学びを止めたくない先生へ。専門性も人間性も高める「大人の習い事」という自己投資

教員に習い事をおすすめしたい理由と選び方とは?【社会人の自己研鑽】 教員のキャリア・研修
教員のキャリア・研修
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「授業を進めていると、自分のスキルに物足りなさを感じる…」
「教員として、もっと成長したいけど、何から始めればいいんだろう?」

日々の業務に追われる中で、ふとこのように感じる瞬間はありませんか。大人になったから、教員になったからといって、学びを止めてしまうのはもったいないことです。むしろ、大人になったからこそ見えてくる世界があり、自身の専門性をさらに高めるチャンスが広がっています。

この記事では、音楽教員歴10年の経験をもとに、先生が習い事を始める際に大切にしたい考え方や、具体的な選び方について、実体験を交えながら詳しく解説します。

 

 

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先生が習い事を始めるための考え方①:諦めない心

まず大切にしたいのが、「教員になったから」「大人になったから」という理由で学びの可能性を閉ざさない、という気持ちです。

実際に、教員になってから社会人の合唱団に所属し、仕事と両立させながらコンクールや演奏会に出場していた経験があります。当時は土曜日にも授業がありましたが、事前にスケジュールを共有して協力をお願いするなど、家族の理解を得ることで、合唱団の活動を続けることができました。

 

プレイヤーとして合唱の全国大会に行ったその経験から、合唱指導のヒントになること、また、全国大会に出るような合唱団とはどんなものかについて「全国レベルの合唱団の練習時間・練習内容・団員のモチベーションとは?」でお話しています。

 

両立のためには、以下の点が重要になります。

  • 体調管理とスケジュール管理を徹底する
  • 周囲の理解を得る(家族、同僚の先生方など)
    • 例:土曜の午後の練習に間に合うよう、午前中の授業後にすぐ出発できるように準備しておく。
    • 例:合唱団の練習で午後の部活動ができないことを、生徒に理解してもらう。

 

特に音楽系の部活動は忙しかったり・伝統を重んじたり、自分のコントロールしえないことで悩んだりすることがあります。「音楽教員のための部活動の持ちかた(負担を減らすための工夫とは?)」で、どのような点に注意して部活動を持てばいいのか、初めに気を付けたい部分を話しました。

 

また、現代では学び方も多様化しています。必ずしも教室に通う必要はありません。

  • オンラインサービスの活用: インターネット上には、学習のためのサービスが数多く存在します。オンラインでどのように学べるかを模索するのも一つの方法です。
  • 単発での受講: 長期間通うのが難しくても、単発や数回で完結する講座を探すこともできます。ウェブ上のサービスを使えば、自分に必要なスキルをピンポイントで身につけることが可能です。

 

現職教員・教員を目指す学生が今こそやっておくべきこと3選(私の反省例)」の動画では、教員になってからやっておけば良かった!と私が思っていることを紹介しました。学生の皆さん!時間があるのは今のうちですよ。

 

 

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先生が習い事を始めるための考え方②:2種類の選び方

習い事を選ぶ際には、大きく分けて2つの種類があると考えられます。

  1. 音楽教育に関する習い事
  2. 音楽教育に全く関係のない習い事

一つ目は、楽器のレッスンや合唱団への参加など、自身の専門分野に直結するものです。二つ目は、専門とは全く異なる分野の習い事ですが、これも非常に重要です。可能であれば、この両方を両立させるのがベストです。

 

音楽教育に全く関係のない習い事の実践例

一見、音楽教育とは無関係に見えるかもしれませんが、視野を広げるために、長期休みなどを利用して様々なことに挑戦してきました。以下にその一例を紹介します。

  • 自分を知る・磨く講座
    • パーソナルカラー診断(自分に似合う色を多角的に判断してもらう)
    • 腸もみ
    • ネイル、メイク
  • ものづくり・食文化
    • 桜餅作り
    • スターバックス主催「カスタマーコーヒーマスター」
    • アクセサリー作り(YouTubeで習得)
  • デジタル・クリエイティブ
    • LINEスタンプ作り(YouTubeで習得)
    • 動画編集
  • 身体・パフォーマンス
    • 循環呼吸(YouTubeで習得)
    • タイ古式マッサージ
    • DJ体験
    • ゴルフ体験

このように、一見音楽教育とは関係ないように思える分野でも、新しい発見や学びがあります。

 

 

 

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先生が習い事を始めるための考え方③:人との関わりを大切にする

習い事の価値は、スキルを習得することだけではありません。そこで出会う「人との関わり」も、非常に大きな意味を持ちます。

  • 多様な人々との出会い: 講座の先生や、一緒に学ぶ他の生徒さんたちとの出会いは貴重です。学校という環境の中にいると、どうしても音楽や教育という枠の中で物事を考えがちになります。しかし、異なる背景を持つ人々と接することで、自分の考えがいかに小さなものだったかに気づかされたり、学校のことを客観的に考えるヒントをもらえたりします。
  • 指導者から学ぶ指導法: 自分が「習う側」になることで、教えてくれる先生の指導の仕方を客観的に見ることができます。そこには、自身の指導にも反映できるヒントがたくさん隠されています。

習い事を通じて、その分野の知識だけでなく、周りの人々からも多くのことを学べるのです。

「もっと広い世界を知りたい」「ステップアップしたい」「自分が持っている経験をリニューアルしたい」という方には教育学会へ入会し、色々な先生方との交流がおすすめです。詳細は「【学び続ける教員】教育学会・専門科目の学会への入会のすすめ」をご覧ください。

 

 

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まとめ:興味のアンテナを広げ、学び続ける姿勢を

今回は、先生が習い事を始める際の考え方についてお伝えしました。

先生も、子どもたちと同じように学び続ける姿勢が大切です。そして、その学びは必ずしも音楽や教育の分野にこだわる必要はありません。

自分が「面白そうだな」と興味を持ったことに積極的に挑戦してみてください。先生自身が学びを楽しむ姿は、子どもたちの知的好奇心を刺激する最高の教材にもなります。経験の一つひとつが人間的な幅を広げ、日々の教育活動をより豊かなものにしてくれるはずです。

 

教員のための技能向上に役立つ研修の見つけ方」のなかでは、教員向けの様々な研修の探し方について紹介しています。

 

この記事は動画「「学び続ける教員は、かっこいい。」専門性と人間性を磨く大人の習い事。」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー/元・東京学芸大こども未来研究所 教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で、教育実習生の指導、進路指導、「生活と社会に関わる音楽」分野の授業実践に取り組む。
会社員時代の経験を活かし、知的財産権教育に関する研究・発表も多数行う。

2020年春より、教室の外へとフィールドを広げ、YouTube・ウェブサイト・講演活動を通して、教員や教育実習生に向けた著作権教育コンテンツを発信中。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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