皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。
現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。
今日は子どものウソ・ケンカについてお話をします。
音楽の授業内容の指導や学級での生活指導などよりも大切なこと・人間として大切なこと…人と人との関わりとして大切なことを、学校ではたくさん学びます。
そういった中に子どものウソやケンカこういったものがあります。
この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。
▶子どものウソやケンカに対してどう対処したらいいのか分からないという先生方
▶子どもへの直接的な指導だけではなく、周りの先生への協力や報告のやり方を知りたいという先生方
この動画の他には、
「【配慮事項】生活指導の必要な生徒への対応」
「【配慮事項】特別支援が必要な生徒への音楽の授業における対応」
「【配慮事項】学校での子どもの多様性(外国籍・聴覚過敏・LGBTなど)」
特に「生活指導編」では、すべての行動の責任は子ども本人ではなく理由は他にあるということを実践からお話をしています。
また
ウソやケンカの裏側にあるかもしれない生徒の心や家庭。それが見えるものが3つあります。短い時間の中でも一瞬でそれを見取ることができるポイント3つを話ししています。
ぜひご覧ください。
また、ウソやケンカはケースバイケースですのでここで話していることが正解ではありません。状況や環境、何より子どものことをしっかり見てどのようにしたらいいのかぜひ考えてください。
学校での子どもの嘘に教員はどう対応するか?
ウソの疑いがある場合→子どもを信じる(信じるフリをする)こと
「のどが痛くて歌えません」とか「持ってくるのを知らなかったから忘れました」とか。そういった言葉を子どもが言ってくることがあります。
この場合、疑いがあっても信じる、または信じるふりをするというのが大事です。
それを言ってきた生徒に対して手厚すぎるフォローや面倒な手続があるということを知らせるのが大事です。
例えば「のどが痛くて歌えません」と言われた場合。
「治ったら補習をするから放課後においで」とか「授業の前においで」とか言っておきます。もし、のどが痛いのが本当ならばその対応は嬉しいはずです。もしウソだったら「面倒くさいなぁ」とか「もうウソをつくのやめよう」となるはずです。手厚すぎるフォローで信じるというのが大事です。
授業で忘れ物をした場合→「面倒だ」と感じさせる
次に忘れ物。
「持ってくるのを知らなかった」とか「聞いてなかった」とか。そういったことを言ってくる子がいます。それも面倒な手続き。
忘れ物の手続きについては必ず初回のガイダンスなどで言っておくと良いと思いますが、「忘れ物をしたら事前に言う」とか「こういった手続きを踏んで借りることができる」とかそういったことを伝えます。
それから授業の中では、その忘れたことが「とても不便だ」と感じさせることが大事です。
例えば、楽譜がないと楽譜が見られない…自分のものじゃないから書き込みができないから不便ということになりますし、楽器を忘れてしまった場合は技術の習得ができない=遅れてしまうということを実感させる。
それから教科書などの場合はそれも書き込みができなかったりしますので、後で本人が困ります。
そういった不便さや面倒臭さといったものを伝えるというのが大事です。
ウソは信じる、または信じるふりをして手厚すぎるフォローと面倒な手続き。これ教えるというのが大事です。
学校での子どものケンカに教員はどう対応するか?
どんな状況でも中立の立場でケンカ当事者の話を聞く
子どものケンカは『悪口を言った/言われた』とか『ぶった/ぶたれた』とか、そういったケンカです。
まずどういった状況であっても中立でありましょう。明らかにどちらかが悪いという場合でも、まずは中立になって話を聞くことです。
両方の話を最後まで遮らずに、メモをとりながら聞きます。そしてその後に、細かく聞いていきます。
『ぶった/ぶたれた』場合は、例えば「どっちから先に手を出したのか、何回ぶったのか、どこをぶったのか、どれくらいの力でぶったのか」。そういうことをずっと聞いていって、メモをとっていきます。
そしてその中で、目撃者がいれば目撃者にも話を聞きます。
そして両者と目撃者の話を総合して矛盾点を洗い出していきます。矛盾点が出てきたらその都度、正確な情報を改めて聞き直していきます。
そして『ぶった/ぶたれた』の場合は、「手を出す原因となったのは何だったのか?」。例えば、嫌な言葉をかけられたとか、ずーっと前から言われていたけど我慢していたとか。
「あの時どうすれば良かったか?」と「同じことが起きたらどうすれば良いのか?」を説諭
それから「何をされても、手を出してはいけない。何を言われても、手を出してはいけない」ということを説明します。
「そうしないためにどうすればよかったのか?」、例えば「我慢をすればよかった、その場を離れればよかった、誰かに相談をすればよかった」そういった解消方法…その時どうすればよかったかを話します。
そしてその先には、「今後それがあった場合どうすればいいか」ということも同じように話します。それは手を出した側も出された側も同じです。
「過去と未来の話を両方必ずする」ということが大事です。
未来のことを話すことによって、もし同じことが起こったときに、説諭の時に「この時にこういう風に言ったよね」とか「こう話しをしたよね、今回もできなかったかな」そういった説諭の方法になってきます。
ケンカの場合はまず中立に話を聞き、矛盾点を洗いだして今と未来の話をする。これが大事です
子どものウソ・喧嘩には学年全体・学校全体のチームで対応
教科内での子どものウソ・喧嘩は学級担任へ報告
まず何か問題があった場合、ウソもケンカも報告が大事です。
教科でウソやケンカがあった場合、学級の担任に必ず報告をします。チーム・学年で対応していくのです。
例えば複数の生徒関わっている場合、1人ひとり話を聞くのか・まとめて数名話を聞くのか、どの生徒にどの先生が話を聞くのかということを割り振っていきます。
生徒との関わり方や信頼関係は先生によっても様々ですので、どの先生だと話しやすいとか関わりが多い先生が対応するとか。そういったことをやっていきます。
そしてその対応は随時、学年主任や生活指導主任そして管理職。こういったところにも報告を上げていきます。
保護者への対応は学級担任となりますので細かな報告、スピーディーな連絡。こういったことがとても大事になってきます。
養護教諭・用務員・事務・スクールカウンセラーの方と連携をとる場面も
もしケンカでケガがあれば養護教諭の先生。もし破損してしまったものがあれば、副校長先生や主事さん、用務員さん、そして事務の方。こういったところの連携。そして心のケアが必要であれば養護教諭の先生、そしてスクールカウンセラーなどにつなぐ。
こういったこともやっていきますので、絶対に1人で抱え込まずに情報を共有してチームで解決していきましょう。
このように全体で対応することで心理的な負担も軽くなります。
例えばウソを報告するのをちょっと躊躇してしまうかもしれませんけれども、「他の教科でも同じようなことがある」とか、また逆で「普段はそんなこと絶対にないのにね、どうしたのかな…」というふうに指導につながる場合もあります。
1人で抱え込まない。全体で対応するそれが近道なのです。
まとめ:教員が教える子どものウソ・喧嘩への対応の仕方
授業の指導や学級経営などこういったものもとても大事なんですけれども、人と人とのつながり・関わり。これが学べるのも学校のいいところだと思います。またトラブルがあると自分が指導者として教員として、とても成長する機会にもなります。
様々な実践を通して自分の力をつけていってほしいです。
記事の内容は動画と同じです。
動画「教員が教える子どものウソ・喧嘩への対応の仕方」も是非ご覧ください。
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