反抗期の子どもに対する教員の対応方法

反抗期の子どもに対する教員の対応方法 一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
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皆さん、こんにちは。一歩先ゆく音楽教育、原口直です。

現在は学校での教育研究の経験と、未来につながる新しい学びについて情報発信しています。
このYouTubeチャンネルでは学び続ける先生と学生さんのために、学校で役立つ情報と提案を発信しています。

 

今日は「子どもの反抗期への教員の対処法」についてお話しします。
中学3年生を担任していた時、ある男子に「どうして反抗するの?」と聞いたところ、「自分でもわからない」と言っていたのが強く印象に残っています。

反抗期は幼児期と思春期の2回あるとされています。
幼児期は2歳ころの所謂「イヤイヤ期」と言われるものです。思春期は小学校高学年から中学生とされています。どちらも個人差が大きいと言われています。

私は中学校の教員でした。
学校に1人の音楽科でしたので、毎年、中学1~3年生全員の教科担任でした。学級担任を中学1~3年生に持ち上がりで持ったこともあります。

中学生は反抗期まっただ中です。

家で子ども1人の反抗期を相手するのも大変だという中、クラス全員が反抗期なのでしょうか?
反抗的な態度を取った子どもにどのように対応すればいいでしょうか?
また、学級担任は家庭との連携が強く大切なものです。家庭と連携して反抗期に対応するにはどうすればいいでしょうか?

これまでの教科担任・学級担任の経験の中からお話しします。

 

この記事は、次のようなことを知りたい方に是非ご覧頂きたい内容です。

▶教員は子どもの反抗期にどう対応しているのか知りたいという方
▶中学生は全員反抗期なの?と疑問に思っている方
▶子どもの反抗期を、家庭とどう連携したらいいのか知りたいという教員になる方

 

この動画の他には、

『三者面談三部作(子ども編保護者編教員編)』
子ども編・保護者編・教員編の3つの動画を作っています。子ども編と保護者編では、反抗期まっただ中での三者面談の対応方法について話しています。反抗期で親子の会話が成り立たない!それこそが教員の求めている情報であるということを話しています。

 

【配慮事項】特別支援が必要な生徒への音楽の授業における対応
子どもの行為が反抗ではなく、特別な配慮が必要なのかもしれないという可能性もあります。特別支援学級での経験もある私が、高い音・大きい音が苦手な場合・じっとしていられない場合・音を止められない場合について解説しています。『生徒への配慮』は生活指導編の動画「【配慮事項】生活指導の必要な生徒への対応」もあります。

併せてごらんください。

 

 

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反抗期の子ども全員が学校で反抗的なのか?

家で子ども1人の対応でも骨を折る反抗期。中学生が反抗期ならクラス全員が反抗期状態で教員が対応することになりますが、そんなことはあるのでしょうか?

答えは「No」です。

反抗期の行動として拒否・抵抗があります。もちろん学校生活の中で中学生は「やりたくないなぁ」と思うこともあるでしょう。特に人によっては宿題や定期テスト。音楽で言えば、歌のテストや合唱コンクールは人によってモチベーションが様々です。私だって中学生の時、いや教員になっても?、登山や運動会は「やりたくないなぁ」と思っていました。

「思う」までは、誰でも何に対しても生まれる感情です。
しかし、それを口にしたり、行動に移したりすることは、特に学校では勇気のいる行動です。教員に対して反抗的な態度を行動に表すのは少ないです。

「いないか?」と言われれば…いますけれど、少数です。

 

【家庭でも使える】教員が教える中学生の怒り方」では子どもを怒る時の手順・注意点を紹介しています。教科の中で子どもを怒った時も、管理職や学年主任、生活指導主任、そして養護教諭や保護者といった周りの人たちと連携を取ることが重要です。
中学生を効果的に叱る方法:教員が教える現場の実践ガイド
音楽教員歴10年の原口直です。 教員だって怒らなくていいのなら怒りたくないです。しかし、毎日のドラマティックな学校生活の中でどうしても怒らなければいけない場面は出てきます。何度も何度も怒ったり、毎回毎回怒っていると、だんだん怒り方がわかって...

 

 

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反抗期の子どもへの教員の対応

少数ではありますが、学校で反抗する子どもに対して教員はどのように対処するでしょうか。

まず、教員の気持ちとしては「こわいな」「面倒くさいな」よりも、「かわいそう」が先に立ちます。
私が関わってきた事例ではそうでした。しかも、私1人ではなく、共に対応する学年の教員や養護教諭の先生・スクールカウンセラー・管理職など、全員が「子どもがかわいそう」と思います。

 

教科担任・学級担任以外の学校を支える方々について紹介した「【初任者・実習生に知ってほしい】養護教諭・学校医・スクールカウンセラー・栄養教諭の役割」の動画もあわせてご覧ください。

 

反抗する子どもが、なぜかわいそうなのでしょうか。
それは子どもの中にある反抗の原因が、他の手段で消化されたなかったり、自分ではどうしようもないことだったりするからです。

 

例えば、

学習の場合は「ついていけない」「言っていることが理解できない」「成績が上がらない」などです。
学校生活の場合は「あの子が嫌い」「むかつく」「嫌なことをされた」などです。全く逆で「あの子が好きだから、いいところを見せたい」「目立ちたい」という反抗もあります。
学校外の場合は「保護者との関係がうまくいっていない」「夫婦がうまくいっていない」「保護者が怖い」といった理由があります。反抗の原因が、「朝ごはんを食べていない」という理由かもしれません。

授業中に反抗された場合、もちろん子どもとの関係や子どもの背景等は本当にケースバイケースで一概に言えないですが、言葉の反抗なら「反抗期は家でやってください」「敬語を使いなさい」と言ったり、座らない・立たない・黙らないならば辛抱強くそれをするまで待ったり、教室から出ていくなら職員室にヘルプを求めたりしました。

教員を困らせたいことが原因の場合もあるのかもしれませんが、一斉指導の場合は教員が困る=他のクラスメイトも困ります。反抗する本人は、クラスメイトを敵に回すことは望みません。また、冒頭に言ったように理由なんてないのかもしれません。

「子どもが何に困っているか」を寄り添って見つめることが大切です。

 

教員のための子どものウソ・喧嘩への対処方法」でもお話しているとおり、子どもの困りごとを解決するには周りの方の協力が不可欠です。

 

 

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家庭・保護者との連携方法

「家で反抗して困っています」
よく保護者から聞く相談事でした。「言うことを聞かない」「ルールを守らない」「言葉づかい」などです。

 

大学で学ぶことが少ない保護者対応の方法。「教員のための保護者対応の3つのポイント【保護者と良い関係を保つには?】」の動画ですぐに実践に移すためのヒントをお話しています。

 

こういった相談があった場合、まず学校での行動を考えます。2つの可能性…つまり、「1学校で問題行動がある場合」と「2学校で問題行動がない場合」があります。

 

学校で問題行動がある場合

学校でも問題行動がある場合は、保護者から相談がある前に話をしていることがほとんどです。

 

学校で問題行動がない場合

ほとんどは学校では問題行動はなく「学校ではとてもよくやっていますよ」と答えることがほとんどで、その言葉に保護者は安心したり意外そうにしていたりしました。

保護者から情報を得た後で、本人の行動をいつも以上によく観察したり、何気なく家や保護者のことを聞いてみたり、悩みがあるか聞いてみたりします。保護者との情報共有が必要な場合は、後から様子や聞き出したことを伝えました。

 

 

例えば、本人が「勉強したいのに家でできない」と聞いた場合は、「家で静かにゆっくり集中できる場所や時間はありますか?」と保護者に尋ねたり、「携帯を見るだけで文句を言われる」と聞いた場合は、「携帯電話のルールはどのようになっていますか?」と尋ねたりします。
単に睡眠時間や食事の時間や内容・家事分担・保護者の在宅時間や会話の時間を尋ねる事もあります。

1人の保護者は自分の子どもの成長過程だけ…つまり、1人とか2・3人だけの成長過程を見るため、反抗期があると心配になるのは当然のことです。「我が家だけ?」と思う場合もあるでしょう。

しかし、教員は何百人何千人という中学生・家庭の状況・親子関係などを見ていますし、子どもが数か月後にどうなるかの予測もできますので、さほど心配はしません。
「中学生はそんなものですよ。ご心配なく」と答えます。

とはいえ、本人も説明がつかない何か理由があるかもしれません。子どもから目を離さずに見守ることは重要です。

 

 

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まとめ:反抗期の子どもに対する教員の対応方法

今日は「教員の反抗期の対応」について話しました。

文部科学省の資料「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」の「中学生」には

中学生になるこの時期は、思春期に入り、親や友達と異なる自分独自の内面の世界があることに気づきはじめるとともに、自意識と客観的事実との違いに悩み、様々な葛藤の中で、自らの生き方を模索しはじめる時期である。また、大人との関係よりも、友人関係に自らへの強い意味を見いだす。さらに、親に対する反抗期を迎えたり、親子のコミュニケーションが不足しがちな時期でもあり、思春期特有の課題が現れる。

とありました。

反抗期があってもなくても、その程度は個人差があっても、大人になる過程において大切な時期だと言えます。家庭と学校が連携して子どもに向き合っていきましょう。

 

記事の内容は動画と同じです。
動画「反抗期の子どもに対する教員の対応方法」も是非ご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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