校行事運営の3つのコツ(合唱コンクール・合唱祭・文化祭)
音楽科の教員がもっとも力を試されるとき、逆に言うともっともパワーを発揮できるのがこの合唱コンクールです。色々な生徒や先生に頼りにされますし、行事が終わった時にもっとも達成感が感じられるのも音楽科です。
つらいこともあるかもしれませんが、全クラス全学年、そして全先生が合唱にこんなにも力を入れてくれているというのは、とても幸せなことだと思って運営をしっかりしていきましょう。
ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「教員のための学校行事運営の3つのコツ(合唱コンクール・合唱祭・文化祭)」も是非ご覧ください。
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