音楽教員歴10年の原口直です。
今日は皆さんからいただいた質問に答えます。(4回目/全4回)
和太鼓を使った音楽の授業内容
毎年、中学1・2年生でおこなっていました。1年生には三宅島の太鼓。2年生には八丈島の太鼓をやっていました。太鼓の実技でおしまいではなく、最後に学習指導要領にある「生活と社会との関わり」を念頭に考えさせていました。和太鼓を演奏したり、口唱歌で口伝をして伝えたりした後に、地域の芸能について考えさせていました。
■音楽教員のための新しい学習指導要領(3つの改訂ポイント解説)
■ドドッコドンドンステテコドンドンで伝わる!新しい学習指導要領の言葉『口唱歌』の解説・音楽の授業実践例
例えば「阿波踊り」徳島県の芸能です。しかし今、阿波踊りは全国各地にあります。もし自分が徳島県の人だったらどう思うか。また、徳島県ではない場所で阿波踊りをおこなうことをどう感じるか。どのような思いをもってやっているのかを考えさせていました。
和太鼓を使った授業はとても人気で、特に歌や器楽が苦手な子でも和楽器になるといきいきしたり、ここぞとばかり力いっぱい演奏してくれる子もたくさんいました。和太鼓はとても有効な教材です。
演奏経験のない楽器をどのように吹奏楽部で指導するのか
自分自身は吹奏楽部クラリネット担当だったので、クラリネットしか吹くことができません。しかし、吹奏楽部の顧問を持っていました。方法は2つ。「先輩」「講師」です。
吹奏楽部における先輩の役割
吹奏楽部はだいたい縦のつながりが強いので、先輩から後輩からの指導が主です。顧問からの指導はあまりないと思います。きちんと先輩が後輩にその楽器の技術や備品の使い方、楽器の扱い方を伝えていくので、自分ができなくても部活を持つことはできます。
吹奏楽部で講師を招聘する
指導で講師を呼ぶことができることがあります。管理職の先生などに相談をして、講師を呼びたい(週に何時間)とお願いすると制度を使えると思います。講師を探す際は、自分で探したり、友人のつてをたどったり、講師を集めた集団があったりするので、声をかけて講師を探して来ていただくのも一つです。
吹奏楽部の顧問が吹奏楽の楽器全部できる必要はありませんので、安心してください。
学校現場で大変だったのは生活指導
大変なこと、たくさんあります。ただ、話せないこともたくさんあります。特に大変だったことは生活指導です。
その時のその生徒の行動や感情だけでなく、色々なことがからんできます。例えば、その生徒の技能、生活面、他の色々な要素が複合的にからまりあっていることがとても多いので、丁寧に聴き取ったり、丁寧にその生徒を考えてあげなければならないので大変だなと感じていました。
それから私は登山。これが一番大変でした。
運動が苦手だから音楽をやっているのに、なぜ音楽の教員が登山しなければいけないのだといつもいつも思って、愚痴をこぼしていました。しかし、これも仕事なので一生懸命に登山の準備をしたり、訓練をしたり、練習をしたりしていました。自分がもし若かったら、きちんと体力をつけてから教員になることを勧めます。
音楽教員を退職してYouTuberになったわけではありません!
まず私はYouTuberではありません。私が発信することのツールの1つとしてYouTubeを使っているだけです。ウェブサイト、書籍、講演会など色々やっている中の一つがYouTubeです。
YouTubeの有用性については教材研究をしている時から「これは便利なツールだな」と思っていましたし、YouTubeが何か役に立つのではないかとずっと思っていました。
特に音楽の教員・音楽の教員になろうとしている人が全国にいる中で、とても孤独であったり、勉強しようと思ってもなかなかできない・そういう場がないのではと感じていました。
もちろん研修や学び直す機会はありますが、なかなか集まれないとか時間が取れないとか、こういった課題を乗り越えるものとしてYouTubeやウェブサイトが有効ではないかと思って始めました。
それに、音楽の教員という限られた枠の人たちに届けるツールがあまりありませんでしたので、YouTubeを使って発信すれば空いた時間に、好きな時に、自分の興味のある項目から視聴できるので有効だと感じています。
それから、今は教員はいったん辞めましたが、完全に終わりと思っていません。次に何かを始める準備だと思っています。ですので、YouTubeやウェブサイトでの発信が次の教員人生を拓くものになると思っていますので、これから教員になる可能性も十分にあります。
ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「【視聴者の質問④】和太鼓を使った授業・生活指導の苦労・教員を辞めた理由(全4回)」も是非ご覧ください。
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