【音楽の新学習指導要領】アクティブラーニングとは?音楽の授業実践例の紹介

【音楽の新学習指導要領】アクティブラーニングとは?音楽の授業実践例の紹介 一歩先ゆく音楽教育(授業編)
一歩先ゆく音楽教育(授業編)
本サイトはアフィリエイトプログラム等による収益を得ています
PR

皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。

現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。

 

2021年度から中学校で始まった新学習指導要領。ここによく出てくる言葉に「アクティブ・ラーニング」があります。「主体的・対話的で深い学び」という風に説明されていますが、実際にどのようにすればいいのかを話します。実際に私の実践も話します。

 

この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。

▶よく聞くアクティブ・ラーニングの言葉の意味を知りたいという方
▶実際に中学校や音楽科ではどのように取り入れるかを知りたいという方

 

他には

【音楽の新学習指導要領】音楽教員のための3つの改訂ポイント解説
新しく入った言葉「生活や社会」「口唱歌」「知的財産権」この3つについて話をしています。

 

【音楽の新学習指導要領】『音楽を形づくっている要素』の指導に使える教材
安室奈美恵さん、ショパン、ディズニー。これらで教えられる要素の言葉、どのような要素の言葉をこの曲で解説できるかを説明しています。

 

 

PR

アクティブラーニングの定義

文部科学省などが定義しているアクティブ・ラーニングとは、どのような学習かと言うと、

・自ら進んで学ぶ
・周りと協力し合う
・新しい課題に気づき解決する

 

 

 

PR

アクティブラーニングの種類

「アクティブ・ラーニング」の手法として、様々な種類があります。ここでは一部を紹介します。

PBL(Project Based Learning)

ポイントは以下の通りです。

①テーマ
②解決
③話し合い(何を調べるか)
④自主学習
⑤知識を問題に適用
⑥学習を要約

 

探求

ポイントは以下の通りです。

①自ら問いや課題を見つける
②情報収集・整理・分析
③独自の答え

 

ジグソー法

ポイントは以下の通りです。

①グループ(同じテーマ)
②グループ(違うテーマ)
③グループ(同じテーマ)

始めに同じテーマを調べるグループを作ったあと、グループを分解して別テーマのグループ作って、また最後に同じテーマを調べたグループで集まるという、ジグソーパズルのように考える方法です。

 

反転授業

ポイントは以下の通りです。

従来は:
学校でインプット:授業
家でアウトプット:宿題反転授業では:
家でインプット:授業動画
学校でアウトプット:議論等

家であらかじめ授業の内容(教科書など)を学習して、学校では知識を持ったうえでアウトプット(話し合いやプレゼンテーションをする)というのが反転授業です。

 

他にも、グループディスカッション・ディベート・グループワークなどがアクティブ・ラーニングの方法として書かれています。

これまでの授業の中で先生がしゃべっていることを聞きノートに書き写すという学習ではない、アクティブな学び方。こういった手法が様々にあります。他にもありますので、ぜひ調べてみてください。

 

プログラミング教育・外国語教育…教育用語としてだけでなく、一般的な会話や報道でも使われることのある「○○教育」。実はたくさんの種類があります。「【新しい学習指導要領の●●教育】新たな取り組み・これから重視されること」で全て紹介しました。

 

 

PR

中学校音楽科でのアクティブラーニングの実践紹介

中学校音楽科での実践です。私の経験から、アクティブ・ラーニングの手法を取り入れた授業について報告します。

実践例1 ジグソー法:文楽の授業

教科書の内容を全員で周知した後に、それぞれ深く知ってもらうためにグループ分けをします。それぞれのグループに人形/歴史/演目/職業/新たな取組について調べさせます。次に班を解体して、それぞれのエキスパートとして班の中にそれぞれの担当者を配置して話し合います。

こうすることで自分が調べるだけでなく、人に説明しなければいけないので理解が深まったり、また始めの班では自分と同じテーマを調べる人が周りにいるため知識を共有し合ったりできます。

 

文楽の授業では図書室の司書の先生にもサポートいただきました。「【学校を支える人】教員のための学校図書室・司書教諭活用のススメ」で学校図書室の使い方を紹介しています。

 

実践例2 グループディスカッション:交響曲第5番ハ短調の授業

なぜコンサートホールをサントリーが持つのか?、なぜオーケストラを読売が持つのか?、について考えさせて、グループディスカッションしたり、意見交換させたり、発表させたりしました。

 

交響曲第5番ハ短調を題材にした授業の流れについては、「音楽のオンライン授業実践編《教材:交響曲第5番ハ短調(運命)》」の動画で少し詳しくお話しています。

 

(注意)アクティブラーニングに見えがちな音楽の授業ですが…

音楽の領域だと、歌唱・器楽・創作は生徒たちが活動しているのでアクティブ・ラーニングをしてるように見えがちです。しかし、よくよくきちんと見る必要があります

例えば歌唱。歌うことそのものはアクティブ・ラーニングのように見えますが、歌えるようになるために「ただ真似をする、ただ反復する、ただ指示に従う」ではアクティブ・ラーニングではありません。自分で考えたり、パートやグループで考えて意見を出し合ったりという一歩踏み込んだアクティブがないといけないと思います。

他の器楽や創作についても、ただ行うだけでなく、自分たちで話し合う・考える・見つけるといった活動が必要になってくるので、音楽が『一見アクティブ・ラーニング』にならないようにきちんと中身を見てみましょう

 

 

PR

まとめ:【音楽の新学習指導要領】アクティブラーニングとは?音楽の授業実践例の紹介

新学習指導要領の中でとても大切な位置づけとなっています。

音楽では特に『一見アクティブ・ラーニング』に見えがちなので、きちんと授業を振り返って、生徒たちに考えさせる時間を作っているか、課題を見つける時間を作っているか、発表し合う時間を作っているか、など考えてみましょう。

 

YouTubeチャンネルの再生リスト「知っておきたい教育用語」では、教員・実習生なら知っておきたい教育用語を簡単に解説しています。

 

記事の内容は動画と同じです。
動画「【音楽の新学習指導要領】アクティブラーニングとは?音楽の授業実践例の紹介」も是非ご覧ください。

ネットや本の情報・専門家への問い合わせでは解決しないことありませんか?
公立・国立の学校現場を知っている経験を生かして、机上の理論と学校現場の皆さんとをつなぎます。現実的に学校での対応が可能な施策を一緒に考えましょう。

▶研修のご依頼・ご相談はこちらの問い合わせページから受け付けています。
▶その他のご相談・ご質問はこちらの問い合わせページから受け付けています。

この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

原口直をフォローする
PR

コメント