新任・若手音楽教員は要チェック!入学式で失敗しないための準備リスト

音楽教員のための入学式準備(服装・ピアノ・曲の準備、大丈夫?) 行事と服装
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新年度の始まりを告げる入学式。言うまでもなく、学校の顔となる大切な式典です。入学生、在校生、保護者、来賓、そして先生方と、学校の規模によっては500人から1000人もの人々が会場に集います。これは、音楽教員にとってコンサートホールでの本番とさほど変わらない状況と言えるでしょう。

この記事では、音楽教員の経験をもとに、入学式で音楽教員が担当する役割を万全にこなすための準備と心構えについて、具体的にお伝えします。この記事で紹介するポイントを押さえて、自信を持って当日を迎えられるよう、早めに準備を進めていきましょう。

 

 

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学校の魂「校歌」の準備

入学式の準備で最も大事なことの一つが校歌です。校歌はその学校にとって非常に大切な音楽であり、歌詞の内容や曲調もその学校に合わせて作られています。まずは、その音楽を深く理解することから始めましょう。

 

誰が歌うのか、指導時間はどれくらいか

卒業式とは異なり、入学式では入学生が校歌を歌わない場合もあります。

  • 在校生が歌うのか?
  • ブラスバンド部などが演奏するのか?

誰が校歌を披露するのかを事前に把握し、その指導にどれくらいの時間を割けるのかを確認しておくことが大切です。

 

校歌に込められた想いを大切に

来賓や保護者の中には、その学校の卒業生も多くいらっしゃいます。つまり、校歌を知っており、特別な思い入れがある方々も少なくありません。その想いを胸に、校歌を大切に歌い、演奏するよう心がけてください。

 

式典のため・行事のためでなく音楽的にきちんと校歌を指導するためのポイントについては「校歌指導の極意|「心に届く歌」を育てる3つの視点【音楽教員向け】」で解説しました。

 

 

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場面を彩る「校歌以外の音楽」

入学式では、新入生の入場や退場などで使われる音楽も重要です。これらの音楽をどのように準備するのか、事前に必ず確認が必要です。

  • CD音源を使用するのか?
  • ブラスバンド部などが演奏するのか?
  • 音楽科の教員が選曲するのか?

最も重要なのは、「昨年はどうであったか」を確認することです。副校長先生や教頭先生、周りの先生方に尋ねてみましょう。また、できれば新1年生の担任の先生に意向を聞いておくと、より良い式典の演出につながります。学校ごとに慣習は異なりますので、必ず確認し、必要な準備を進めましょう。

 

儀式的行事に必ずある《君が代》。《君が代》という歌唱教材との関わり方・扱い方を「【音楽科教員向け】「君が代」指導の基本と教材研究のポイントをわかりやすく解説!」でお話ししました。音楽科が特に関わりのあることですので、ぜひご覧ください。

 

 

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音の響きを左右する「会場の把握」

入学式は体育館で行われることが多いですが、会場の環境は学校によって様々です。

  • 体育館の広さ(天井の高さ、奥行きなど)
  • 舞台の有無
  • 階段やピアノの位置

これらの要素を事前に把握しておきましょう。さらに、当日は多くの人が会場に入り、紅白幕などが下げられることもあります。それによって音の響きがどのように変わるかを想像し、本番の演奏を最高の状態で届けられるよう会場を把握することが大切です。

 

 

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演奏の要「ピアノ」の確認

体育館に備え付けのグランドピアノがある学校もあれば、電子ピアノを使用する学校もあります。どちらを使用するにしても、設置場所の確認は不可欠です。

  • グランドピアノの場合: 舞台の上か、舞台の下か。
  • 電子ピアノの場合: 舞台の前か、体育館の中央か。

特に電子ピアノは、機種によって音質、音量、タッチ、ペダルの感触が全く異なり、本番での演奏の質を大きく左右します。必ず本番で使う電子ピアノを、できれば本番と同じ位置に置いて練習する機会を設けましょう。

 

学校における調律師というのは普段のイメージとは少し役割が違います。「【音楽教員の仕事術】調律師との連携が劇的に変わる3つの準備|ピアノの性能を最大限に引き出す方法」の動画で、学校の調律師の役割を紹介しました。

 

 

主役を引き立てる「服装・身だしなみ」

入学式の主役は、もちろん新1年生です。音楽教員の服装は、1年生の先生方よりも華美にならないよう配慮することが大切です。

 

服装選びのポイント

リクルートスーツのような事務的な服装は避け、式典にふさわしい少し華やかなスーツを選ぶと良いでしょう。黒の礼服のワンピースの上に、ラメの入ったジャケットを羽織るといったスタイルも一例です。 当日の状況に合わせて調整できるよう、

  • 取り外しのできるコサージュ
  • 着脱が簡単なアクセサリー などを活用するのがおすすめです。学校の慣習に合わせて変更できるよう、代わりのジャケットやアクセサリーなど、バリエーションのきくものを準備しておくと安心です。

 

靴選びも抜かりなく

服装に合うかはもちろん、移動時に不快な音がしないか、舞台の上り下りがある場合は歩行に支障がないかも大事な要素です。演奏以外のことで余計な気を使わなくて済むよう、靴まで含めて万全に用意しておきましょう。

 

教員のための服・靴・メイクのポイント(音楽教員が注意したい点も含めて)は「音楽の先生におすすめの服装・靴・メイクの選び方–保護者対応から授業まで役立つ実践法」という動画の中でお話しました。

 

 

当日の心構えと最終チェック

練習時間は確保できない前提で

当日の朝、早く学校へ行って体育館で練習したいと思うかもしれませんが、一人で練習する時間はなかなか取れないと考えておきましょう。代表生徒の言葉の練習や、お花屋さんの準備、校長先生や教頭先生の出入りなど、会場は常に慌ただしく動いています。

 

気温対策を万全に

外は暖かくても、体育館の中は冷え込んでいることがよくあります。暑くなる可能性も考慮し、ホッカイロや腹巻など、自分で体温調整ができるものを準備しておくと安心です。

 

写真撮影を意識したメイク

当日の朝は忙しいものですが、入学式はたくさん写真や動画を撮られる機会でもあります。主役ではありませんが、写真屋さんや保護者の方々のカメラが向けられることも。しっかりメイクをしておくということも、少し頭の隅に入れておくと良いでしょう。

 

 

まとめ

入学式は、4月の声を聞くとすぐにやってくる、非常に重要な式典です。音楽教員が担う役割は多岐にわたりますが、一つひとつを丁寧に進めれば、素晴らしい式典を創り上げることができます。この記事を参考に万全の準備を整え、自信を持って入学式の演奏に臨んでください。

 

音楽教員のための卒業式準備の5つのポイント【着物でピアノ・草履で階段】」の動画では、卒業式を失敗なく心配なく迎えられる準備のヒントをお話ししました。子どもや保護者・自分自身の思い出に残る卒業式に向けて万全の準備をしましょう。

 

この記事の内容は動画「【音楽教員の入学式】ピアノ・服装・BGM、何から準備する?新任・若手の不安を解消!」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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