「覚えない」から始める:中学校音楽教員が語る、生徒の名前の覚え方3選

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中学校の音楽授業は、週に1〜2回しか行われないことが多く、その限られた時間の中で全ての生徒の名前と顔を一致させるのは非常に困難です。

ここでは、私が10年間の教員経験の中で実践してきた「生徒の名前の覚え方」について、3つの具体的な方法をご紹介します。

 

 

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方法1:男子は「覚えようとしない」でも自然に覚えられる

最初の方法は、一見矛盾しているようですが「男子は覚えない」です。実際には、男子の名前や顔は意識しなくても自然に覚えられることが多いのです。

その理由のひとつが、合唱のパート練習です。音楽の授業では、教員が男子パートに入って指導する場面が多く、そこで彼らの顔や声、性格に自然と触れる機会が生まれます。このような関わりの中で、無理に覚えようとしなくても記憶に定着していくのです。

男子は無理に覚えなくても自然と覚えるので、まず男子を覚えない。これが1つ目です。

 

合唱は年間行事のキモです。「10分でわかる!合唱指導の3つのポイント|全学年対応の簡単コンクール対策」では、どの校種・学年でも活かすことのできる合唱指導の基礎について紹介しています。また「合唱指導にYouTubeを活用しよう!」では、合唱指導にYouTubeを活用する方法について解説しています。

 

 

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方法2:役職のある生徒と部活動の生徒を優先的に覚える

次に紹介するのは、「役職のある生徒を優先して覚える」方法です。
授業の進行に関わる指揮者、伴奏者、パートリーダーなどは、早めに顔と名前を一致させておくことが重要です。

また、音楽係や音楽委員などの役割を持つ生徒も同様に優先して覚えましょう。これに加えて、吹奏楽部やオーケストラ部、合唱部、軽音楽部など、音楽系の部活動に所属している生徒は、週に何度も顔を合わせるため、自然と記憶に残りやすいです。

このように、まずは関わりの深い生徒から覚えていくことで、効率よく全体に広げていくことができます。

 

部活動は忙しかったり伝統を重んじたり、そういった自分のコントロールし得ない点で悩んだりすることがあります。「音楽教員のための部活動の持ちかた(負担を減らすための工夫とは?)」の動画では、部活動を持つときの注意点、特に初めに気を付けたい部分を話しています。

 

 

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方法3:生徒の「好きな音楽」と結びつけて覚える

三つ目の方法は、「生徒の好きな音楽を手がかりに覚える」ことです。

私は、初回の自己紹介で生徒に好きな音楽を話してもらったり、記入してもらったりしています。

すると、ジャニーズ、K-POP、ボカロなど、それぞれの生徒の趣味が明らかになります。これらを好む生徒は、自分の好きな音楽について積極的に話しかけてくることが多く、コミュニケーションを通じて顔と名前が一致しやすくなります。

このように、音楽を通じた関心を手がかりにすることで、単なる暗記ではなく、生徒との関係性を築きながら覚えることが可能になります。

 

初回授業でのガイダンスとアンケートについて「1年間の授業を楽に進めるための初回授業(ガイダンス・アンケート)の3つのポイント」で解説しています。私の初回授業では、生徒のことを知るためにアンケートを取っていました。

 

 

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おわりに:日々の積み重ねが鍵

私は、定期試験の監督中に「このクラスの生徒をどれだけ覚えているか」を自分自身に問いかける習慣を持っていました。試験監督をしながら、生徒一人ひとりの名前を心の中で確認することで、記憶の定着度を確認することができます。

生徒の名前を覚えることは、日々の指導だけでなく、担任の先生との情報共有にも大いに役立ちます。すぐに全員を覚えるのは難しいかもしれませんが、無理をせず、確実に覚えていくことが大切です。

生徒との信頼関係を築く第一歩として、名前を覚える努力を日々の習慣に取り入れてみてください。

 

教員あるある?教員の職業病②見た目・外見から人を見分ける教員のワザとは?」でお話していますが、教員は多くの人と接する職業なので、見た目や持ち物などから「人となり」を推測することが得意です。

 

この記事は動画「【教員必見】「覚えない」から始める!生徒の名前を自然に覚える3つの方法」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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