音楽のオンライン授業のやり方「私ならこうする」

音楽のオンライン授業のやり方「私ならこうする」 一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
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音楽教員歴10年の原口直です。

公立と国立の中学校10年間実践を続けてきた私にとって、オンライン授業をおこなうことは実践できませんでした。しかし、これからのことを考えて、オンライン授業を自分が実践するならどんなものを使ったり、どんなことを考えたりするだろうという風にイメージしてみました。

「私ならこうする」というアイディアを話しますので、参考にしてください。

 

 

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オンライン授業の実践アイデア1:授業規律の指導

対面授業と同様の授業規律を指導する

対面授業にしろオンライン授業にしろ、大切なのは授業規律だと思います
対面の授業でも指導するようなことは、オンライン授業でも同じように指導が必要だと考えます。

 

音楽の授業がうまくいくもいかないも、最初にどのように授業規律を設定するか、それを生徒と共有するか、ということがポイントになります。「中学校音楽における授業規律の指導方法」で、詳細をお話しています。

 

例えば、授業中に私語をしない、悪口を言ってはいけない、関係のないことをしてはいけない、これは対面だろうがオンラインだろうが大事な授業規律です。特にオンライン授業では、コメント欄を含めすべて記録が残されますので、形に残ってしまうのだということを生徒に始めに言い聞かせる必要があります。

また、環境づくり。これも対面授業と同じです。きちんといすに座った状態であるか。手元に教科書・ノート・ファイル・楽譜はあるか。そういったことをきちんと確認します。

 

オンライン授業ならではの授業規律も

それから、著作権。これもきちんと考える必要があります。
オンライン授業で作成した動画。これは、作成した人に著作権があります。ですので、生徒が勝手に編集したり、加工したり、また、いたずらをしたりすることはできません。

 

学校で扱う教材等の著作権について疑問があれば著作権情報センター(CRIC)のサイトで確認することをおすすめします。「【学校教育と著作権】学校現場での著作権に関する疑問は著作権情報センター(CRIC)のサイトで解決できる!」で詳細を解説しています。

 

それからオンライン授業の動画は、授業で使うということが大前提です。他の学校の人に見せたり、動画を加工してつなげたり、短くしたり、まとめたりすることは許されていません。これらにも考慮するように、始めに授業規律。対面と同じように始めに提示しておきます。

 

 

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オンライン授業の実践アイデア2:フォーマットを固定する

オンライン授業を作るにあたって、毎回1から10まで作るのはとても大変です。かくいう私も、5~10分のこの動画を作るのに、編集や撮影、すべて含めると1本2時間以上かかっています。これは30本以上作った今でもこれくらい時間がかかりますので、始めはもっともっと時間と手間がかかります。

ですので、その手間を省くためにも、フォーマット(形式)を作ってしまうのがいいと思います

導入・展開・まとめのうち「導入」「まとめ」を固定して効率化する

授業には「導入」「展開」「まとめ」という流れがありますね。
その「導入」「まとめ」の部分はあらかじめ作っておいて、どの授業にもくっつけられるようにしておくというのが大事だと思います。これをするだけで、授業毎回1から10まで作る必要なく、真ん中の「展開」の部分、大事な部分だけを作ればいいという風にできます。

「導入」だったら毎回5分の常時活動、例えばストレッチや校歌を流す、鑑賞するという部分をもう作ってしまいます。曲を変えたければ、リンク先を変えればいいだけですので、「導入5分」これを作ってしまって、毎回毎回同じものを使えばいいと思います。

 

私が授業の導入で実践していた常時活動は鑑賞です。「音楽の授業における常時活動(中学校での事例紹介)」の動画では、実際に私が授業で行っていた常時活動としての鑑賞のやり方を紹介しています。

 

「まとめ」も同じです。文章を書く、その書き方や送信の仕方、共有の仕方を毎回固定して、その「まとめ」の部分、10分だったら10分の部分を毎回毎回同じ動画を使えばいいと思います。

授業の中で一番大事な「展開」に時間を使うためにも、「導入」「まとめ」は固定して使いまわしするというのが大事だと思います

 

 

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オンライン授業の実践アイデア3:リンクを活かす

オンライン授業ならではの授業をするためには、このリンクを活かせるメリットを活かせるといいと思います。

動画や音源、そのリンク先を概要欄やコメント欄に貼っておけば生徒は自分でそのリンク先に飛ぶことができます。つまり、動画や音源を自分で見ることができます。

対面授業だとCDやDVDを入れ替えたり、頭出しをしたりと結構大変です。しかし、URLを貼っておいてそこに飛んでくださいとしておけば楽です。オンライン授業ならではの利点だと思います。

それから、参考資料をたくさん貼っておいて、興味のある生徒が自分で探せるようにしておくといいと思います。

YouTubeなどを使う場合は、おすすめの動画、次の動画で関連する動画がたくさん出てきますので、1つおすすめの動画を貼っておくだけで、興味のある生徒はどんどん調べたり聞いてみたりすると思います。このように、オンライン授業ならではの利点をぜひ使ってみてください。

 

YouTubeを学校で使う場合にどのように使えばいいのか。注意点は何かという点について「YouTubeを学校教材に!教員のための学校行事・部活・授業でのYouTubeの使い方・見極め方」で簡単に解説しました。

 

 

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まとめ:音楽のオンライン授業のやり方「私ならこうする」

せっかくするオンライン授業です。手間や時間をかけて色々考えたり作ったりすると思いますので、オンライン授業ならではの利点を活かした授業を作れればいいと思います。

 

 

記事の内容は動画と同じです。
動画「音楽のオンライン授業のやり方「私ならこうする」」も是非ご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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