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【ピアノ・楽譜・音楽室不要の歌唱授業】屋外で歌うという音楽の授業実践を紹介します

【ピアノ・楽譜・音楽室不要の歌唱授業】屋外で歌うという音楽の授業実践を紹介します 一歩先ゆく音楽教育(授業編)
一歩先ゆく音楽教育(授業編)
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皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。

現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。

 

現在「歌唱」のあり方が見直されています。歌唱の領域について考え方に変化が訪れ、新しくなってきています。従来の形ではできなくなってきてしまった歌唱の授業。

この歌唱の授業についてどのように変えていったらいいのか。新しいアイディアが欲しいという方もいらっしゃると思います。私が実際に実践した「外とで歌う」というその内容をご紹介します

 

この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。

▶「音取りにはピアノが必要」とか「音楽の授業は音楽室で」という固定概念を崩したいという人
▶新たな歌唱のあり方のヒントを得たいという人その実践を知りたいという人

 

ここでは実践についてお話をしますが、「10分で理解する合唱指導の3つのポイント【学校種・学年・先生の専攻は不問の合唱コンクール対策】」という動画では準備から音取りとの基礎について話をしています。これはオンラインだろうが対面だろうが音楽室だろうが外だろうが同じです。

 

それから、この外で歌うという授業を思いついた「10年以上前の教育実習のときに書いた教育実習日誌をただただ読む②4年次・母校高校」という動画も上げていますので興味がある方はご覧下さい。

 

 

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「屋外で歌う」音楽の歌唱授業を考え出した理由

この外で歌おうということを思いついた、実践したのは2002年のことです。
そのときになぜこの外で歌うということをしたのかどうして外で歌おうと思ったのか、その動機を話します。

 

私は大学に入って西洋音楽教育への違和感にぶち当たりました。

■これまで当たり前だったイタリア語の歌詞で五線とシステムを使って、ピアノという楽器の伴奏で歌うということ。
■日本人がドレスを着て昔のオペラ・ヨーロッパの昔の曲を歌う…そういったことが何でなんだろう…そういったことに疑問を持ったり。

それに疑問を持たなかった自分に疑問を持ったりそれを教えてきた教育に疑問を持ったりしました。

その大きな疑問や違和感については、すで1978年に発表された『日本音楽の再発見』という小泉文夫さん・團伊玖磨さんが書いた本の中にも書かれていました。
「日本の音楽室に黒光りしたピアノがあるという違和感」この文章に衝撃を受けたのを覚えています。

 

小泉文夫さんの著作物以外にも、教育実習生・若い先生に絶対に読んで欲しい本がありますので「【指導教諭として伝えたい】教育実習前に絶対に読んで欲しい本」のなかで紹介しました。

 

そこから教育や音楽の表現について興味が出てきて、その場所でできる音楽・その場所で生まれる音楽・その場所だからできる音楽とは何かということについて考え始めました。

ヨーロッパで生まれて、ヨーロッパの音楽のシステムで、ヨーロッパの人たちが歌ってきた歌、これを歌うことだけではない「音楽の方法」があるのではないかと思ってきたのです。そこから民族音楽・民族芸能に興味が出てきました。

その民族音楽・民族芸能を歌唱の授業に落とし込めないか。そう考えたのがこの授業「外で歌おうという授業」を考え出した動機です。

 

いわゆる「西洋音楽」を学んできた人たちにとって、民族音楽を教える時にどのような点に気をつければいいのかについては「民族音楽を音楽の授業教材とする時に気をつける3つのこと」で紹介しました。

 

 

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実践!音楽の授業で屋外で歌ってみた

対象は高校2年生の選択音楽で行いました。普通科の生徒です。

大学4年生の教育実習は母校である長野県の高校で行いました。長野県はとても緑が豊か、朝熊山を仰ぐその山の中腹にある自然豊かな環境にその高校はありました。その授業は晴れた日、校庭に向かう階段の途中に座って歌唱をしました。

まずその環境の中で「何を歌いたいか」というふうに生徒に聞きました。
生徒から上がった曲を生徒がみんなに教えたり、私が知っていたら生徒に教えたりして、生徒がその時その場所で歌いたい曲をその場所で歌ったのです。

それも伝達方法は楽譜ではなく、口伝という方法を使いました。民族音楽・民族芸能では当たり前の方法です。
それから授業は私が提案する、ここで歌いたい曲…その時は原由子さんの《花咲く旅路》という曲を選曲して皆で歌いました。伝達方法は楽譜ではなくピアノでもなく、口伝で伝えたのです。

 

声で歌うための楽譜「口唱歌」について「【音楽の新学習指導要領】口唱歌の解説と授業実践例」で解説しています。

 

 

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「屋外で歌う」音楽の歌唱授業の成果

この授業の中で生徒はもしかしたら意図を汲み取ってくれなかったかもしれませんけれども、私はその授業の中で東京ではなくここでしかできない、長野県でしかできないこの自然・空気の中でしかできない授業ができたと非常に成果を感じていました。

その場所でしか歌えない歌を歌う、そしてそのメンバーでしか歌えない歌を歌うということ。これが私の中で成果でした
東京ではできないというのはもちろんですけれども、そのメンバー…音楽を選択したメンバー気心の知れた信頼のあるメンバーだからこそ歌える歌と、その場所・そのメンバーだから歌えるということを学ぶことができました。

また成果としては、自分が当たり前と思ってきたピアノそれから音楽室これがなくても歌が歌えるんだということを知りましたし、雨なら雨で、小声なら小声で、また違う音楽が生み出されるだろうという展望も持てました。

発展的には楽器を加えてみようとか、創作につなげてみたいなとか自然音や環境を組み込んでみようとかそういった授業のプランもどんどんどんどん湧いてきました。

 

環境音を音楽の授業で取り入れた実践例として「音楽のオンライン授業実践例《教材:春 第1楽章》」を紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

この授業をやって本当に良かったなと思っています

 

 

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まとめ:【ピアノ・楽譜・音楽室不要の歌唱授業】屋外で歌うという音楽の授業実践を紹介します

今日は今こそ「外で歌おう」の実践をお話ししました。

大学4年時の教育実習ですのでまだまだ知識も経験もありませんでしたが、だからこそできたのではないかなと思っています。私が音楽科教育・音楽教育について持っていた疑問を払拭してくれる、そして自分の固定概念を覆す、ぶっ壊す授業ができたのではないかなと思っています。

 

記事の内容は動画と同じです。
動画「【ピアノ・楽譜・音楽室不要の歌唱授業】屋外で歌うという音楽の授業実践」も是非ご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー/公立中学校音楽科教員

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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