音楽教員が6月にすべきこと(1年間のスケジュール紹介)

音楽教員が6月にすべきこと(1年間のスケジュール紹介) 一歩先ゆく音楽教育(授業準備編)
一歩先ゆく音楽教育(授業準備編)
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音楽教員歴10年の原口直です。

6月に入ると、一気に夏休みを見すえた動きになってきます。どのようなことを準備すればいいか、3つのカテゴリーに分けて話します。

 

夏休み前から逆算して動き出さなければいけないことが、いくつもあります。4月で慣れてきた学校生活を一度立ち止まって振り返り、先を見据えるのが5月におこなうことです。詳細は「音楽教員が5月にすべきこと」をご覧ください。

 

 

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音楽教員の年間スケジュールを、「1.音楽科」「2.学校」「3.学年・学級」「4.その他」の4つのカテゴリーに分けて、その概略を紹介しました。

音楽教員の1年間のスケジュールはこちらから

音楽教員が6月に準備すべきこと【音楽科編】

NHKコンクール

ガイダンスが通常6月の中旬に行われます。

ガイダンスでは、日程や注意点、当日の動きなどの説明があります。そして、最後にはコンクールの日時を決める抽選があります。抽選が終わると、自分の学校が何月何日の何番目、何時から歌うかが決まりますので、学校に戻ったらこれを教員や保護者、子どもに通知するのが大事です。

特に保護者あての手紙には夏休みの練習日程や服装の準備などについても詳しく説明をします。そして、ビデオ撮影をする場合には早めにNHKに申請する必要がありますので、ビデオ撮影をする人を確保する、これも6月すぐに行うことです。

 

強豪校と一般校でこんなに違う!学校による合唱指導の相違点」の動画では、私が通学していた中学生・高校生(Nコンで県代表になってブロック大会に進むぐらいに合唱に力を入れていた学校)と自分が勤務した中学校(コンクールにさほど力を入れていない学校)の違いについて話をしました。

 

定期テスト

7月に筆記テストがある場合、6月から準備が必要です。例えば、出題範囲を配ったり、問題を作ったりするのは6月です。授業の進度を鑑みて、範囲を早めに生徒に周知するのが大事です。

 

合唱コンクール

秋にある場合は楽譜の発注もこの6月におこなうことです。なぜなら、選曲が7月に行われますので、候補曲、生徒が選びそうな曲を早めにセレクトしておくのが大事ですし、楽器店で新作を確認したり、作品集をチェックしたりするのも6月です。

 

音楽教員のための学校に出入りする楽器屋さんとの付き合い方」でお話していますが、困ったことがあれば裏のベテラン音楽科教員ともいえる楽器屋さんに相談してみるのも良いかもしれません。

 

それから、担任の先生にピアノ伴奏ができそうな生徒を伝えるのも6月です。夏休み中に伴奏を練習してきてもらいますので、伴奏者は7月に決めることが多いです。

伴奏者は音楽科の独断だけでは決められません。音楽科が4月に取ったアンケートを元に、人間関係やその生徒の家庭環境などを鑑みて、担任の先生と連携して伴奏者を決めていきます。

ただうまいだけ、技術があるだけでは伴奏者を選べません。その子が夏休みにどのような行動をするのか、時間的に余裕があるのか、クラスの中でどういった位置づけなのか、こういった情報を担任の先生から得ながら伴奏を決めていく必要があります。

 

調律

8月にする場合は依頼をするのが6月です。学校の中にピアノがどれくらい、どこにあるのか、何日かかるのか。これらを調整するのも6月中にやっておきます。

音楽室の中にあるピアノだったら音楽室を使わない時に調律してもらう必要があります。そうなると、部活動との日程調整が必要です。音楽室以外にあるピアノ…例えば体育館にあるピアノを調律する場合は体育館を使う部活の顧問の先生や、保健体育科の先生に体育館の使用状況を聞いて調律の日程を組む必要があります。

自分ひとりだけでは決められませんので、早めはやめに動き出すといいと思います。

 

音楽教員のための調律師との付き合い方【バッハが音楽の父ならピアノ調律師は音楽室の父だ!】」の動画において、学校に出入りする調律師さんの特性を知って授業で使うピアノを有効に使う方法についてお話しています。

 

 

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音楽教員が6月に準備すべきこと【学校編】

公開研究会

6月には公開研究会の本番がありましたので、その準備を行っていました。
例えば、授業の内容を決めるのはもちろん、その授業までに逆算してどこまで進めておく必要があるかを調整します。

それから、学習指導案の作成も6月です。6月上旬に作成したら、指導助言の先生や司会の先生に送ってダメ出しをいただいて、また直して送るということをします。

 

学習指導案の書き方については「音楽科の学習指導案の書き方(応用編)」の動画で解説しています。

 

準備としては、宣伝も大事です。自分のテーマに応じてこの先生に見てほしいという方に連絡を取ったり、去年やおととしに公開研究会を見てくださった方、外部で出会った授業に関心がありそうな方に連絡を取って、「ぜひ見に来てください」という営業活動をします。名刺をひっくり返して、いろんな人に連絡を取っていました。

授業に必要な取材に行くのも6月です。
CSR(企業の社会的貢献)をテーマにした時には、サントリーに出向いてサントリーホールの担当者と話をしました。
音楽の嗜好性をテーマにした時にはGoogleの本社にあるYouTube担当の方に会って、YouTubeが音楽にどう使われているか話を聞きました。
そして、ジェンダーをテーマにした時にはセクシュアルマイノリティやLGBTを専門にしてる先生に取材に行ったり、ジェンダー教育について学んだりということをしました。この取材をするのも6月中です。

 

研究授業を始めて行う人・これから研究授業を控えている人・もっと研究授業を充実させたいという人には「人が集まる研究授業の企画・運営・アフターフォローの方法」の動画がおすすめです。5年で参観者を50倍に増やした私の研究授業のやり方を紹介しました。

 

授業の合間をぬって色んな所に出向く。これも大事です。それから準備は、配布する冊子の編集や執筆もあります。

 

教育実習

オリエンテーション、ガイダンスが行われるのも6月です。

9、10月に来る教育実習生が実際に学校に来て、学校の様子を話したり見てもらったりします。どのような授業をしてほしいか、学校にどういった教材教具があるかを話す。これがガイダンスです。

 

教育実習に関する動画は、当サイトの「教育実習生のための記事・情報まとめ」そしてYouTubeチェンネル「一歩先ゆく音楽教育」の教育実習編をご覧ください。また「中学校音楽の教育実習ガイド」では実習生・指導教員向けの実習前から実習後までのポイントを紹介しています。

 

 

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音楽教員が6月に準備すべきこと【学年・学級編】

学年

7月に行事がある場合、その準備に追われます。

登山があった場合には、その準備を色々しました。例えば実地踏査(実踏)では実際に登る山に登ったり、泊まるホテルで話をしたり、実際にご飯を食べる場所に行ってみたりということをしました。それから、業者とのやりとりも大事な準備です。食事場所に数を申請したり、アレルギー対応の連絡をしたり、というのも準備です。

忘れてはならないのが体力づくりです。普段全く運動をしなくて運動が大嫌い、とても苦手な私は登山のために練習をしました。近所の低い山に登ることで体力をつけて、これに必要な道具を試したり買ったりしました。普段運動をしない私が、元気いっぱいの中学生と一緒に登山できるわけがありません。登山ではきちんと中学生をフォローしたり、もちろん足を引っ張るなんてことはできません。

今のうちに準備をしておく、これも6月にすべきことです。

 

音楽科の教員は担任以外の学年に入って宿泊行事に同行することがあります。とくに気をつけることについて「副担任・音楽教員としての学校宿泊行事への関わり方」で解説しました。

 

学級

夏休み前に面談を行うことが多いと思います。面談の予定は一か月前には出したいところです。働いている保護者の方や、介護や育児のある保護者の方もいらっしゃいます。こういった方にとっては、最低でも一ヶ月には予定がわかりたいものです。なぜなら、私がそうだからです。

一ヶ月前には面談の予定を配って調整をして、最終決定を配る。これを6月中にしましょう。

そして、所見です。通知表に所見欄がある場合は、6月から準備をしておくのがいいと思います
私は6月にざっと下書きを書いておいて、7月は微調整で済むようにしておきました。7月は授業でも、学年・学校でもやることがたくさんあるので、6月中に準備をしておくと後が楽です。所見は今のうちに書いておきましょう。

 

その他

他校の公開研究会に足を運ぶことです。金曜、土日に公開研究会が行われることが多いので、ぜひ出向いて自分の知識にするといいです。そして、学会の支部会や分科会があるのも6月です。自分の知見を広げるために、足を運ぶといいと思います。

 

スキルアップを目指したい方、自分の授業が固定化・マンネリ化してしまった時に新しい何かをするヒントを得たい方には、研究会・研究授業へ参加することがおすすめです。「スキルアップ・人脈作りのために教員は研究会・学会へ行こう!」でその理由をお話しました。

 

 

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まとめ:音楽教員が6月に準備すべきこと

6月は目の前の授業・公開研究会だけでなく、7・8月、そして秋に向けて動き出すものが色々あります。たくさんやることがあるので、きちんと計画を立てて時間の使い方、スケジュール管理を徹底して乗り切りましょう。

時間の使い方・スケジュール管理については他に動画「【教員の働き方改革】残業時間を減らすための教員の1日の時間の使い方」「教員のための効率的なスケジュール管理術」を作っていますので、そちらもご参照ください。

 

 

ブログ記事の内容は動画と同じです。
動画「音楽教員が6月に準備すべきこと」も是非ご覧ください。

 

教員が夏休みを充実した期間にするためには7月に入ればすぐに準備が必要です。「音楽教員が7月にすべきこと」で、7月にすべきことを紹介しています。

 

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この記事を書いた人
原口直

元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

東京学芸大学教育学部卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。
東京都内の公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校において、教育実習生の指導・進路指導・新しい学習内容「生活と社会に関わる音楽の授業実践」を重ねる。
会社員時代の経験を活かした知的財産権教育の研究・発表実績多数。

2020年春より教室からYouTube動画・ウェブサイト・講演にフィールドを移し、教員や教育実習生が学ぶためのコンテンツを発信している。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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