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【オンライン授業を実施する先生方へ】文部科学省発表のオンライン授業に関する指針を読み解く

【オンライン授業を実施する先生方へ】文部科学省発表のオンライン授業に関する指針を読み解く 一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
一歩先ゆく音楽教育(スキルアップ編)
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音楽教員歴10年の原口直です。

4月に入って、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するために、オンライン授業の活用方法について文部科学大臣から発言が出ました。

それらについてまとめた上で、音楽科教員としてどのように活用できるかという話をします。

 

 

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オンライン授業に関する文部科学大臣発表の指針

まず、文部科学大臣が発表したオンライン授業に関する方針をまとめておきます。

 

1.自宅でオンライン授業が受けられる ICT環境の早急な整備
2.遠隔授業における受信側の教師設置基準を見直し、教師不在でも正式な授業に参加しているものと認める
3.遠隔授業における「同時双方向」要件の撤廃
4.高校、大学における、遠隔授業の単位取得数の制限緩和
5.オンラインカリキュラムの充実

などが提案されています。

 

オンライン授業の指針1:自宅でオンライン授業が受けられる ICT環境の早急な整備

自宅でオンラインの授業をできるように、通信環境や機材の整備をするということです。

すでにGIGAスクール構想といって、一人一台タブレット端末を配るという方針が去年出されたばかりです。それについて「早急な」が付きましたので、より早く学校内だけでなく学校外でもオンラインで授業ができる整備をするということです。

 

 

オンライン授業の指針2:遠隔授業における受信側の教師設置基準を見直し、教師不在でも正式な授業に参加しているものと認める

本来は遠隔授業の場合、遠隔授業を受ける側にも教師を設置するということが基準となっていたようですが、それが教師不在でもいい。つまり、生徒が一人で受信している状態でも授業とみなすということになります。

自宅でオンライン授業をする場合などにはこの要件は適していると思います。

 

オンライン授業の指針3:遠隔授業における「同時双方向」要件の撤廃

「同時双方向」というのは情報を発信する側と情報を受ける側、これがオンライン上でやりとりできなければいけないというのが双方向です。

後ほど紹介しますが、オンライン授業の方法として「一方通行」と「双方向」の2つがあると思います。この「一方通行」でも認められるというのが、この「同時双方向」要件の撤廃だと思います。

 

オンライン授業の指針4:高校、大学における、遠隔授業の単位取得数の制限緩和

これまでも遠隔授業での単位取得はできたようですが、制限が緩和されたことでよりオンライン授業でも授業を受けたことになるということです。

 

オンライン授業の指針5:オンラインカリキュラムの充実

今までは特に小中学校ではあまり考えてこられなかったオンラインカリキュラムについてですが、これを充実させようということですので、すでに休校が長く決まっている学校やオンラインを取り入れて授業をしていこうという方針を取っている学校では、オンラインカリキュラムをどのように組むのか各学校・各教科で求められています。

 

ここからは、音楽の授業においてオンライン授業がどのようにできるか話をしていきます。

 

オンライン授業の良さや可能性をつき詰めていくと、オフライン(従来の授業スタイル)の良さが見えてきます。「音楽の対面授業(オフライン)の意義・役割を考える【オンラインを知ったから見えた!】」の動画では、オフラインの良さ・代えがたいものとは何かをお話しました。

 

 

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音楽のオンライン授業の可能性を考える

音楽におけるオンライン授業。
「音楽でオンライン授業なんて、できるの?」と思いますが、実際、音楽は実技授業ですのでオンラインで授業をするというのは難しいです。しかし、このご時世ですのでせっかくですから、色々考えたり模索したりする機会にしてみましょう。

 

具体的なオンライン授業の作り方については、動画「音楽のオンライン授業の作り方『私ならこうする』」の中で解説しています。

 

 

オンラインで授業するには、まず考え方として

①一方通行
②双方向

があると思います。

 

「一方通行」の音楽のオンライン授業の実施例

教員から生徒への一方通行。

このYouTubeのように、語りかける・話をする、それを児童生徒が視聴するという形です。

有効なのは、こういったYouTubeのチャンネルです。
YouTubeは教員が一方的に話しかけているだけですので、ダイレクトに児童生徒の反応を聞くことはできません。しかし、「コメント欄」があります。コメントをもらうことで、タイムリーではありませんが、児童生徒からコメントをもらうこともできます。

 

カメラに向かって話しかけることと教室で生徒に向かって話しかけるのは大きく違います。「【普段の授業とは大違い!】オンライン授業動画における教員の話し方のコツ」では、それらの違いについて紹介しています。

 

「双方向」の音楽のオンライン授業の実施例

オンラインのミーティングツールを使った授業が考えられます。

例えば、YouTube。
同じYouTubeでも一方通行だけではなく、双方向で使えるYouTubeライブというのがあります。YouTubeライブでは、タイムリーにコメントをやり取りすることができますし、コメントに対して教員がすぐに反応したり、質問に答えたりということができます。YouTubeライブを使ってみるのも有効です。

 

学校現場へアンケートしてわかったことは、動画の使用を「学級では行なっていない」ということです。拙著「YouTubeで授業/学級経営やってみた!」の中には学級経営での活用事例を沢山のせていますが、「学級経営でのYouTube・動画活用の具体的事例を紹介【クラス紹介・学級通信にも!】」の動画で本の内容からいくつか紹介しました。

 

それから今注目されているZoomというオンラインミーティングツールがあります。
危険性も同時に報道されていますので、取り扱いには十分に気を付けてどの程度使っていいのか、信用していいのか必ず調べてから使うようにしてください。

 

 

Zoomは1つの画面がマス目のようになっているところに、教員や児童一人ひとりの顔が映って、反応したり、一緒にしゃべったりすることができます。
反応するのには、Goodや拍手ボタンといった反応の仕方もあります。また、しゃべることもできますが若干タイムラグがありますので、誰か1人がしゃべっているところに一斉にしゃべったり、一緒に歌を歌うというのは難しいです。それぞれの特徴を知って、使い分けるのもいいと思います。

これらを使うのには著作権について気を付けたり、保護者の方の許可を得たり、機材はもちろん、オンラインの通信費もかかります。そういったことに教員側がきちんと気を付けてあげてください。

 

著作権は法律の文章だけ見るととても複雑で難しいですが、基本は「作品はつくった人のもの」ということです。学校で著作物を利用する場合の注意点などを「学校における著作権入門(教員のためのシーン別著作権)」で解説しました。

 

 

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オンライン授業に関する質問など募集します

このオンライン授業については、皆さんが知りたいこと、質問したいこと、やってみたいこと。これらを募集しています。

 

どのように使ったらいいのか、使いたいけどこういうことが怖い、これは著作権に違反しているのだろうかなど、音楽特有の質問があると思いますので、この動画のコメント欄や問い合わせフォームからメールをいただければうれしいです。その際は匿名でも構いません。一緒に考えてみましょう。

特に私は著作権については、色々な知識や経験も多少はありますので、これについて答えられると思います。

 

いくつか頂いた質問の中から、皆さんに共有しておいた方がいいこと・他の方も知りたいかなと思うことを、「【先生方からの具体的な質問に回答します】オンライン授業に関するQ&A」の動画では3つ取り上げて質問に回答しています。引き続き質問は募集しています。

 

 

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まとめ:【オンライン授業を実施する先生方へ】文部科学省発表のオンライン授業に関する指針を読み解く

今日はオンライン授業について話しました。

これはまだまだ模索中の段階です。いつか実現したらいいなと考えていたオンライン授業が、このような形で注目されるとは思っていませんでしたが、これをチャンスととらえて皆さんでオンライン授業について考えたり深めたりしていきましょう。

 

 

ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「【オンライン授業を実施する先生方へ】文部科学省発表のオンライン授業に関する指針を読み解く」も是非ご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー/公立中学校音楽科教員

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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